以前書いたが、私がよしながふみを読んだのはつい最近のこと。
「愛がなくても喰ってゆけます」を読んでうなった。
この人ぁ面白いなあ、何て美味そうに食べ物を語るのだ、と。
他のことには言葉が出てきても、
食い物を評するときのボキャブラリーが
ひどく貧困な私は、ただただ感心。
読者の皆さんのおすすめコメントもアツかったので、
このたび「西洋骨董洋菓子店」文庫版買って読みました。
やー
おもしろい
作中にゲイ(しかも魔性)は登場するけど、
「男同士の恋愛」が主題なわけじゃない。
これでもかというくらい、ケーキの用語が登場し、
辛党のあたしにゃピンとかこないが多分ヨダレものの
描写で甘いものの数々が出てくるんだけど、
「グルメまんが」や「ケーキ屋奮闘ものがたり」じゃない。
だいたい、これだけイケメンとケーキが出てくるのに、
ちっともスイートじゃない。
笑えるのに時々ゾクッと怖い。
忘れてた最初の主題が、
いきなり最後でぐわわーっと出てきて
物語の中心になるのには驚いた。
すごいサスペンスだ。
そして人間ドラマだ。
ブラボウ。
トータルだと、何のジャンルに属すまんがなのかわからねー。
なんだろね、よしながふみってすごいね。
というわけで、
「よしながふみの食い物系はまだないか~」と探してたら
これがあったので買った。
あとで最新刊だと分かったよ。
モーニングで目下連載中なんだね。
都内某所2LDKに男二人暮らしで住む、
筧史朗(弁護士)43歳と矢吹 賢二(美容師)41歳の
「食ライフ」をめぐる物語。
ちなみに1ヵ月の食費は2万5千円也。
(モーニングHPより)
シロさんとケンちゃんは、ゲイカップルである。
「え、ゲイの話」と腰が引ける阿呆なノンケ男子よ、待てや。
ボーイズラブ色は皆無。
そこに描かれてるのは、惚れたはれたの話でなく、
落ち着いた感のあるカップルの、笑いあり
悩みありのごく普通の日常生活。
しかしこのマンガ、腹が減る!
食いしんぼな男女におすすめである。
書店では中身の見えないビニールカバーがかかってたけど、
表紙と裏表紙に書いてあったメニューだけでのどが鳴ったよ。
いわしの梅煮
鮭とごぼうの炊き込みごはん
ナスとトマトと豚肉のピリ辛中華風煮込み
たけのことがんもとこんにゃくの煮物
トマトとツナのぶっかけそうめん
鶏肉のオーブン焼き…
じゅる
メシ担当はクールな二枚目弁護士のシロさんだが、
これがスーパーで献立を考え始めるシーン(価格には非常にシビア)から、
実際に調理するシーンまで、その手際が鮮やかかつリアルでたまらない。
スーパー主婦☆ステキ
これをいつも美味そうに食べる
ほんわりキャラのケンちゃんがまたいいんだ。
(関係ないけどケンちゃんは我が社のオシャレ男子「やじー」にルックスが激似だ)
ああ、自炊このくらいできるよになりたい。
この中のレシピ、実際つくってもマジで美味しいらしいよ。
続きが大変楽しみです。
長く続いてほしいな~。
さて次のよしなが作品。
食べ物系じゃないけど、
ついにあの男女逆転の「大奥」に手をつけるかな。