女の不安、男の覚悟。 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


私は初対面誰にでも物おじせず、
元気よくコミュニケイトできるが、
その実すんごい人みしりである。



そのことはあまり気づかれないのだが、
仲良くなるのにものすごーい時間がかかる。


その過程では、おそらく男女問わずたくさんの人に
「この人って…あまりこちらと関わったり話したりしたくないのかな」
と思わせてしまってるだはず…ごめんなさい。


これは相手のことを好きか嫌いかに全く関係ない。


本当はたいがい、好かれたいし仲良くしたいんだけど、
「いえいえ今日のところは」とササッとひいてしまう期間がすごく長い。
なかなか自分の範疇にあたらしいものをいれたがらない性質らしい。



そのかわり、年単位かけて自分の範疇に入れ、
自分の素をさらしていいな、と思ったが最後、
その中のものにはめたくた執着する。


恋人はもちろんのこと、友達でもモノでもだ。


そして縄張りを確保した野良猫のごとく、
そこに近づいたり何かを持っていきそうだったりする外敵
(本当は敵じゃないんだけど…笑)にはシャーッと牙をむく。


そこを乱すやつはマジ半殺し!の物騒さである。



猛烈に嫉妬深く、
恋、友情、物欲問わず、
それらがどこかに行ってしまわないかの不安と
猜疑心たるやものすごい。



「お前はどれだけ叩いても壊れない頑丈なものが欲しいんだろ。
 でもそれを試すために叩きまくって自ら壊すからタチが悪いよ」

悪友ハラダはいつもしみじみ言う。



そうなの
ココをいちばん断捨離しないとなのよね



というわけでこのとばっちりをいちばん受けるのは
他でもなく歴代の恋人たちで、彼らはおしなべて疲弊した。


現在はそれがだんなさマーということで、
私は安定の中でもちいさなことで揺らぎ、
いちいちそれを確かめる面倒な妻になっとる。


法律で夫婦になってるとはいえ、
私が数十年間でつくりあげた結婚観は
「結婚したら女は不自由かつ不幸せになる」
「男は妻を女として見ず大概浮気をする」
だったから
(またそれを見事に体現する知人も多く…)
この状態に安穏とできてないのである。



で、こないだごく小さなことで議論になったとき、
「あんたは本当に大丈夫なのか」とまた確かめる私に彼が言った。



「だってさ、俺、結婚したんだよ?」


私はすかさず返す。

「結婚なんて、したら偉いわけじゃないよ。
 したからって何もかも安心できるわけないじゃん」



すると彼は、心底やれやれというふうになり
ここ数年でいちばんまじめな顔で言った。


「そういうことじゃなくてさ。
 40まで結婚しないって言い切ってた俺がだよ?
 その俺が結婚したってことだよ。
 一度やめたのに“それでもやっぱりお前だ”ってしたんだよ?

 その覚悟はよっぽどだって分かってよ」



「でも…今は私が調子いいし元気だからいいんだよ。
 私が動けなくなったり働けなくなったり子供できたりして
 今みたいじゃなくなったら大丈夫とは思えない」



「そうなったら当然介護したり食わせたりするし、
 お前が危害を加えられそうなら守るし、
 結婚したんだから浮気はしないって前から何度も言ってるよ。

 俺にとって結婚したってのはそういうことだよ。
 そんな小さいことでいちいち不安がるのはあほらしいからやめて」




がーん

大変失礼ながら
この人にこんな覚悟があったとは
知らなかった




プロポーズは軽めだったし
普段「俺は別にダメならダメでいいけど~」的だから
自分に都合よくなくなったら、さらりと去る人なんじゃ…と思ってたから


「おい、今でも十分都合悪いよ!こんな面倒な女といるんだから!」



そうですか…



誰かがいった


男はワンシュート100点のゴールを一度決めて
それで一年持つと思う生き物だけど、


女はそれより回数重視
そんなゴールはせいぜい3~5点の評価しかなく、
それより年に百回、1点を決めてゆくほうがうれしい生き物


と。


だから旦那はそれを心掛けるべしとなっていたが、
このときの彼の言葉を聞いて思った。



男は女が思うよりずっと、
その100点ゴールにゃおのれの覚悟と重い意味を持たせてる。


それはそれで、分かってあげて信じてあげないとなのだわ。



フウウウウム
すいませんでした



そしてそのタイミングでこんな本も読んだ



広野ゆうなのフーテンひぐらし-おだはやと


べつに彼からのメールは減っていなく
会えなくなってもいないわけだが、
きちんとつきあったのちにどんどん不安になる
オンナのきもちの対処法が書いてあるから興味深くて




結局やっぱり
男と女の感情曲線は違うから、
そこを理解して不安がるなということだった。



タイトルが妙に屈辱的ゆえ(笑)レジにもってゆくのは
はばかられましたが、なかなかよい本でして、


「覚悟と犠牲」
「試すのをやめる」
「男の人の生態系」
「あの頃はあの頃」
「すべてのものが共進化していく」


などなど、参考になる項目がいくつもありました。




俺も40だ
その面ではどうもよからぬ現実を見すぎて酒場の女みたくなってる側面と
女子中学生的側面があわさって、ぶんぶんブレすぎるのだが、
そろそろ大人の女にならないとね…




だんなさマーに関しては、この話し合いで
私の心にズシンといい重りが入ったので
それはよかったなあと思います。