前から気にはなっていたドラマなのだが、色々話題のドラマがあり過ぎてなかなか観る機会に恵まれず。何と言ってもソン・ガンが出演していると言うことで観る決心がついた。ただどんな役なのかわからずに観たのだけれど、これがまたピュアな仔犬感を随所に醸し出していて良き哉。
老年に達した売れないミュージシャンが悪魔と契約を交わして30代の自分に若返り、更に音楽で成功して何不自由なく暮らすが、そこへ一人の女性が現れてあなたのの曲は私が10年前に作った曲のの盗作だと言う。
ミュージシャン役はチョン・ギョンホ。賢い医師生活でもお馴染み、ギターを弾いて歌も歌う。
この役のためボイストレーニングも受けたとか。ちなみにソン・ガンはこのドラマの中でピアノを弾くが、彼の母親がピアノ教師なので多分幼少時から馴染んでいるのだろう。
悪魔役はパク・ソンウン。大きな体によく通る声、そして人を常に突き放すような冷たい態度。身長が高い(187cm)だけに威圧感がある。
10年前、老年の域にさしかかったシンガーソングライターのソ・ドンチョン(チョン・ギョンホ)は身なりの良い男に声をかけられた。そして、その男に音楽での成功と若さを引き換えに悪魔に魂を売ることを提案された。
売れないシンガーソングライターだったソ・ドンチョンはハ・リプの名前で音楽プロデューサーとして大成功を収め、30代の若さを手に入れた。しかし月日は過ぎ行き、彼の元には6日後に契約満了だと言う手紙が届く。だがそれを無視するハ・リプ。
一方歌手を夢見るキム・イギョン(イ・ソル)は自作の歌を歌うとハ・リプが育てた歌手のシホの曲と同じだと言われ、ショックを受ける。
だがハ・リプは自分が作った曲のほとんどは別な人が作った曲だったことを知り、怒った彼は大スターのモ・テガン(パク・ソンウン)に姿を変えた悪魔に、その事を訴えるがテガンは冷たく無視するのだった。
ハ・リプはイギョンに罪悪感を感じるが、盗作だと公表する事は出来ない。
そんな時、テガンと契約を引き延ばす取引に成功したハ・リプだが、その代わりテガンに1級の魂を持つ人間を連れて来いと言われる。
そんな時アルバイトの為、出向いたホテルで同級生らに囲まれ非難を浴びていたイギョンを救い出すハ・リプ。イギョンは音楽への夢を諦めて平凡な人生を歩もうとしていたが、バイト先のカフェで寝泊まりして夜中に襲われそうになる。結局泊まる部屋もなく途方に暮れていたイギョンはハ・リプの家の家政婦になったが、これはハ・リプがイギョンへの罪悪感から申し出たものだった。
そんな中、ハ・リプに会うため、モンテネグロからルカ (ソン・ガン)と名乗る青年がソウルエンタを訪ねて来た。偶然会ったイギョンに好意を持ったルカはイギョンを〝キャリー〟と親しげに呼び、イギョンはルカに自分が持っていたギターをあげる。もう音楽はやらないつもりだったからだ。
ソウルエンタの代表チ・ソヨン(イエル)はモ・テガンの元恋人で、ハ・リプとは仕事上のパートナーとも言える存在だった。
ハ・リプはイギョンの欲の無さから、彼女こそ1級の魂の持ち主だと閃く。テガンにイギョンが1級の魂の持ち主だと言うが、テガンにあっさり否定されてしまう。
怒ったハ・リプはテガンを見返すために、イギョンをプロデュースしてスターにしようとする。ソウルエンタのタレントであるラインの代わりにステージに上がったイギョンだが、家族に迷惑はかけられないと歌手になることを否定する。
ソウルエンタの共同代表になったイ・チュンリョル(キム・ヒョンムク)は昔、ソ・ドンチョンとデュオで活動していたが、衝突して別れてしまった。だがチュンリョルはドンチョンの事が気になり消息を調べていたが、ルカもドンチョンについて調べ始めていた。彼はドンチョンの音楽のファンでもあったからだ。
ハ・リプはイギョンの新曲発表のパフォーマンスを路上ライブでと計画する。そんな時偶然10年前に知り合っていた女子高生がイギョンだった事を知ったハ・リプは更に罪悪感に苛まれる。
そんな時ソウルエンタの代表ソヨンは今でも忘れられない思いを抱えて再会したテガンが同じ人とは思えない違和感を感じ始めていた。
ある日アパートの上の階から落ちた子供が奇跡的に助かったと言うニュースを耳にしたテガンは自分とは正反対のある存在が身近にいることを感じた。それは彼が断ち切った絆だったはずだが。
ついにチュンリョルはドンチョン名義の家がある事を知り、ドンチョンとの関係を聞かれたハ・リプは咄嗟に息子だと嘘をついてしまう。
一方義父からDVを受けていたイギョンは灰皿で義理の父の頭を殴り、事件になっていたことを世間に知られてしまい、非難される。
テガンが悪魔だと知らずにヨリを戻したソヨンだったが、以前と違うテガンの態度に違和感は広がっていく。
そんな時ハ・リプは10年前結婚式場で偶然床に散らばった祝い金を盗んだことを思い出したのだが、それは息子の手術代に使う為だった。
イギョンはソウルエンタの契約金を障害を背負った義父の介護や借金のある警察官の兄のため使った。そしてハ・リプがプロデュースしたイギョンの曲はチャートランキング第1位を獲得する。
その頃テガンはカフェとおでん屋を営むコン・スレ(キム・ウォネ)こそ自分が探していた父親だとわかった。
一方ハ・リプは目の前で倒れたルカを病院に運んだが、病院でルカの母親に会ったハ・リプは驚く。実はルカの本名はイェ・スンホ。ルカの母親はドンチョンから去って行った妻だった。そしてドンチョンは10年前手術をしなければならない息子のために結婚式場で祝い金を盗んだ。あの時の息子が今のルカだと気付いたハ・リプ。ルカがスクラップしていたドンチョンの記事を見た彼は号泣する。
一方イギョンの魂を売る契約を取るためハ・リプは彼女に親切にし、自分に好意を持つように仕向け始める。
そんな時チュンリョルは昔息子の結婚式で祝い金を盗んだドンチョンと一緒にいた女子高生がイギョンだと気付く。
手術を受けるルカを励ますハ・リプは父親としての幸せを噛み締めていた。
イギョンの兄ギョンスがハ・リプを訪ねて来て、実はイギョンではなく自分が父親を灰皿で殴ったことを告白する。その時ギョンスは警官になる試験を受けていたためイギョンが罪を被ったのだ。
一方ルカは手術を受けていたルカは突然心肺停止となってしまう。
ハ・リプはルカの命を助けるためにテガンに自分の契約はどうでもいいからと必死で頼む。そんなハ・リプに一時的に彼の魂を回収することにする。
するとハ・リプは一時的に元のドンチョンの姿に戻ってしまった。実はチュンリョルも魂を売っていたが、ドンチョンが自分と同様に魂を売ってハ・リプになった事に気付く。
一方数日前イギョンを見つけたルカが道路へ飛び出し、神の使いの力によってトラックに跳ねられてしまうが、彼は死ぬ運命だったのだ。
ルカの死を見てしまったハ・リプは気が動転してしまい、イギョンに魂を売る契約にサインしろと迫った。そしてイギョンが契約した事によりルカは蘇生し、義父も寝たきりだった生活から一転、元の体に戻った。
ソヨンはハ・リプからテガンの正体を聞いてしまう。
そしてルカは父ドンチョンが子供の時のルカの命を救うため、悪魔に魂を売ったことを知る。
魂を売ったイギョンは別人のように他人に素っ気なくなり、ソウルエンタからソヨンとハ・リプを追い出し、自分が代表となった。ルカがいくら話しかけても冷たくあしらうイギョン。
全てを知ったルカはイギョンとハ・リプを元に戻して欲しいとテガンに頼む。そしてイギョンの義父はまた酒に溺れ、DVを繰り返す。
そんな時ハ・リプはイギョンの魂を取り戻すためテガンを訪ねる。ハ・リプはテガンが集めた魂が保管されている木を傷つけてしまい、そこから魂が蛍のように散り散りになった。ハ・リプはこの魂達は何処へ行くのかとテガンに聞くが彼は知らないと答える。何とかこの魂達を持ち主に返す手立てはないのか考え始めたハ・リプ。
そんな時薬の過剰摂取で意識を失ったソヨンの元へ現れたテガンは彼女を病院に連れて行く。
イギョンは魂を失い、作曲の際の王も奪われてしまったため、ハ・リプは自分が昔作った曲をイギョンに渡そうとするが拒否されてしまう。
ルカはモンテネグロに帰る決心をするが、その前にハ・リプと路上ライブを行なった。
チュンリョルが横領の罪で逮捕され、ソヨンはソウルエンタの代表に復帰する。ハ・リプはこれまでの盗作を告白して引退し、砂漠へ旅立つ。砂漠で死にかけたが、助けられて彼の魂は戻った。
1年後、魂も戻ったイギョンは小さなカフェで歌っていた。ハ・リプの姿ではなくドンチョンもギターを抱えイギョンと楽しそうにデュエットしていた。ドンチョンは日によってハ・リプになる事もある。それは全て自分の気持ち次第なのだ。
チョン・ギョンホが若いハ・リプと老人のドンチョンの二役を演じ分けていたが、老人のメイクが結構リアルなので、若いハ・リプとかなり印象が違う。観ている方は同じ人だとわかっているが、それを知らなければちょっと迷うかもしれない。ギターに歌にとチョン・ギョンホはこの役の準備のために大変だったに違いない。
何と言ってもソンガンが可愛い。ピアノを弾く姿も初めて観たが、私の中でのイメージアップが甚だしい。
それにしてもイギョン役のイ・ソルが愛嬌を振りまく役ではないせいか、かなり無愛想な感じだ。特に魂を奪われてから、子犬のようにやって来るソンガンに対しての態度が、一瞬で空気中の水分が凍りつくダイヤモンドダストのようだった。
驚いたのが、チュンリョル役のキム・ヒョンスクが「ヴィンチェンツォ」でイタリアンレストランのシェフ役だったという事。全くわからなかった。