ケアマネージャーさんに会う | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

いちごは美味しかった。。

 

小倉の旦過市場のいちご・・・

無名な朝どりいちごの方が

抜群に甘く。。

忘れられないほどの美味しさ。。

 

2パック買っていたいちごは

一瞬でなくなった・・・汗

 

子供達は

食べるのに必死・・・。

 

大雑把な母は

わけてイチゴを与えず

一皿にボーンと乗せたもんだから

争奪戦。。。

 

あなたはリスなんですか?

と言うほどいちごを頬張る子供達。。

兄妹がいると

世の中の生存競争の激しさを

身近に感じるものだ。。

 

食べ終わると

一言

「日本は美味しいいものばかりだね。

こんな美味しいいちご

初めて食べた。。。」

そう言う娘の口の周りは

イチゴだらけで

妙に説得力があった。。。笑

 

そうなんですよ。。

美味しいのですよ。

 

さて。。。

次の日。。

予約していたケアマネージャーさんと会う。。

 

私の中ではもう、答えは出ていた。

しかし、これから先

どうなるかはわからない。。

もしかしたら父が回復する可能性もあるのだ。

そう考えると

やはり可能性は探っておきたい。。

 

何が我が家に必要で

何が我が家にできて

何が我が家には無理なのか・・。

 

この可能性を知っていれば

私がいなくとも

母の選択肢は見えてくるはず。。

 

今は無理でも

もしかしたら・・・・

そう考えてはいたので

全てを否定するつもりはない。

 

今回のテーマは

「可能性を探る」

と言うもの。。。

 

聞きたいことを

紙にまとめていた妹。。。

 

どこかのネットで引っ張って来たような

質問に

「質問しないでいいことが多すぎる」

とダメ出しをし

以前話し合った内容で

話を進めて行くことを確認。。

 

介護は・・・

本当にその家庭家庭で抱えてる問題が違うため

一般論というのは

あってないような気がする。。。

だから、ケアマネージャーさんのような人がいて

その家庭のケースにあった内容を

話してくれるのだろう。。

 

さて、緊張している母を連れて

ケアマネージャーさんと会った。。。

 

実は、事前に調べて欲しいことを

お願いしていた。。

 

それは・・・

介護で必要なものの

レンタル料金と

その種類・・・。

 

中でも一番気になるのは

家へのアクセス方法。。

 

我が家は急な坂の上にある家。。

しかも階段付き。。

 

これを無理なく

安全な方法で登るには

1スロープ。。

2リフト

のどちらかの選択。。

 

スロープをつけた方が

お得なのか?

安全なのか?

 

家に設置できる(高さが1メートルほどある段差)

リフトがあるかどうか?

その値段と

設置場所の相談。。

 

早速ケアマネージャーさんは

私たちがお願いしていたことを

調べてくれていた。。

 

まず最初に話したのは

スロープの話。。

 

車椅子を段差のある場所に

安全に運ぶ一般的な方法。。

 

一番気になるのは

どこの業者から

見積もりを取ったらいいのか?

 

実はスロープを作るとなると国から補助が出るのだが

それにはある一定の条件を満たしてないといけない。

その中の一つに「指定業者」というのがある。。

その指定業者がどこにあって

どこの地域までがいいのか?

あるいは限定された地区だけなのか?

その詳しいことがわからない。。

 

母は役所に何度も聴きに行ったようだが

担当者が忙しく

いつも席を外しており

全く情報が得られなかったという。。

 

母は自分の住んでいる町の業者以外は

使えないと思い込んでいた。。

 

その真偽をまずは確かめる。

 

「スロープを発注するお店は

私たちが住んでいる町のお店(工務店)でないと

いけないのですか?」

 

その質問に

「いえ、基本どこでもいいのですが

国の指定業者になります。。」と答えるマネージャーさん。

 

「その指定業者というのは

どうしたらわかるんでしょうか?」

と私が突っ込むと

「ネットなんかに

指定業者の一覧がありますので

そこから検索できますよ!」

とな。。

 

おお。ネット。

そうだった・・・

そんなことができたな。。

 

実は1社のみだが

見積もりを取ってもらっていた母。。

 

スロープをつけるためには。。

38万円かかるそうな。。

 

で、国からの補助額がきになるところ。。

実はあまりシステムがわかっていなかった私。。

 

このことを説明すると

マネージャーさんは

「何割負担ですか?」

と私たちに聞く。。

 

介護保険、

実は程度や家の状況によって

負担額が違うらしい。。

 

我が家の場合、

介護では上の方のランク

つまり介護難易度が高いランクに属しており。。汗

負担額は1割。

 

前の年は2割だった。。

今年は1割。。

 

さて、1割だからと言って何が1割負担なのか

スロープなどの工事については

さっぱりわからなかった私。。

この話を聞いたのが母&妹だったのだが

この二人は混乱したまま

私に説明したため

なんのことやらさっぱりわかってなかったのだ。

 

なので、私は具体的に

金額を出して

実際どのくらいの補助金が出るのかを聞いたのだ。

 

「1割負担だとすれば・・・」

と計算し始めるマネージャーさん・

 

説明はこうだ。

介護が必要な人の

家の設備を整えるために出る

国からの補助が20万円。。。

 

我が家はその1割負担なので

18万円。

つまり20万円満額の

1割負担。。

 

実際の工事費は

38万円

そして補助される額が

18万円

 

38万円(実費)ー18万円(補助)=20万(自腹)

 

つまり手出して20万円。。

 

という計算らしい。。

 

そして、この話の後に

マネージャーさんは付け加える。

 

「スロープへの補助は

あくまで、退院した後にのみ

発生するものです。

スロープに限らず

入院中は全ての補助は出ません。」

というマネージャーさん。。

 

介護保険は

入院中は使えないという。。

 

なんとまあ。。

「しかも・・・」

と続けるマネージャーさん

「もし、スロープを建設中に

お父様が亡くなった場合

補助は取り消されるので

満額38万円負担することになります。」

とな。。

 

なんというか・・・

血も涙も無い対応なんだね。。汗

介護できるように

普段は必要もないスロープ作って

しかもその作ってる間に

父が死んでしまったら

悲しいのに

なおかつ、国からの補助は全面ストップ。

 

残るのは

悲しみと使わないスロープと

借金だけなんて・・

悲しすぎる。。。

 

この方法はないな。

リスクが高すぎる。

 

私は母に

「スロープは

選択肢から外そう。

 

どのみち、あの地形で

腰の悪いお母さんが

傾斜のあるスロープを使って

重い父の車椅子を押したりするのは

危ない気がする。

 

しかも、建設中に死んだらって・・

今のお父さんならひどい風邪引いたら

一発だろうから

可能性としては

そんなに低くないよね。

 

スロープはやめたほうがいい。」

そう母に言うと

母も納得していた。。。

 

そして、大本命

リフトに話は移行する。

 

車椅子ごと

エレベーターのように

昇降する機械があれば

父を楽に運べる母。。

 

そんなものがあるのかないのか?

当時はまだ知らなかった。。

 

もしなければ

立体駐車場の

あの車を上に床ごと上げる機械を

中古で買う予定だった。。笑

 

まあ、見つけられてはなかったんだけども。。

 

で。。

結論から言うと

そう言う昇降機が・・・

あった。。

 

我が家の駐車場は

庭のすぐ横。。

庭と駐車場の段差は約86cm。

 

この段差を車椅子とともに昇降できる

そんな昇降機を探していたのだが

なんと2mまで昇降できる

リフトが貸し出しできるそうな。。

 

保険を使うと月々2000円。。

 

これがいい。

これくらいの負担だったら

なんとかなるし

レンタルだとメンテナンスも入ってるので

母が余計なことをしなくて済む。。

 

我が家の場合、

父が透析に出て行く。

その回数が週に3回ほど。

もし、風呂に入りに

デイサービスに行くなら

さらに週2〜3回は外に出る。

つまり、ほぼ毎日父は外に出るので

この昇降機のように

簡単に家に出入りできる環境が

必要なのだ。。

 

第一の問題はクリア。

 

そして、第二の問題。。。

それは母の腰の負担。

 

これを補助できるような

機械を借りれるかどうか・・・

 

その資料を見せてくれたのだが。。

いずれも

父を丸ごと動かす機械。。

 

つまり、立てない人を

車椅子に移動させるような

大掛かりな装置。。

 

父はまだ立てる。。

補助が多少いるのだが

そこは問題ない。

 

なので、必要な機械はこれではない。

 

そして、マネージャーさんに

母の状況を説明。。

母が腰を患っていること。。

 

すると

母が割って入ってきて

自分の身の上話を始める。。

 

母が年寄りだからなのか

はたまた

母だからなのか

それはわからないが

 

毎回、余計な話が多すぎて

話が全く前に進まない。。

話の本題を忘れるほど

自分の話をしだす母を遮る私。

「その話はまた後で」

 

私は母の腰がどこまでの負担に

耐えられるのかを話し

母が介護することに

本当は反対してることも

素直に話した。

 

もし・・

母が普通の体調で

腰になんの問題もないのなら・・・

もしかしたら

好きにさせていたかもしれない。。

 

介護で一番使う腰。

そのことを身にしみて感じた私は

母のことを真剣に心配した。。

 

もしかしたら

腰の負担を軽減するような

やり方があるのかもしれない。。

でも、心配はそこではない。

「もしも」の時に

とっさに力を入れられない

母の腰の弱さを心配している。

 

どんなに日頃から気をつけて

やっていても

いつも通りでない場合というのは

介護の場合、結構頻繁にあり

父の場合、特にそういうことが

多い気がするのだ。。

 

その対応する力が

母にはなく。。。

父も母も共倒れするケースを

心配していることを

マネージャーさんに話す。。

 

そして、何より心配なのは

我が家の環境が

すぐに助けに行ってやれる

家族が近くにいないこと。。

私は海外。

一番下の妹は県外。

真ん中の妹は論外。爆

いや、同じ県内だけど

ちょっと遠い。

40分くらいはかかる。

 

そのことを説明する。。

 

するとケアマネージャーさんの顔つきが変わった。

 

「そうですね。。

ヒロさんの心配されてること

まさにその通りだと思います。。

 

自宅で介護することを勧ない条件が

いくつかあるのですが。。

その中にいくつか当てはまってます。。

お母様の体が

介護するのに適してないことは

もちろんなのですが

一番の問題は

近くに誰もいないことでしょうかね。。

 

みなさん、老老介護される場合

必ず近くに誰かいらっしゃるんです。。

すぐに駆けつけられるような距離に。。

 

いつも様子を見に行けるような

そんな距離に

親御さんがいて

協力体制ができてないと

難しいと思います。。」

そう、はっきりと言ったマネージャーさん。。

 

私はてっきり

「大丈夫ですよ〜」って

言われると思っていたので

ちょっと驚いた。。

 

実際、ヘルプの介護師、

訪問看護など

受けられるように

リストを作っていたマネージャーさん。。

 

しかし、それを使っても

母の今の状況では

父を迎え入れるのが

難しいと判断した様子。。

 

「それに、父の状況も

今と大きく変わりますよね。。

 

今は、入院してるから

透析なんかは

病院内で収まっていて

父の負担は最小限。。

 

一方、家に帰るとなると

透析のたびに外出。

結構な負担になるとは思います。。

 

これに、デイケアーを入れると

ほぼなんらかの形で

毎日外に出る。。。

 

今の父の体力で

そこまでは難しいかもと

思ってるのですが。。」

と、私がいう。。

 

すると

それに大きく頷くマネージャー。。

 

「父の体力もさることながら

本人の協力体制もイマイチなんです。。

 

若干脳梗塞の後遺症と

ボケも入ってるのでしょうが

自分が何をされてるのか

わかってない部分と

母に甘えてしまって

何もしないことが当たり前だと

思ってる節もあって。。

 

どちらにしても

母にはかなり厳しい状況なのです。。

父がもっと動けて

協力してくれたら。。

状況はずいぶんん違ってくるのですけどね。。」

そういうと

マネージャーさんも

「本人の自覚と協力体制。。

これも本当に大切ですからね。。」

そうしみじみ言っていた。。

 

最後に一応

ケアマネージャーさんの出した

プランを見てみた。。

 

父の介護に必要な金額は

入院に必要な金額を

大きく上回っていた。。

 

つまり、

家で介護する方が

お金がかかり

病院で安全に入院していた方が

お金がかからない。。

 

私は母に

「介護して、疲れて

しかも、入院してた時より

お金がかかるのと

 

入院させておいたまま

看護婦さんに

いつも注意してもらっていて

なおかつ安心して任せつつ

時々家に連れて帰ってやれる環境で

お金がかからないの。。

 

どっちがいいか

一目瞭然だね・・・。」

というと

母は深く頷いていた。。

 

父の場合、糖尿・透析などの医療行為が多い。

その上、胃瘻という特殊な食事の方法なので

その分の負担額は全て実費。。

そいうのプラス介護の費用となると

病院より自宅介護の方が

高くつくのが現状なのだ。。

 

そのことに

ケアマネージャーさんの資料を見て

改めて気づいた。。

 

 

有意義な話を随分した。。

私は、「介護すること」を

ごり押しされる覚悟で来たのだが・・

意外にというか

当然なのかもしれないが

きちんとこちらの状況を見て

話してくれた。。。

 

最後に

「また、いつでも

わからないことがあったら

話を聞きますので

遠慮せずに仰ってくださいね。。」

そうケアマネージャーさんは仰った。。

 

母は、ケアマネージャーさんという

相談者を得て

とても嬉しそうだった。。

 

 

こうして、

ケアマネージャーさんとの

介護の話を終え・・・

母も「父の介護はいっとき見送る」

ということに

心の底から納得した様子だった。。

 

やっと

ひとつ解決。。

 

この後、父の顔を見て

帰っていったのであります。。