映画「ひまわり」を見て、思ったのですが、実名で大学の名前が出てきますが、大学自身にとってもかなり勇気のいる行為と思いました。大学運営には詳しくはありませんが、理事会とかありますから、よほどの強い意志がなければ出来ないことだと思います。そこで、沖縄国際大学のホームページを訪問しました。すると、毎年、8月13日になると、大学の行事として「普天間基地から沖縄を考える集い」を開催しているようです。
今年も集いが開催され、320人が集まり、副学長が趣旨説明。理事長・学長が声明を発表。学生2人も意見を発表したそうです。第2部では、映画「ひまわり」を上映したそうです。
学長の発言は、「2004年8月13日、この場所この時間に、米軍ヘリコプターが墜落炎上して、学生、教職員、市民を恐怖に陥れてから、今日で9 年目を迎えます。あの日の墜落現場の惨事と米軍の理不尽な行動に対する市民、県民の憤懣やるかたない強い憤りの感情が、時間の経過と共に薄れていくことも残念ながら現実でもあります。ヘリコプター墜落事件の惨事の記憶を風化させてはなりません。沖縄国際大学は、琉球・沖縄の歴史の中で、人々が求め続けてきた『真の自由と、自治の確立』を建学の精神として、地域に根ざし、世界に開かれた大学を目指して参りました。高等教育の場としての大学は、静かな環境の中で勉学や研究に励む場であります。大学の平穏・安寧を脅かす普天間飛行場の強化ましてや固定化は、大学にとって認められるものではありません」と、大学の意思を示しています。
学生の一人は、「何故、私達は戦時中でもないのに、貴重な大学生活の中で、飛行機の墜落や騒音を気にしなくてはならないのでしょうか?平穏な日々を過ごしたい。安心して学校に通いたい。私たちの願いは、ただそれだけなのです。しかし、このような県独自の悩みを抱えているのは、私達沖縄県民だけではありません。確かに、国土面積0.6%の沖縄に、在日米軍基地のおよそ7 割を押しつけるのは比重が偏っていて、不平等感を抱くかも知れません。しかし連日報道されているように原発の影響で苦しんでいる福島や震災の爪痕を深く残す東北。彼らもまた、被害者であり、日本の今後の課題なのです。では私達は、彼らのためにいったい何が出来るのでしょうか?確かに、彼らの抱える問題と私達の問題は大きく異なります。しかし、平穏で安寧な日々を愛する地元で過ごしたい。その気持ちは同じなのです。だから、私達は「何故、自分達だけ」という考えを改めなくてはいけません。苦しんでいるのは、私達だけでは無いのです。だから、今後の基地問題については、沖縄だけで考えるのではなく福島や東北の人を含む日本全体で。復興や原発問題も、そこに住む人だけに任せるのではなく、沖縄も共に考える。そういったお互いの抱える問題を理解し合い、助け合う形が今後の課題解決への近道だと私は考えます。これからの沖縄と東北は、共に復興を目指し、共に基地返還を願う。そういった関係が築けたらいいと思っています。自分達のことだけでなく、日本全体が幸福に満ち足りるにはどうしたらいいのか?それを主体として考えられたら、日本はより暮らしやすく、平穏になるでしょう。共に希望を持ち、共に幸福を願う。それが平和な日常への第一歩ではないでしょうか?」と、東北の復興のへの思いも語りながら発言していました。
その発言を聞いて、沖縄のみなさんの温かい思いに感謝しつつも、これまで沖縄のみなさんの苦労をどれほど自分自身が理解していたのかということも反省させられます。 この学生の思いも、映画「ひまわり」に込められていたと思います。沖縄のみなさんと連帯し、がんばらなければと思いました。

学生の発言

「ひまわり」のビラ