売れない宝石店 | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。


父は私がスリランカに行った事が
気になって気になって仕方がなかった。

実は昔
「俺はもう、(持病もあるから)
スリランカに行けるチャンスはないだろうけど
できればもう一度行きたい。
ヒロ、お前行ってこい。
俺の代わりに行ってこい。」と
言っていた事がある。

当時私は結婚して日本にいて
小さな乳飲み子もいて。。
行ってみたいのは山々だけど
行けるのは、きっと子育てが終わってから・・・

そう諦めていた。
しかし
この後私は
中東に行って揉まれて
アフリカで散々にもまれて
乗り越えて・・
自信がついた。

そして、子供達もある程度大きくなり
外に出れる条件も整ってきたのもあったと思う。

あの時は予想すらできなかったが
結局、父の提案から数年後に
私はスリランカに渡った。

もちろん、父の言葉はどうでもよく。。
私自身が、この宝石の島を
見てみたかったのだ。


父は「スリランカ、どうだった?」
と今回の日本滞在の5日目に
晩酌の席できいてきた。

「面白かったよ!」と
観光でシギリアに行った事
スリランカで
夫が騙されかけた事、
多くのディーラー達と半ば喧嘩しながら
宝石のやり取りをしていた事
宝石の発掘現場を見せてもらった事
ディーラーの中には騙す人が多い事
どんなにアレキサンドライトが貴重なのか
そして、スリランカがどんなに
いい所か
どんなに難しい所か・・・

旅の全てを話す。

父は食い入るように私の体験談を聞いていた。

おお!俺もそこに行った!
俺もそれ食べた!
俺も、そこに行きたかったけど
行けなかった・・・

と、嬉しそうに話す。

今回、父に見せるために
私の買い付けてきた石を
いくつか持ってきていて
その石をひとつひとつ説明し始める私。

ほほう!
と目を輝かせて見ている父。

実際に宝石を手の上に乗せて
光が当たり
キラキラとするその様に
釘付け。

父は
「面白そうだな。。。
発掘現場か・・・
見てみたいね~。」
なんて胸を膨らませていた父に、
写真を見せたりして。。。

父も楽しそうだった。

そして・・・
「お前、その宝石
売れてるのか??」
と単刀直入に聞かれた私。

「うん・・まあまあ!
ゆっくりだけどね!」と私。

「石だけじゃ、売れにくいだろ?」
と父は核心を突いてきたので
「まあね。石が好きで
石だけ買う人もいるんだけど
多くはジュエリーにするかな。。。」と私。

「ジュエリーにするって
お前が作ってるの?」
と父は言う。

「うん。まあね。。
私がデザインして作る場合もあるし
お客さんの好きなものに作る事もあるのよ。
まあ、どっちも
実際作るのは職人さんで
彼らにいつも頼むんだけどね。

どっちかと言うと
オーダーが多いかな。。。」
と答えると

「オーダーが多いなら
なんでお前が作るの?」
とこれまた核心を突く質問。

「あのね、オーダも色々あってね、
真っ新な状態から
お客さんが考えたものを
作る事もあるけど
私の商品見て、ここのこの部分を取り入れたいとか
ここを同じような形にしたいとか
色々参考になってるのは確かなのよ。
そして、色んなデザインを自分でやると・・・
どんな風にしたほうがうまくいくとか
どこの部分に気をつけるとか
強度の事とか
無理な部分とか
お金がかかる部分とか
色々分かるのよ。」

「でも、それって
お金かかるだろ??」

「うん。まあね。。。
でも、貯金だと思って。。笑
今作ってるのは
今売れなくてもいいと思ってるのよ。
まあ、売れたら正直に嬉しいけどね!笑
でも、在庫あったら
いつか店開けるじゃない!
日本でも海外でも何処でも場所選ばずに!

それに金だから
持っていても
損にはならないし!

だから、今は少しずつだけど
石を見て楽しみながら
デザイン考えてる。
儲けは二の次よ。
私のは石有りきのデザインだからね。。。
この石はここが綺麗だな~
とか、
ここがチャーミングポイントだな~とか
色々考えながらやってて
楽しい・・・本当に。」
そう言う私に
更に質問する父。

「でも、オーダーでジュエリー作るって言っても
どうやるんだ?電話か?」
と言ってる父。

それに
「メールよメール!!
今は写メとか色々あるしね!
インターネットで調べて
自分の気に入ってるものとか見つけて
写真貼付して
それに自分のテイストを
つけたしたりする人が殆どかな。

あと、お客さんが言葉で表現したもので
一番近い絵を見つけたりしながら
やっていて、見つからなかったら
絵を描いたりしてね!

今までメールだから
うまくいかなかった事はないかな!
指輪のサイズなんかも
色々な提案をして
一番間違いが少なくなるものを
提案するようにしてるしね。

メールでお客さんと
あーでもない、こうでもないと
色々提案し合ったりして
作り上げてく~ってかんじが
面白いかな。。。時間かかってもね!」
と私。

「みんな喜んでくれるのか?」
父は言う。

「うん。殆どね!
『このジュエリーいいね~』って
言われたよってお客さんに聞いたら
やった~!!って思うよ。
嬉しくて舞い上がる。
年甲斐もなくね。笑
考えたお客さんも嬉しいんだろうけどね。
私はもっと嬉しいよ!!

自分の想像を形にするって
本当に面白い。
もの作りが面白いのは
こういう事なんだろうね!
特に私のは
材料(石)から現地で
私が選んでるからね・・・。
面白いよ。」
と私。


「高いのか?」
と父は心配そうに言う。

「うん、そうだね。。。
安くはない。。
そんなに安くできないのよ。
大きいお店みたいに大量注文したり
してないからね。。。
単価は下がらないから
値段に反映できないのよ。
でも
宝石としては高くもないけど
値段は中間層より
ちょっと下かな。。。多分。。。
一応頑張って出してるしね。

でも、
ドルだから高く感じたりとか
あるんだろうね。。。
もうちょっと円が強くなったら、
安いって言える値段かもね。笑
石もドルで買ってるし
職人さんの払いもドルに関連してる通貨だから
通貨は変えられないのよ。」
と私。


「ほら、ネットとかで売ってる
安くて可愛いのあるじゃない!
そんな風に安くできないの?」
と妹が参戦。

「うーん、あれね。。
確かに最近安めのジュエリーが
ネット販売で売られてるよね。
言いたいことは分かるんだけど
その値段は真似できないのよ。

まずは、私は個人で
かなりほそぼそとやってるのよ。
しかも私のは全部手作りだから。

あれはさー。。
ネタをばらすとね
全部同じ形だからね・・
型を取るのよ。
それを元に
大量生産で、機械で作ってるので
人件費がほぼかかってないの。
だから安くできるのよ。
つまり
薄利多売を狙ってるのよ。

それに全部同じ形だから
沢山の同じ形の石が必要なわけで
石を実際に採ったら分かるけど
石は全部全く違う形をしていて
違う特徴があって。。。
ペアーで揃ってるだけでも
ものすごく稀で高いのに
同じ形と色で良い石で。。。
それで安いなんて怪し過ぎる。

石には色んな表情があるのが普通なのよ。
だから画一にカットされた石の
質がいいなんて殆どの場合
有り得ないと私は思う。
石の質とか本物かどうかとか
そういうことが微妙なんだと思う。
まあ、小さい石なら
画一で同じ形でもいいものは
十分有り得るのだけれどもね。。
ある程度の大きさのは。。
怪しいよね。

以前、タイで画一にカットされた石を見たけども
それはそれはお粗末な色と品質だった。
だから、大量生産は
人件費と石にお金がかかってないから
安いのが当然と言えば当然なのよ。
こっちは、そこにいつもお金使ってるからね。。

だから
石ありきで石に合わせて作ってる私と
形ありきのこの大量生産は
全く真逆にある商売だから
同じようにはできないし
これしたら、この仕事してる意味がないわよね。

私のは石メインなんだから!
だからね、安さに趣を置いてるお客さんは
途中で注文を止めてしまう人が多いのよ。
安くしてあげたいから
一応色々提案はするけど
激安には絶対にならないのよ。
それが分かると
去ってしまうのよね。
まあ、価格って
もちろん一番大事だからね!

でも、石の表情とか
何処でどんな風に採れて
石に個性に趣をおいてやってくるお客さんは
ほぼ最後まで作り上げてく。
しかも楽しんで作る人が多くて
私も驚くようなアイデアを出したりするから
面白いのよ!」

「なるほどね。。
なんか姉ちゃん・・
あまり
利潤は追求しない感じのね。。。
しかし・・・
売れるといいけどね・・・姉ちゃん。」
と言ってる妹に

「売れたら嬉しいよね。
本当に。
それプラス
お客さんが買って良かったって
このジュエリーは特別なんだって
思ってくれると
かなり嬉しいよね。。。

ウェディングも何回か
やらせてもらったけど
本当にジュエリー作るのって
ただ、ジュエリー買ってもらうものじゃないのよね。
人生のアクセントや節目に
買う人が殆どだからね。
それぞれの思いがあって
その部分に関われるのは
本当に光栄なのよ。

楽しいよ!本当に。
異国の地で自分の選んできた石達が
形になって・・・
それぞれの人の思いを受けて
ジュエリーとして身につけられてるって
なんだか
嬉しいのよ。
お嫁さんに出す気分だわ。
お客さんを
幸せにしてあげるんだよ~!
ってね!笑」

そう言っている私に


「そういう自分の好きな事
仕事としてできるって
幸せな事なんだぞ。
お前はラッキーだな。」
そう父はぼそっと言っていた。

「うん。そうだね。」
そう父の言葉をかみしめていた私。

「次は何処行くの姉ちゃん。。」
と一番下の妹はきいてきた。

「う~ん・・・次はね・・
アフリカかな・・・
アフリカはタンザニアか
マダガスカル。。。
治安が良ければ
モザンビークも行ってみたい。。。

タンザニアには
面白い石が沢山あるんだって!
だからね!
まあ、宝石が売れないと
行けないんだけどね。。。」
と私は言う。

「おお!タンザニア面白そう!
でも、面白い石がいい訳?」
と言っている妹に

「うん、私は宝石は宝石でも
珍しい綺麗な石を
これからはターゲットにしていきたいのよ!!
目指すは
希少性の高い
レアな石を持っている宝石屋さん?
かな~!笑」

「うわ~、姉ちゃん、
それマニアックな感じだわ~!
なんか、さっきの話しといい
あまり儲からない感じね・・」
と一番下の妹が言うと

「うん、私もそう思う!」
と家族全員で大笑い・・・。


こうして・・
家族全員
これで
私がどんな気持ちで
この仕事をしてるのか
わかってくれたようで
ちょっと嬉しかった私なのであります。

まあ、家族全員の
私の仕事の印象は

店主が趣味に走り過ぎてる
売れない宝石店・・


だったようですけどね。。。
まあ、外れてはないな。。。












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