私復活で、マージーも復活・・・ | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

昨日、スパーの鮮魚コーナーで
おフランス産の牡蠣が
安売りしていたので
張り切って買い占め
家で牡蠣を開けていたら
牡蠣を開けるナイフが
小指に刺さって
大量出血して
大騒ぎし・・・
痛かったけど
結局、全部牡蠣を食べた・・・。
流血しても
食い意地だけは人一倍で
超ドジなヒロです。

あまりのドジさ加減に
自分で自分が笑える・・・(爆笑)
痛いけど・・・牡蠣が美味しかったので
よしとしよう!

さて続きです。

マージーの粗相が原因で
長い間嘔吐と下痢に苦しんだ私と家族。
10日間という時間が経っていた。
長い病気の後
初めて気分が良くなった日・・・
その日に気づいた。
マージーはあと1週間で帰るのだということを・・・

運が付いてないのか付いていたのか
ベットで10日過ごしたおかげで
10日間マージーの世話をせずに済んだ私は
気分が楽になった。
最初の頃は先の見えない不安に
押しつぶされそうだった私だが
あと1週間、頑張れるかもしれない。
そう思え始めた。

病気が治ると
気持ちもポジティブになりやすい・・・
もうちょっと頑張ってみよう・・・
そう、素直に思えた。
あれだけあった怒りが
徐々に薄れていく。
夫に気持ちをぶつけ
病気が治り
ちゃんと前を向けるようになったのだろう。

この日、私はマージーに
初めて自分がよくなったことを伝えた。
意地悪な私は、本当に体調がよくなるまで
この言葉をマージーに伝えたくなかった。
しかし、この日は素直に言えた。

その言葉に
マージーの顔がほころぶ。
マージーは
「よくなっても、無理をしないでいいのよ。
ヒロが病気だと、この家の火が消えたようになるの。
だから、貴方は元気に笑っていてくれていたら
それでいいのよ。」
そう言ってくれた。
その言葉に、私は心が痛かった。
別に仮病ではなかったものの
マージーを恨み倒して
ひたすら10日間寝込んでいたのに
マージーは私がよくなることを
心から望んでいた。
そう感じれる言葉だった。

マージーは良くも悪くも
いつも本音だ。
飾りごとは言わない。
だから、慣れない私は傷つくことが多い。
受け入れにくいことが多い。
でも、わかりやすい。

この言葉で反省した私は
頑張るスイッチが完全に入った。
これから、たった1週間、
マージーにとことん楽しんでもらおう。
そう意気込んだ。
そして・・・
夫の休暇最終日
私たちはマージーを連れて
(マージー)念願のモールでショッピングを決行した。

この日、朝から化粧に余念がないマージー。
嬉しそう。
よく考えたら96歳で
足腰が悪く
いつも家の中で過ごしているマージーにとって
お買い物は特別嬉しいお出かけのはず・・・
家で退屈な時間を過ごすより
外でいろいろなものを見たい・・・
そう思うのは普通の感覚。
病気だった私でさえ、寝たきりで10日間は
退屈で死にそうだった。
もちろん、きつくて死にそうだったのもあるが・・・。

ここバーレーンに来て
お出かけはこれで2回目。
最初のお出かけから
もう2週間以上も経っていた。

マージーの用意にはかなり時間がかかった・・・
昼食時に家を出ることに・・・。
そしてモールについて
すぐに昼食をとることにした。

今回のお店は・・・
世界中に展開しているチェーン店である

ポール(PAUL)に行った。
(私は見たことないですが、日本にもあるそうです。)
オシャレなパン屋さんなんだけど
食事もできるレストラン!

この店を選んだ理由は・・・
ただ単にモールの玄関から近いこと。
それからスープがあること。
などなど・・・
マージー対策。
ここなら食べれるだろうと・・・。

マージーは英語の名前がついた
このシャレたレストランに
顔がほころぶ。
席に座ると
ウェイターをつかまえて
「貴方がポールなのよね?」と
ジョークを言う。
楽しそうなマージー。

が・・・
状況は一変する。

案の定スープをオーダーしたマージー。
しかもマージーのワガママを聞いてくれた
スペシャルなメニュー。
パンの中をくり抜いた器に
オニオンスープが入っている

ここポールでは人気のあるらしい
定番スープ。

これに目をつけたマージ。
しかし、マージー
どうもオニオンスープが嫌いな様子。

そこで、ポールと勝手にあだ名をつけた
店員さんに
「このオニオンスープの中身を
マッシュルームスープに代えてくれないかしら?」
と言う・・・。

何度も言うが、この国は老人と子供には優しい。
無条件で優しい。
だから、ウェイターのポールは
マージーのワガママを快く聞いてくれた。

オニオンスープの器のパンに
マッシュルームスープを入れるという
マージー仕様のスープ・・・
それがやってきた。
そして一口食べたマージーは・・・





「これ、塩辛い」
文句を言い始める。

しまった!!!
忘れてた!!!

マージーは普通の塩味は
塩辛く感じてしまう。
だから薄味にしないといけないのだ。

そのことを伝えるのを忘れていて・・・
普通の塩加減のスープがやってきたのだ。

これに・・・
マージーはウェイターのポールを呼びつけ
文句を言い出す。

あああ、まずい・・・
せっかく無理をきいてもらったのに
更に文句を言い始めるなんて・・・

そんな私の心配をよそに
ウェイターポールは
笑顔でスープを取り替える約束をしてくれる。

やっぱり年寄りには優しい・・・。
そして
日頃から文句ばかり言っている
アラブに対する接客に慣れているのだろう。

嫌な顔一つせずに違うスープを持て来てくれた。
今度のスープは
アスパラガスのスープ。

有り難い!

一口食べたマージーは・・・

「これも大して変わらないわ。
塩辛い・・・。
まあ、前よりもマシだけど・・・」
と、ウェイターポールに聞こえそうな
大きな声でいう。

もう夫も私も赤面・・・。

食事の後
マージーはトイレに行きたくなった。
マージーの車いすを押してトイレへ行くと・・・
身体障害者用のトイレが
閉まっている。
マージー・・・もうギリギリの状態で
我慢できない様子。

年を取ると
頻繁にトイレに行かないと行けない。
我慢できないほどの尿意らしい。

何分待てど
トイレは一向に開かない・・・。
マージーは我慢ができず
普通のトイレに行こうと私に提案するが
私は拒否。

便器近くまで
車いすが入らないので
長いこと歩かなければ行けない。
ご存知の通り
中東のトイレの床は
ビデの関係でぬれている。
だから、滑る可能性があるのだ。
狭いトイレで滑って
頭を便器で打ったりしたら・・・
きっと大事故になる。
そんなことさせられない。
まだ漏らした方がマシだ。

まだ開かないトイレのドアを
失礼は承知でトントンと
ノックした。

何も返事はない。
しかし、明らかに人がいる。
おかしい・・・
そう思っていると・・・

人が中から出てきた。
その人は健常者。
若い女性で
携帯電話を持って
出てきた。

つまり、用を足していたのではなく
メールをしていたのだ。
しかも、身体障害者用のトイレを使っていた健常者。
これにはマージー切れた。

「あなた、身体障害者?
よく歩けてるけど?」と嫌み全開。

その言葉にバツが悪そうにそそくさと立去る
アラブの女性。

イギリスでは
身体障害者に対するマナーやルールが徹底している。
弱者を守る配慮が当たり前とされている国である。
この女性のような行動をする人を
非常識だと罵れるほど
身体障害者や弱者の立場は守られている。

身体障害者のトイレは通常1つか2つ
それに対して普通のトイレは沢山・・・
ただでさえ数が少ないのに、
健常者がトイレを使い、
身体障害者が使えない状態は
正直にフェアーとは言えない。

この場合も、
ほかのトイレが空いていたのにも関わらず
彼女は広いというだけで
身体障害者のトイレを使う。
本来、普通のトイレが使えない人にとって
ここ身体障害者用トイレは
空けておくべき場所なのに・・・。

中東は、身体障害者に対して
気遣いはするものの
こういうこういうことには疎いのかもしれない。

日本は・・・どうなんだろう。

そう思ったとき
ちょっと考えた。

さて、マージーは文句を言いつつも
急いでトイレへ・・・
私の助けがいるので
私は付きっきり・・・。

トイレ所要時間
30分・・・。

やっと終わったと思って
モール内を見て回る私たち。
しかし・・・1時間後
またトイレ。
20分のロス。

そしてさらに1時間後
またトイレへ・・・

もう、トイレをしに来たのか
ショッピングに来たのか
どっちなのか・・・
わからなくなってきた。

終いには子供たちまで
「ママ~。オシッコ~!」と
さっき行ったのに
またトイレへ行かされる・・・。

全然前に進まない。
もちろん、トイレの前から・・・。


モール内は
冷房がガンガン効いていたのか
マージーは寒いと言い出す。
年寄りと子供は寒がり・・・。
私はちょうどカーディガンを着ていたので
マージーにカーディガンを渡す。

私はたくましい二の腕を
隠すために着ていたカーディガンをはぎ取られ
ちょっと恥ずかしい。

そこで、私はマージーに
カーディガンを買うように勧めるのだが
マージー・・・意外とオシャレで
何でもいい訳ではない様子。
この形がこうじゃないといけないとか
ああじゃないといけないとか
もう注文が多くて大変。

色々店を回ったが
気に入る様子はなく・・・。
だから私は作戦を変更した。

大判のスカーフを買えばいい!
それならどこでも重宝するはず。
そう思い、店へと入る。
カシミアのスカーフで手頃なやつを
マージーに買ってやって
私のカーディガンを返してもらう
そんな作戦にした。

バーレーンには
このスカーフがどこにでも売ってある。
だからどこでも買える。
カシミアは質によってピンからキリまであるが
安いのだと1000円くらいで手に入る。

今回は使い捨てでもいいように
安いやつを・・・と思って手に取るのだが・・・
マージー気に入った色がない。

そして・・・隣の高いカシミアのスカーフに目がいく。
確かに、高いだけあって
質感が全然違う。
値段・・・1万5千円也。
うう、ちょっと寒さをしのぐのに
使いたいだけなのに
それは高い。
そう思っている私をよそに・・・
マージーはそのスカーフに釘付け。

仕方ない・・・
もう、こうなったら
プレゼントするか・・。

私はその高価なスカーフを手に取り
マージーに差し出した。
「この色でいいですか?」と・・・
すると
「これは、高いわよ。いいわ。」と申し訳なさそうに言う。
でも、目が気に入っている様子。
今日初めての気に入った目に
私は
「いいですよ。これ、バーレーンに来た思い出に
私が買います。
心配しないで、夫が払うので!」と笑顔でいうと

嬉しそうにはにかむ。
私はその高価なスカーフを買い
マージーに手渡した。
そして
「これ、今使ってください。
寒いでしょ?
これで温かくなりますから。
大判だからすっぽり体が入りますよ!」
というと・・・


もったいなくて
使えないわ。
このまま持って帰る。

私は
ヒロのカーディガンが
あるから大丈夫。

と言うマージー
















だ~か~ら~
そのカーディガンを
返して欲しいんだっ
て!


と心の中で思いつつも
本当に大事そうに
スカーフを抱きしめているマージーに
スカーフを買ってやって
よかったと思った。。


このあと太い二の腕全開で
モール内を恥ずかしそうに歩く
作戦大失敗の私であった。
トホホ・・・。