弘前市議会の平成29年第2回定例会(6月議会)での私の一般質問の質疑の要旨をご紹介します。
■家庭系ごみの有料化について
千葉こうき市議は、壇上から、文京学区の住民のみなさんが、千筆以上も集めた請願署名を添えて、「家庭系ごみの有料化に反対する請願書」を本議会に提出したことを紹介。その上で、市は、こうした市民の声をどのように受け止めているのか。「有料化が有効」との「答申」をどのように扱おうとしているのか質問しました。
市は、「複数の団体から家庭系ごみ有料化に反対の旨の請願が、市議会に提出され、市民の間でも様々な意見があることを認識している。市としては、ごみ処分手数料を付加しない家庭系ごみ指定袋がごみの減量化に有効であると判断し、平成30年度中に導入する方向で準備を進めたい」と、答弁。
さらに、再質問で、「断念、白紙撤回と受け止めてよいか」と質問。
市は「ごみの排出量の推移を平成32年度の中間評価年度まで、指定ごみ袋を導入したうえで、見守っていくことが極めで重要。その上で、指定ごみ袋によるごみ減量状況を見極めながらも、さらなるごみ減量が必要であると総合的に判断される場合、施策の一つとして『有料化』の検討も、その時に必要になってくる」と、答弁。
そこで、千葉市議は、「市民の声からすれば、「有料化』を選択する余地はない」と、返しました。
市民の声に押されて、市は、手数料を付加する「家庭系ごみの有料化」を当面見送ることになりましが、しかし、依然として、『有料化』をあきらめていません。指定ごみ袋の導入で、目標に達しなければ、再度、「有料化」を検討するとい態度です。
■農作業の事故防止対策について
千葉市議は、「リンゴ園地は、危険でいっぱい」とのりんご農家の方の声を紹介しながら、弘前市内における農作業中の事故の実態。そして、当市の事故防止の取り組みの現状について質問しました。
市は、農作業事故の実態について、「平成24年から平成28年度までの5年間の農作業中の重大事故は年間1件から7件で推移」。「啓発活動を日常的に行うとともに、農業団体の集会や座談会などの機会をとらえて、農家の方に向けて、農作業事故の防止について、呼びかけて来た」と、答弁。
さらに、「事故の件数は、どのような方法で掌握しているか」との千葉市議の質問に、市は、「中南地域県民局は警察から、農業協同組合は農家から情報提起を受けと事故を掌握しており、その情報を市も共有している。報告されない軽微なケガなどの掌握は困難」と、答弁。
そこで、実態掌握と安全対策について、安全運動期間だけでなく、「農業者と当市、関係機関が連携し、恒常的推進体制を作り、推進する考えはないか」と質問。市は、「更なる安全対策としてどのような方法があり、何が有効なのか、県や関係団体の意見も聞きながら、取り組んでまいります」と、答弁しました。
■弘前市立地適正化計画について
千葉市議は、「近所の店が潰れ、往復で二千円のタクシー代をかけて食品スーパーに行き、三千円の買い物をして来る。歩いて買い物に行けるような商店があれば」との買物に苦労している高齢者の声を紹介。一方、「弘前市立地適正化計画」において、都市機能誘導区域の誘導施設として食品スーパーが設定されていることから、はたして、この計画が、こうした市民のみなさんの声に応えるものになっているのかと、質問しました。
都市機能誘導区域の誘導施設として食品スーパーが設定されていることについて、市は「店舗面積1千㎡を超え1万㎡以下の食料品スーパーについては、居住者の生活を支える日用品等を取り扱う店舗であり、また、都市構造や公共交通の維持、生活の利便性等への影響が大きい施設と考え、計画期間である平成47年度までその機能を維持・誘導していく必要があるとから、学園地区を除く都市機能誘導区域の全てにおいて、誘導施設としと設定した」と、答弁。
また、誘導施設に係る届出制度について、「都市機能誘導区域外に誘導施設の建設を行おうとする場合は、行為や種類や場所などによって市長への届出が必要」、「支障がある認められる届出があった場合は、必要な勧告をすることができる」と、答弁。
再質問の中で、市は、「1千㎡を超える店舗面積」について、大規模小売店舗法の届出対象となる基準面積。さらに、こうした生鮮食料品を扱う大規模小売店舗が立地していないくい地区は、和徳地区、城東地区、桜ヶ丘地区、浜の町地区、岩木地区で、いずれの地区にも、店舗面積が1千㎡以下の生鮮食品を扱う店舗は立地していると。そして、こうした小規模な食品スーパーが立地していても、「日常的な利便性を図るために必要な規模の生鮮食品を扱う店舗として誘導を図る」として、和徳地区をはじめとした5地区に、新たに生鮮食料品を扱う大規模小売店舗の立地を誘導すると、答弁。
さらに、市は、こうした大規模小売店舗の立地について、都市計画法においては居住系の用途地域でも基準内での立地が可能であり、大規模小売店舗法については駐車場の確保や騒音防止等の「周辺地域の街並みづくりへの配慮等が主なチェック項目」とされるが、「店舗面積や営業時間などに対する商業調整機能は有していない」と答弁。また、誘導区域以外での大規模小売店舗の立地は、届出をすれば可能。「立地を適切なものにするために、必要な勧告をする場合もある」と答弁しておりましたが、現実に「勧告」できるのか疑問が残ります。
千葉市議は、「結局、弘前市内の中心部には積極的に、郊外には歯止めがかからず、大規模小売店舗が乱立する事態になりかねない」と指摘。さらに、「店舗間の競争が激化し、共倒れ、本当に必要としている地域から、身近な食品スーパーが撤退することも考えられる。このようなことは、『買い物難民』とも言われる状況の中で、あってはならない。買い物に苦労している市民の声は、この計画を運用するにあたって、どのよう反映するのか」と質問。
市は、「食品スーパー等の誘導施設の確保を図る」「居住誘導区域から都市機能誘導区域に行くための使いやすい公共交通サービスの提供」「立地適正化計画の5年ごとの見直し時においても、社会経済情勢に合わせて見直しを行う」と答弁。そこで、最後に、千葉市議は、「そのアクセス先の大規模小売店舗も厳しい競争にさらされる。バス乗って、都市誘導区域に着いたが、食品スーパーが見当たらない」ということも。公共交通は、確かに重要だが、万能ではない」と指摘し、「市民の声を第一にした『計画』の運用や見なおしを」と求めました。
■道徳の教科化について
「道徳の教科化」が、小学校では18年春、中学校では19年春から授業が始まろうとしています。
千葉市議は、こうした「道徳の教科化」めぐる動きが、安倍政権の憲法改正の動きなどと同時に進んでいることから、市民の中に「道徳の教科化」に対する危惧する声があることを紹介。道徳教育がどのよう点で大きく変わるのか、市教育委員会の認識について質問しました。
市教委は、「道徳が教科化されることとなり、道徳科の授業において、教科書の使用や評価が行われることになった」。「教育委員会として、道徳教育の重要性をしっかりと受け止め、小・中学校における授業等が計画的に実施されるよう、教職員研修や学校訪問での指導・助言などにより、学校への十分な周知と理解の深化を図ってまいります」と、答弁しました。
なお、質問時間切れで、「道徳の教科化」については、千葉市議は再質問に入れませんでした。千葉市議は、時機を見て、この項目について質問する考えです。