「恋のゴールドメダル」。かなりのダサいタイトルだが、原題はもっとダサくて「力動妖精キム・ボクジュ」。これなら「恋のゴールドメダル」の方がマシかも。

私も見るのを迷ったけれどナム・ジュヒョクが出ているので見ることにした。

 ヒロインのキム・ボクジュ(イ・ソンギョン)はハノイ体育大学で重量挙げの選手としてオリンピックを目指している。

 女子重量挙げにスポットライトを当てているのは目新しい。しかもこのドラマには財閥の御曹司とか令嬢は一切出て来ない。特に底意地の悪い人物もいない。

 ボクジュの小学校の同級生で水泳部員のチョン・ジュニョン(ナム・ジュヒョク)はある日小学校以来会っていなかったキム・ボクジュと大学で再会する。ジュニョンは早速ボクジュが呼ばれていたあだ名で呼び、からかう。だがジュニョンは小学校の時同級生から虐められて教室の窓から落とされた時、運良く下にいた力持ちのボクジュがジュニョンを受け止めたのだ。

 ボクジュは重量挙げをやっているせいで女の子として見られないことに悩んでいた。

 実際のイ・ソンギョンはモデル出身で175cmの長身、体重は役のため増やしたとのこと。色素がやや薄いのか目も茶色っぽく、泣いても笑っても怒ってもとにかく可愛いのだ。本田翼によく似ている。

 雨の中、重い荷物を抱えて信号待ちをしているボクジュに優しく傘に入れてくれた男性に彼女は女性として見られた嬉しさから恋をする。その男性は肥満クリニックの医師チョン・ジェイ(イ・ジュユン)だった。ボクジュは彼に会いたくてダイエットをする名目で友達や監督に内緒でクリニックに通うことになった。

 しかしジェイはジュニョンの兄だったため、ボクジュの恋心を知ったジュニョンは皆に内緒にする事を楯にボクジュに無理難題を押し付ける。

 何かとかまってくるジュニョンに辟易していたが、ジェイの優しさを好意と勘違いしていたボクジュは片思いに終止符を打つ。ボクジュは好きな人に重量挙げをしている姿を見られたくないと思っていた。重量挙げをしている時苦しさで歪んだ表情になるからだった。

 ボクジュは大会で優勝したものの、ジェイが大会を見に来ていたことにショックを受け重量挙げをやめると宣言したため、しばらく休部することに。

 アルバイトを始めたボクジュが気になり、ジュニョンはアルバイト先を訪ねるが、意外と楽しく仕事をしているボクジュと彼女に親しげに話しかける男性に嫉妬を覚える。

そしてジュニョンはボクジュのことを好きだと気づく。ドラマだから仕方ないけど遅いぞ、ジュニョン!

 ついに彼はボクジュに告白する。が、戸惑うボクジュ。だがジュニョンはボクジュが落とした財布を拾い、中身を見ると、彼女がやりたい事リスト(バケットリスト)を書いた紙を発見。彼氏と遊園地に行って楽しく遊び、一つのドリンクをお互いのストローで飲むなどが書いてあり、ジュニョンはそれらを実現させてやろうと遊園地に誘う。ボクジュはOKするが、結局いつものナニとソノク、ジュニョンの友人テグォンが加わってしまう。

 女子重量挙げの友達であるナニとソノクもちょっとウザいが、いい子達だ。ソノクは「梨泰院クラブ」でトランスジェンダーのシェフ役だったし、ナニは「シンデレラと4人の騎士」でパク・ソダムの親友を演じていた。甘ったるい喋りがクセになる。

 ボクジュもジュニョンが彼女を思ってくれる気持ちと気遣い、そして優しさにいつの間にか惹かれて二人は両思いとなる。

 ジュニョンとボクジュが恋人同士になった途端のイチャイチャがすごい。でも二人は可愛いので見ていて笑えるのもあるし、楽しい気持ちになる。これは二人の息がぴったりで(付き合っていたようだ)羨ましい。アドリブもあるのかなと思いながら見ていた。ただのラブコメならイチャイチャしてるなーぐらいに思えるが、ここに父親の病気や、家族の絆、コーチが生徒のために部費を使い込んでしまい、一時はクビ寸前になるなど様々な事件が絡み合う。重量挙げの監督も厳しいが人情に厚い。「応答せよ1988」でもいい味を出していたチェ・ムソンが演じている。かなり太った気がするが。

 私は特に13〜14話は笑い過ぎるくらい笑った。ジュニョンが遊園地で高所恐怖症なのにボクジュに付き合ってフライングカーペットに乗って完全に目が死んでいたところなど思い出しただけでウケる。イケメンのナム・ジュヒョクの表情も可笑しい。

 ボクジュの服の色使いもポップで彼女に似合っていた。ジュニョンは黒のタートルネックのセーターにヘリンボーン柄のコートを合わせた着こなしがさすがモデル出身と思わせるカッコ良さだった。全般的にカッコよかったのは言うまでもない。

 ナム・ジュヒョクは「ハベクの新婦」よりものびのびと演じている気がした。相手役のおかげかもしれない。