長年連れ添った夫に裏切られ

夫に報いを見せたい…

その一念の丑の刻詣で

貴船神社のご神託は  願いを叶えよう

鉄輪の三つ足に火を灯し、頭に頂く

顔に丹を塗り、赤い衣を着て、怒る心を持て…と

 

生霊となった妻の念は夫を殺しに行く

 

結局は、安倍晴明によって追い払われ

夫は命拾いする

 

生霊の女は 夫への想いを語る

昔に交わした言葉が蘇る

それなのに   捨てられて…

恋しさと 恨みの想いが   交差する

 

恨みの深さは 愛情の深さ

取り殺せなかった女は 次の機会を予告し

目に見えぬ鬼となる…

 

能「鉄輪」

 

深く傷つき 憤り 恨み 

でも恋しく

心の揺れ動きを描く

 

感情に流されて 行き着く先…

 

オペラの「カヴァレリア ルスティカーナ」

昔の彼女とよりを戻した婚約者

しかも人妻

嘘をついて 彼女と逢瀬を重ねる

 

捨てられて…

苦しい感情に つい…

相手の女の夫に 二人の密通を言いつけてしまう

決闘の末  大切な人を失う

 

 

同じようなシチュエーション

でも 

そこに描き出そうとする世界は違う

 

日本人でよかった…