「’Round Midnight」 | 「すが」のブログ

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映画とJAZZ、最高に楽しい!

ジャズ映画の秀作、アメリカ・フランス合作の1986年の作品。

ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーターなど、有名なジャズミュージシャンが出演していることでも知られている作品です。前から見ようと思ってましたが、ようやくDVDで見ました。


この話の主人公のモデルはバド・パウエル。ドラッグでボロボロの状態になっていたところ、フランスへ渡って人間らしい生活を取り戻していくお話。1960年代パリのジャズシーンの退廃的な雰囲気が映画に出ています。

デクスター・ゴードンがミュージシャンならではのいい演技を見せてくれています。


先日のジャズゼミナールでのジャズ史の話とリンクしてきますが、1945年に完成したと言われた「ビバップ」1950年代は芸術としてのジャズが輝いていた時代です。バド・パウエルはビバップの時代の中心人物でした。


マイルス・デイヴィスも1960年初頭パリに渡って、映画「死刑台のエレベーター」の音楽を担当したりしていますが、1960年代のアメリカはジャズの最盛期が終わってジャズ不況と言われていた時代だったようです。

今、読んでる「マイルス・デイヴィスⅢ世研究」の中では、マイルスのキャリアのピークは1958~59年だったと評価されています。


チャーリー・パーカーやバド・パウエルなどの破滅型の先鋭的なジャズミュージシャンの時代の終わり。ビートルズの出現でジャズミュージックがマイナーな世界へ押しやられることになりますが、「'Round Midnight」は、その直前の一時期を美しく切り取った映画として残っていく作品のような気がします。



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