威勢のいい進行役のあんちゃんのアナウンスで、
いよいよ催し物がスタート!
牧場敷地内にある約200m程の直線を、
足の太い馬を駆ったカウボーイが、全速力で疾走します!
バカラ!バカラ!バカラ!バカラ!!!!
※クリスタルのメーカーじゃないよ。馬の足音だよ。
「はっ、はえぇぇぇーーーっ!かっちょえぇぇぇーーーーっ!」
手が届きそうなくらい目の前を、疾風のごとく駆け抜ける騎馬。
その迫力は、
電車で一つだけ空いた席に何とか2人で座ろうとするおばちゃんのよう…
ワクワク…
ワクワク…
直線のゴール付近には、なにやらアーチのようなものが。
そのアーチの中央部分からは、「リング」のようなものがぶら下がっています。
疾走する騎乗のカウボーイは、
アーチが近付くと、片手でたずなを引きながら、
もう一方の手に鉛筆のような金属の棒を準備。
どうやら、その「リング」を金属の棒で射ぬこうということらしい。
アーチを駆け抜けた騎馬がゆっくりと戻ってくる。
手にした金属の棒にリングはかかっていない。
残念ながら、最初のカウボーイは失敗(><)
続いて、次の騎馬が助走を始める。
「バモス!セニョール!」
「バモバモ!!」
どうやら人気のあるカウボーイのよう。
バカラ!バカラ!バカラ!バカラ!!!!
※クリスタルのメーカーじゃないよ。馬の足音だよ。
カキーーーン!!!
金属と金属がぶつかった硬い音が響く。
「エッサーーーー!!!!」
右手を高々と上げたカウボーイの手の先には、
金属の棒に見事にリングがかかっている。
「うっひょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
両足飛びでは跳ねまくり、大興奮振りをアピールする私。
「サルト!サルト!サルトォォォォォ!!!!」
むにゅ…
ん???(・・)
靴底を通じて感じる、なんとも言えない「やわらか、ねっちょり」な感覚。
まっ、まさか…
ゆっくりと足を上げると、そこにはくっきりと足形がついた馬の●ンコが…
ぐぁがぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーん!!!!(((( ;°Д°))))
足早に私から遠ざかろうとする若いカップル。
「●ンコ!●ンコ!」と叫びながら私を指さすガキンチョ達。
そして、かかえきれないほどの腹をブルンブルンゆすりながら
涙目になって大笑いするトトじいちゃん。
「ぐあははははははっ!今日からお前はセニョール・カカ(●ンコ男)だ!」
ひどい…
ひどすぎる、このじいちゃん
絶対、マエストロじゃない…(T T)
●ンコの除去作業に30分ちかくを要した私は、
その後の「射ぬき」をほとんど見逃してしまうはめに…
「ちきしょぉ… 馬なんて… 馬なんて…」
私がすっかりしょげている間も、
出店をみたり、古ーい博物館を見たり、
あっという間に時間は過ぎ、いよいよ帰宅時間。
「よぉーし、帰るぞぉ~。あっ、セニョール・カカは車に乗るなよ。匂いがつくから」
ちがう…
絶対ちがう…
このじいちゃんはマエストロじゃない…
(完)