毎度糸井氏のことばから。
彼が想定したものとは違うのかもしれませんが、
アートや音楽や芝居だけではなく、商売もこれをやるのは面白いです。
「俺は、私は、これがいいと思う!」とひとりが熱く語るものを
組織としていろんな方面から盛り上げてプッシュして売っていく。
トレンドや過去の前例なんかとは相容れてなくても、
これの方が意外と、爆発するんですよ。
だって
「顔の見えない大勢の誰かさんたち」が支持しているものより
「顔の見える特定の誰か」がハッキリと自分の言葉で語るものの方が
温度が伝わるから。
特に女性は、マスよりこういう「個人の熱さ」に心動かされますよね。
ひとりの強力なクチコミスト(そんなコトバあんのかな?)にそそられるという。
(男性はもっと、マスで評判だという社会的裏づけを欲しがりますよね)
ここで書いても詮無いかもですが、
昔のわが社はそういった「やたらアツいバイヤー」がいました。
ケンしかり、サオリしかり。
「彼らの力説で思わず今週も買ってもうた…」というのがあったな。
あと、MASARU発信のNOMINATIONもトレンドとは無関係でしたが、
そういう熱さで皆さんが支持してくれた気がします。
できれば、その良さを再び出してゆきたいものです。
そのためには
こういうことをまずなくしていかねばなのです。
ハコが大きくなって
数が増えていくと生じるのが
これら「形式や先例や一般論」であります。
これらは至極正しい顔をしているので
個人の熱さなどよりお仕事の上で幅が利きやすいのですが
結局そこには「ほんとうに言いたいこと」とか
「個人の顔」がないことの方が多い。
しかも、とても慣れ親しみやすい。
だから危険。
気づくと、思ってもいないことを
誰か特定できない人々に発信し続けてたりする。
しかもそれで「安心だ」と思ったりする。
自分のことばじゃないものをじょうずに綴るな。
どんなひとか思い浮かばない相手のために売るな。
そんなことを若手には言ってますが、
いつまでも忘れないよにしたいと思うのです。