マージーのラブロマンス | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

病気から回復し
心を改めた私。
マージーに向かい合う。
そう心に決めた。

マージーに楽しんでもらうため
以前のように
できる限りのことを頑張ったが
ある一つだけ
以前の私とは違っていたところがある。

それは・・・
きちんとNOと言えるようになったこと。
それも、刺々しくなく
理由を述べて私らしく言えるようになった。

マージーも私に借りがあるのか
信用し始めたのか
以前のように無視はしないようになった。
私の言うことに耳を傾け
お互いに言いたいことを言えるような関係になった。

私もマージーの行動が
全てわかるようになったのか
彼女が言う前に
全てのことが整えられるようになった。

例えば、
このタイミングでこの紅茶をだすとか
お水の温度加減、出すタイミングなど
全て言われる前にできるようになった。

もちろん、気が変わることもあるので
作り直しはあるものの
パターンは限られていて
全て把握しきっていた。
忙しい時は忙しいと言えるし
我慢してもらうことも
覚えてもらった。

もちろん、私が無理を聞いてやることもあるが
以前のように
精神的に追いつめられることはなくなった。

やっと・・・
私のペースになったのだ。

そんなある日のこと。
私はマージーの部屋を覗くと
マージーがお昼寝から
目を覚ましたところだった。

ご存知の通り
老人はやたら寝てしまう。
マージーも例外なく
短時間ではあるものの昼寝は必須のよう。

マージーに紅茶の準備をしようと
「紅茶はいりますか?」と聞いてみた
すると・・・
「紅茶は後でいいの。ここに座ってちょうだい。」
という・・・。

マージーは私と話したかった様子。
私は急ぎの用事もなく
丁度全ての掃除が終わったところだったので
素直にマージのもとへ行く。

すると・・・
マージーは静かに語りだした。
「さっきね、夢を見たの。
昔の夢。
まだ私の夫が生きていた時の夢。
私の夫はね、本当に優しい人だったのよ。」と
語りだしたマージー。

実はマージー
若い頃に旦那さんを亡くしている。
いわゆる未亡人だったのだ。
義父がちょうど16歳の頃の話。

義父が学生の頃
義父の父は亡くなったそうな。
当時、病気だった父を
必死で救いたかったがために
独学で医学を勉強し
必死に助かる道を模索したそうな。

そんな義父の思いは届かず・・・
義父は父を失った。
そして、この頃義父は信仰心を捨てた。
神様はいない。
こんなに願っても
こんなに努力しても
父を救ってくれない神はいらないと
後に語っていた。

実は義父、究極の無宗教。
信仰心が深い人が嫌いで
勧誘しようものなら
義父には珍しく
かなり攻撃的になる。

いわゆるトラウマなのだろう。

逆に義母は・・・
同じように父を亡くしているのに
そのせいで信仰心が深くなっている。

この二人がひとつ交わらないことがあるとすれば
信仰心。
しかし、悲しいかな同じ境遇。

性格によってこうも違いが出るのだと思うと
興味深い。

さて、義父にここまで愛されていた
マージーの旦那さんは
本当にいい人だったよう。
かなりの腕前の職人だったようで・・・
手先が器用。
その点は義父も義父の弟も
ちゃんと引き継いでいる。

「私はね、昔美人だったの。」
そう言って
財布から写真を取り出し
見せてくれたマージー。
その顔は・・・






すんごい美人


まるで昔の
映画女優なみ
こんなに美人だったのかと
驚くほど。

似た女優さんを見つけたので


彼女の顔にそっくり。
大げさに言ってるのではなく
本当に!
もしかしたらマージーの方が少し
美人かもしれない。
清純派な感じで・・・
そりゃもうしわくちゃな顔の今からは
全く想像できない程
美しい女性だった。

昔、義母にこの話は聞いていたので
綺麗だったのは知っていたが
ここまでだったとは・・・。

この写真を見せながらマージーは
「ね?綺麗でしょ?
これだけが取り柄だったのよ。
背も高かったし、スタイルも良かった。
周りの男性にいつも声をかけられていたわ。
でも、自分で言うのもなんだけど
性格がね・・・よくないのよ。
今もだけどね!!」
と笑うマージー・・・

続けて・・・
「何でも我慢できない性格で、
本当にどうしようもなかった。
でもね、私の旦那さんは
そんな私のことを良くわかっていてくれて
注意してくれたり、ワガママを聞いてくれたり
それはそれは、いい人だったの。
何て言うか・・・嫌みのない人。
不思議な力のある人。
私は彼じゃないと駄目だったのよ、
最初から。
彼にとってはきっといい迷惑だったでしょうけど
私にとっては運命の人だったわ。」

「ある日、あれは仕事帰りのことよ。
当時第2次世界大戦中で
私は軍の看護婦として仕事をしていたわ。
といっても、私は不器用だったから
てんで駄目だったけどね!
帰り道に、待ち伏せしていた男性がいてね。。。
彼が言うの、『結婚して欲しい』ってね!
そして、いきなり口づけしたのよ!
口づけよ!知らない男性なのに!!
私はその男性を突き飛ばして
走って逃げたわ。
そして当時からつき合っていた
夫に電話して
『急いで迎えにきて、私耐えられない』って
伝えたの。
私はもう気持ちが悪くて、吐きそうだった。
彼以外の人は体が受け付けないんだと
このとき知ったわ。」と
自分の若かりし頃の写真を見て言う。

「彼と結婚しても
決して裕福な生活ではなかったけれど
私は彼といて幸せだった。
なのに・・・彼は私を置いていった。
悲しかったわ。
2人の子供を抱えて
どうしていいのか、
彼を失い、心の支えを失って、
本当に辛かった。

彼を失ったとき(死んだとき)
私は心に誓ったの。
彼以外の人とは一緒にならないと。
でもね。私に全然再婚の機会がなかった訳じゃないのよ。
逆に多かった。
私が未亡人になって、どれだけの男が求婚してきたと思う?
すごい数よ。
しかも半分以上は既に妻子がいる男。
そんな人信じられるわけない。
酷い人なので、罵ったくらいよ。
『馬鹿言わないで奥さんのこと考えなさい』ってね
私は今でも思うの。
彼と結婚できてよかった。
彼以外の人と結婚しなくてよかった。
彼に出会えたことに感謝してるわ。」と・・・

私は話を聞きながら、
涙が出そうになった。


マージー・・・



超純情で
一途じゃないの!


マージーは本当に旦那さんを愛していた。
そして今でも愛している・・・。
そんな気持ちが伝わって
胸を打たれた。
こんなに思われている旦那さんも
こんなに思っているマージーも
素敵だと・・・
素直に思った。

事実、マージーは
旦那さんの死後一人で
双子の問題児義父兄弟を
育て上げた。
遺産相続もなかったマージーは
大手企業で経理の仕事に付き
必死に働き
誰の援助も受けずに
子供たちを大学まで送り出したのだ。

きっとマージーの容姿を使って
男性を虜にして
再婚し
養ってもらうこともできただろうに
あえて
亡くなった夫への愛を貫くために
いばらの道を選んだ・・・。

なんか・・・
泣けるじゃないの!



マージー・・・本当はいい人なのかもしれない。
ただ、


究極の・・・

ワガママ&KY
なだけ
なのかもしれない。

そう思うと何だか
マージーの今までが許せるような気持ちになり始めた私。

彼女が容姿に気を使うのは
きっと彼女は昔から美人だったから
その時の誇りが
髪型や化粧ということに
結びついているのかもしれない。

彼女が話し終えたとき
夫が帰ってきた。
「ただいま!」と・・・
するとマージー
「今日は早いのね!」という・・・。
休み明けで忙しい夫は
ここ数日忙しかった。
なので、この日たまたま早かったので
そう言ったのだ。
すると・・・
「明日も帰りが遅いんだ・・」と夫は言い残して
着替えに部屋に戻る。

そしてマージー
私に一言。




こんなに毎日忙しいなら
疲れてるだろうから
ちゃんと
S○Xできないわね
と、
ため息まじりに言う。



なななな・・・

何を言いました??



さっきまでの話で
すっかりマージーは純情だと思っていた。
だって、キスで頬を赤く染めて
他の人とキッスなんてとんでもないと
言っていたマージーが
いきなりの爆弾発言。
キッスは駄目であっちはOKなのだろうか?

後で夫に確認したところ
マージー、こういうことには
年の割に意外にも進んでいて
柔軟に考えているそうな。
そう言われても・・・
何だか良くわからない私。

今まで話を聞いて作り上げた
マージーのイメージが・・・
音を立てて崩れる。

マージー・・・
ますます
私には
理解できない性格。



と、マージーの意外性に
度肝を抜かれた私であった。