こんにちは、ひろなか歯科吉國です。
愛すべき顎関節のその2
今回は顎関節症の話です。
(その1は以下のリンクより)
マスクの下で顎関節症⁉
新型コロナウイルスのパンデミックにより、顎関節症に悩む人が世界規模で増加したそうです。
といっても、ウイルス感染が顎関節症を起こすわけではありません。
感染予防のために、毎日四六時中マスクをすることで、会話が減り表情を作らなくなっています。
マスクの下のお口やあごには知らないうちに力が入り緊張状態になっています。
実はこの状態があごに過剰な負担をかけているのです。
あごはリラックスしているとき、上下の歯はくっつかず少し隙間が空いているのが理想なのですが、緊張状態にあると軽く歯が合わさります。
この時、噛みしめていなくても軽く歯があわさっているだけで、頭の重み分の力が下あごに加わっているといわれています。
今、このブログを読んでいるあなた・・・上下の歯は接触してないですか?
ブログを書いている私は、パソコンの前で前のめりになり、上下の歯が接触して、上半身過度な緊張状態!まさによくありません!
そんな時はいったん リフレッシュです。
リラックス、リラックス、背伸びして深呼吸---
顎の痛みや動きが悪くなる顎関節症の52%がこの「接触癖」が原因だと考えられています。
習慣になっていることは自分では気が付きにくいものです。
ぜひこの機会に一呼吸おいて、自分の歯はどうなっているか感じてみてください。
マスク話題でもう一つ
マスクをしていると息がしづらく、マスクの中が息で蒸れやすくなるため、無意識のうちにそれらを解消しようと、あごを前に突き出しマスクと顔の間にすき間を作ることがあります。
こうした普段とはちがうあごの動きも、あごの関節を傷めて顎関節症につながります。
マスク生活が長くなり大きく口を開けることが少なくなっているので、症状が進行してから気が付く人も少なくありません。
マスクを外した時はこわばった筋肉をリラックスさせてあげるため、ゆっくりと大きな口を開けて体の力を抜いてみてください。
顎関節症の症状が出たときどうするの?
顎関節症は、昔は「歯医者さんが治すもの」と考えられていました。
症状を改善するには、マウスピースの装着や注射、外科手術などの歯科医師による治療が第一にあって、患者さん自身による生活習慣の改善や開口訓練はおまけ程度と考えられていたのです。
でも今は違います!
約20年前から、患者さん自身に生活習慣見直しと開口訓練に励んでもらうことで、時間はかかりますが、痛み緩和に持っていけることがわかってきました。(すべての顎関節症に当てはまるわけではありません)
「歯科医師主体の治療」から
「患者さんに生活改善のための協力をしてもらい、必要に応じた処置を加えていく治療」に変わっていったのです。
では生活改善とは何か。
具体的には顎関節や咀嚼筋への負担を減らすため、
・硬い食品や長時間の咀嚼は避ける
・頬杖をやめる
・猫背などの姿勢をよくする
・仕事中や休憩時に上下の歯が接触していることに気が付いたら歯を離すようにする
・特に強い心理的な緊張を感じる環境があれば、それを改善し避ける
です。
日常生活は無意識の行動が多いので、まずは、自分がやってることに気が付くことが第一歩ですね。
私自身も自分の体の状態の見直しから初めて、健康な顎関節、肩甲骨、股関節で楽しく おいしく、好きなこができる体を保っていきたいです
(NICO 2021.1月4月8月 参照)