出会いと謝罪 | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

初めて父の病院を訪ね

悲しくなった私。

ある程度は聞いていたので

予想はしていたものの

実際に見る父の姿は

正直にショックだった。

 

しかし、ショックとは裏腹に

冷静に見ていた部分もあった。

 

これ、私のいいところでもあり

悪いところでもある。

 

ひねくれてる性格だからなのだろうか、

目の前で何かが起こると

素直に感情に任せることができない。

嬉しい・悲しいと言う素直な感情よりも先に

状況把握や問題点の有無などに目がいく。

どこか頭は常に冷ややかな場所が常に存在し

「現状打破や解決の糸口」を探す癖がある。

 

この癖のおかげで

私は昔から「可愛くない女」の道を

ひたすら歩んで来た。

 

女性にとっては頼りになる人だが

男性にとっては可愛くない女。

 

そして、家族にとっては

父が常に単身赴任していたので

父に代わる

「頼れる姉ちゃん」の役割でもあった。

 

実家に帰ると

特にこのスイッチが入りやすい。。

 

病院で父を見ながら悲しいともう反面

父の体力のなさ

父の自分の体を動かせる能力

これが私の想像以上に乏しいと言うことに

気づいた。。

 

しかし、母たちが言うように

その日その日で体調が変わる父。

できる時もあるのは

きっと事実なのだろう。。

 

しかし、この日見た父は

「できる」方の父で

その「できる父」を見ても

とてもじゃないが

家で受け入れられる状況でないのは

すぐにわかった。。

 

私の心では「父を帰してあげたい。」と言う気持ちがあるが

私の頭では「こんな状態の父は家には帰せない。」と言う結論に

初日からなっていた。。

 

だけど・・

もしかしたら

私の知らない

ウルトラCを見つけるかもしれない。

 

父も母も満足のいく

そんなウルトラC。。。

 

そんなものはないとはわかっていても

期待してしまう私。。

 

そして、そんなウルトラCがもし

存在しなかったら・・・

その時は母を納得させるしかない。

父を家に連れては帰れないのだと。。

 

母は話を聞いて

納得するタイプじゃない。

実際に体験しないと納得しないタイプ。

だから、私のいる間

とことん体験させてやろう。

 

父の介護が

できると思えるのか

できないと思えるのか・・

母に身をもってわからせる。

 

そのために今度の一時帰宅にかけてみよう。

あくまで否定材料を見つけるつもりではなく

父を受け入れられる可能性を最大限にみいいだし

父にとっても母にとっても最善の用意をし

精一杯父の介護の体験しよう。

 

そのために

受け入れ態勢をある程度整えなければ。。。

 

病院の帰りに

一人色々と考えていた私。。

短い時間を

どう有効に使うか。。

 

そんな時

いつものように

「お腹すいた。。」と合唱し始める子供達。。

 

子供達は日本に帰るのを楽しみにしていた。

その最も大きな理由は

「美味しいものがたべれるから!」。

 

その願いは叶えてやると約束したので

「何が食べたい?」と聞いてみた。。

 

すると「ラーメン!」と

2人も一致した回答。。

 

そっか、、ラーメン食べたいよね。。

 

ご存知の通り

九州のラーメンは濃い。

豚骨醤油のコッテコテ。

 

夫も子供達も九州のラーメンが大好き。

 

中東にいて

一番手に入らないのが

とんこつラーメン。。

日本食のレストランに行って

例えラーメンがあったとしても

それは醤油ラーメンか味噌ラーメン。。。

豚骨はない・・・。

 

まあね・・・

なんたって「豚」だからね。。

イスラム圏でこれが手に入らないのは

仕方ないよね。。。

 

 

なので、子供達はラーメンに飢えてる。。

 

去年は元気だったじーちゃんと一緒に

ラーメンを食べに何度も行ったので

子供達はさらにラーメン大好きになっていた。。

 

なので仕方がない。。

 

みんなでラーメン屋さんへ。

 

店に入り注文を始める。。

息子はもう、一人前のラーメンを食べれるだろうから

普通の大人サイズのラーメン。。

 

一方若干食の細い娘は

お子様ランチがいいのではないかと提案して見た。。

すると、色々乗ってる

「お子様セット」が前から大好きだった娘は

私の提案通り「お子様セット」をご希望。。

 

しかし、これが失敗だった。。

 

注文の品が届き

早速食べ始めると

娘は1分で完食。

 

どうも、サイズが小さすぎた。

しかも、お子様セットの

ラーメン以外には目もくれず

ひたすらラーメンだけを食べた。

 

「マミー、お代わり頂戴。」と

にこやかに言う娘に

仕方がないのでラーメンを

半分ほどあげた。。

 

もともとラーメンはそこまで食べたいと

思ってなかったので

さほど問題なかったが

問題なのは娘だった。。

 

 

この大人サイズのラーメン半分も

ペロリと平らげ

「マミー。お代わり頂戴」と

又もやにこやかに。。

 

そ・・そんなにラーメン好きなのね?汗

 

いや・・もう私も自分の分は

娘にあげてほぼない状態なのに・・

どうしよう・・・

替え玉を頼もうか・・

そう思っていたら母が

「ばあちゃんのラーメンあげる!」と

娘のさらに入れる。。

この量も私が先ほどあげた量。。

 

つまり、合計すると

大人の量。。。

 

いや、お子様セットのラーメン分をカウントすると

大盛りぐらいだろうか・・・。汗

 

流石に食べれないだろうと

放っておくと

なんとあっさり完食。。

 

おそるべし娘。。

 

 

しかし、流石に悪いと思ったのか

ばあちゃん(母)と私に

タコさんウィンナーとおにぎりと唐揚げをくれる。。

 

いや、、別にほしくないんだけどね。。汗

 

この時の教訓・・

娘にはお子様セットはもう小さい。。

特にラーメンは大人一人前食べれる。。

 

娘の成長を

ラーメンを通して感じた瞬間。。

 

いつの間にこんなに食べれるようになったんだろう。。

 

オマーンで外食しても

ほとんど手をつけずに

「いらない」と言う娘。

 

しかし、日本に来て

タガが外れたように

食べている。。。

 

やはり子供達にとって

日本食はソウルフードなのかもしれない。。

 

ラーメンを堪能した後

私は役場に行き

住民票を移す。。

 

今回数週間しかいないので

観光滞在扱いで良かったのだが

パスポートを取り直すと言う目的があった。

 

パスポート。。

私の場合、まだ2年以上の余裕がある。

なぜなら10年のパスポートなので・・・。

ただ、今まで海外に沢山行きすぎていて

もう、スタンプが押せるページが

数枚しかなかった。

 

これはパスポートを変えなければいけないサイン。

 

国によっては

何もスタンプが押してないページがないと

入国させてもらえないところもある。。

 

特に、ビザを取る場合

丸々1ページを使うことはよくある。

オマーンに移り住み

まだビザが下りてない状態の私たち。

 

ビザが降りたら

パスポートの空き状況は

ますます怪しくなる。。

2年間、どこにもいかない保証もない。

だから、スタンンプが押していない

空きページが数枚しかない私と子供達は

ビザが降りる前の今が替えどき。

 

パスポートを取るためには

住民票と戸籍謄本が必要。

なので、籍を入れる。。

 

役所で手続きをしていくと。。

学校教育課に行くように言われる。。

 

「新学期は4月6日からです」と

言われるも

今回は時間があまりにも少ないので

子供達を学校にやるつもりはない。。

 

たった数日(1週間もない)のために

日本語ができない我が子を

新年度の慌ただしいクラスに入れるなんて

先生にも迷惑だろう。

せっかくできた友達にも迷惑なはず。

 

それに・・・

今回は父のところに毎日通う予定なのだ。

学校が終わって病院に行けば

面会時間に間に合わない。

 

パスポートの受け取りにも連れていかなければ行けない。

子供達の病院(歯科)にも行かなければいけない。

たった、数日のことなのに

色々と買い揃えないといけない。

そんな時間はない。。

 

だから、学校に行かせる余裕などない。

これが結論。。

 

だが。。

一応子供達には聞いてみよう。。

 

学校教育課の人には

「とりあえず、家で話してみますが

帰国までの登校日数を考えると

たった数日・・・

しかも、父の具合が悪いと言う理由で

帰って来てるので

今回は学校には通わない予定です。。」と

一応、断りを入れた。

 

すると

「欠席扱いになりますが

それでもいいですか?」と言われたので

「学校自体はオマーンで行ってますので

欠席扱いでも大丈夫です」と返事をした。。

 

さて、籍を入れ終えた後

パスポートを取りに行こうとしたが

この日はここで電池切れ。。笑

まだ、時差ボケも続いていたため

この後家でゆっくりすることに。。

 

次の日、また父の病院を訪ねる。

 

するとそこで父のリハビリを担当している

療法士さんにお会いした。。

 

「ヒロ、こちらが

唯一お父さんが言うことを聞く

リハビリ療法士さんよ。。」

と母が紹介してくれた。。

 

私は

「父がいつもものすごくご迷惑をおかけしてます。。」

と深々と頭を下げた。。

 

そう、父が一番嫌いなのはリハビリ。

いかにも「病人が回復するためのもの」と言うリハビリが

大嫌いなのだ。

だからリハビリを避ける。。

 

父はきついことが嫌いなのではないと思う。

人に指図されながら

言うことをきかくなった自分の体を

動かす作業を屈辱と感じるらしい。

 

父の余計な

本当にくだらないプライドが

リハビリすることへの抵抗となっている。

 

これは、ずっと前からそうだ。

 

なので、特にリハビリ療法士の方達には

抵抗をし、文句を言い

暴言を吐き最後には嫌われる。

 

まあ、自業自得。

嫌われて当然。

普通の感覚なら

嫌いになるはず。

 

でも、父がそれでも言うことを聞くということは

この療法士さんが

人間的にものすごく素晴らしい人なのだろう。

いや、今までそうだった。。

 

父の好きな看護婦や療法士さん

嫌いな看護婦や療法士さんには

ある程度法則がある。

 

嫌いな看護婦さんは

・高圧的な人。

・事務的な人。

・人の話を聞かない人。

・父を見下してる人。

 

一方好きな看護婦さんは

・同じ目線で話を聞こうとする人。

・父がわがまま(暴言)を言っても

 話を聞きながらもうまく丸め込める人。

・笑顔が絶えない人。

・父に人として関心を持ってくれる人。

 

看護婦さんや療法士さんに

ここまで求める父も

どうかと思うが

まあ、一応一理解はできる。

 

つまり、看護婦さん療法士さんの中でも

人として立派な人が好きなのだ。

中でも、父に言うことを聞かせ

指図をしなければいけない立場の療法士さんで

好かれてるとなると

それはそれはいい人に違いないのだ。。

 

奇跡に近いような人じゃないと

父には好かれない。。

まったく、わが父親ながらなんてやつだ。涙

 

とにかく

父が好き=立派すぎる人

この構図はいまだに崩れたことはない。

 

そんなこんなで話をしてみると

やっぱり、この女性の療法士さん

ご立派・・。

笑顔が絶えず

ハキハキしていて

絵に描いたようないい人。。

そして

父のことをよく理解している。

 

父の性格を理解した上で

話をしてくれる。。

私たちにも気を使って

時々

父の悪いところを濁すようなことを言うので

私が「父が性格が悪く、わがままなのは

私たちも百も承知ですので、

どうか遠慮なさらずに

仰ってくださいね。。」

と声をかけると

笑っていた。。。

 

彼女の話によると

ここ数ヶ月は

リハビリに行く気力も体力もなく

リハビリ自体ができてないということ。

 

風邪を引く前は

つかまり立ちをし

廊下を手すりを使って

歩けていたということ。。

 

父の風邪が良くなった今

少しずつリハビリをさせたいと

彼女は話していた。

 

私は

「リハビリの場所に

私たちも行っていいですか?

もしかしたら、孫にいいところを見せようと

頑張るかもですし。。」と言ってみた。。

 

すると「是非是非!来ていただけたら

嬉しいです。。。

お孫さんの話は聞いてますしね!

きっと頑張ると思いますよ!」

そう、リハビリ療法士の方が言ってくれた。

 

本当に可愛らしい

若い療法士さん。。。

 

お父さんめ〜

こんな人に迷惑かけてからに。。。💢

 

病院の待合室で

療法士さんと話していると

もう一人の療法士さんと会う。。

この人は男性。。

しかもイケメン。。

 

母が私に

「この先生には

いっつも迷惑かけてるのよ。。

わがまま放題言って

いつも困らせるの。。

 

本当によくしてくれるのに

申し訳ない人なのよ。。」

そういう。。。

 

彼をみると

物腰の柔らかそうな

お兄ちゃん。。。

 

はは〜ん。。

原因がわかった。

 

父の友人としての男性の好みは

自信を持って話す人。

でも、自信を持ちすぎて話すぎる人もダメ。

かと言って優しすぎるのもダメ。

 

男性の方が多分

好みがうるさく

難しいのだ。。汗

 

このお兄ちゃんは

イケメンに加えて

優しすぎる感じが

父は苦手なのかもしれない。。

 

私から言わせれば

十分いい人だと思うんだけども。。

 

で・・男性の療法士さんの場合

同性の

しかも若い人に指示をされるとなると

いくら物腰が柔らかくとも

父はすんなり受け入れられないのかもしれない。。

 

つまり

この人のせいでは

決してないのは事実。。

 

そんなことを頭の中でぐるぐる考えると

もう、申し訳なさすぎて

頭下げるしかない。。

 

「父が、本当にいつも

ご迷惑をおかけして。。

申し訳ないです。。

 

それなのに

いつもお世話くださって

本当にありがとうございます。。」

 

父のせいで

病院で頭下げっぱなしよ。

全く。。あいつめ!

 

このイケメン療法士さんは

「いえいえ!」

そう笑いながら答えてくれた。。

 

父はどれだけ

若い療法士さんたちの

志をへし折ったのだろうか。。

 

そう考えるとゾッたした。。

 

この日はあまり時間がなかったため

事務的な話しかしなかったが

この次会った時は

もっと父がどう言う人なのかと言う

ヒントをあげてみよう。。

もしかしたら

療法士さんを傷つけずに

父をリハビリにうまく誘い出すのに

利用できるかもしれないし。。。

 

そう、心の中で思った。。

 

さて、話が終わり

ようやく病室に。。。

 

途中で、また迷惑をかけたであろう看護婦さんに会い

母の紹介を受けた。

「この方はお父さんが暴言吐いてしまった人」

だそうで。。

 

「もう、本当に

申し訳けないです。。

 

言い訳のしようもございません・・・。」

そう、深々と頭を下げ

挨拶・お詫びをする。。

 

もうさ。。

日頃の行い悪すぎるから

頭下げすぎて

前に進めないよ

オヤジ!💢

 

病院に行くのに

こんなに

謝り倒さなければいけないほど

心苦しいのは

初めて・・・。

 

そんなことを思い

病室に行くと

父は起きていた。。

 

「よう!」と機嫌良さそうに声をかける父に

「よう!じゃあねえよ。」と心に

拳を握った私なのでありました。。