オトシマエ | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

夫に全部吐き出し
親にも全部吐き出した私は
やっとこの時点でスッキリした。

帰れる場所があるというのは
こんなにも安心するのだろうか・・・。
親の了解を得た私は
日本に帰る気満々だった。
日本に帰って、温泉でも入ってないと
やってられねえ・・・・。
絶対帰ってやる
もう誰にも私は止められない。

そんな気持ちでベットの部屋のドアを開けると・・・

そこには見るからに
反省してますと
言わんばかりの夫が立っていた。

私は
「もう、親とも話して帰ることにしたから
ご自分で全て処理されてくださいね。」
そう言い残し
その場を去ろうとした。
すると・・・

「ヒロ、ごめんよ。
僕が間違っていた。
僕は頭がどうかしてたんだ。
君の言うことはもっともだ。
僕が全面的に悪い。
君がまだ病気で苦しんでいることを
知らずに、こんな酷いことを言ってしまった。
ごめんよ。
僕は大バカだ。
どうしたら許してくれるかい?」と夫・・・

いつもなら、私はここで許すのだが・・・
内容がないようなだけに・・・
そして、溜まりにたまったものが多すぎて・・・









全然
許す気には
なれなかった・・・




私のブログを長いこと読んでいる方はご存知のように
私はかなり根に持つタイプ・・・。
加えて、今回はギリギリの線を越えた内容だっただけに
なおさら許せない。

こいつ・・・
やっぱり私より家族を選ぶんだな・・・とか
いざとなったら、こんなものか・・・とか
愛してるってこの程度?・・・とか

もう夫の裏の感情を読んで読んで
私の勝手な想像が膨らみ。。。
とにかく

気に入らない!

なので許せないのだ。
夫が手を握ろうとしたその瞬間
手をはたく
「触るんじゃない!」と・・・
切れる私。

夫は私のこの態度をすぐに察知した。
触らせてくれない=許してもらえない
と・・・

すると
夫得意の・・・
ど根性作戦。

食い下がる。
何度手を払いのけても
何度も手を握ろうとする
終いには、抱きつこうとする。

「鬱陶しい!」と
怒鳴っても
何度も何度も・・・・
私が根負けするまで
食い下がる。。。

まるで
アタックナンバーワンの
鮎原こずえ・・・(古くてすみません)

鬼コーチ(私)に罵られても

「コーチ私負けません!」と


食いさがっているあの根性。

まあ、こすえは(馴れ馴れしい! 笑)
何も悪いことやってないので
全く同じ環境ではないが・・・

食い下がって手を握ろうとする。
まるで、手を握れたら
許してもらえると
勝手に思い込んでいるかのように・・・

手を握ろうとする
払いのける
また握ろうとする・・・

こんなお馬鹿なやりとり
30分・・・。

鬱陶しすぎて。。。
諦めた私。
つまり、夫の作戦に負けて
手を握らせた・・・。

そして、その喜びのあまり
勢いよく話しだす夫。
「君が日本に帰りたい気持ちはわかるよ。
その気持ちは約束通り尊重する。
でも、今、君は体調が悪い。
子供たちも体調が悪い。
君や子供たちに何かあったら、
僕は耐えられない。
だから、病気は治るまで
少し待ってくれないか?
でも、これだけは覚えておいてくれ、
僕は君を愛してる。
君が僕を愛してなくても(←いじけている 笑)
僕はヒロを愛してる。」

これに私は
「わかった。
体調整えてから出て行くわ。」
というと・・・
夫は悲しそうな顔・・・。
きっと許してほしくて強がっていったのだろうが
もう、全然響かない私。
むしろ・・・

この期に及んで
演技かよ?

とまで思う私。
何が何でも許せないのだ。

それでも許してほしくて
「僕は本当に恥ずかしいほど馬鹿なんだ。
こんな思いをヒロにさせて
自分のことばかり考えていた。
ごめんよ。」
と何度も言う。


鬱陶しい・・・

その気持ちしかない私に何度言っても一緒・・
と思ったが
回数を何度も重ねられるうちに
まあ、許してもいいかな・・・
といいう気持ちになった。

不思議。。。
夫の粘りに
私の心が少しずつほぐれる。

「あなた、許して~はいいけど、
私の言っていることわかってるの?
私はなにも、意地悪でマージーを追い出せと
言ってるんじゃないの。
客観的に考えて言ってるのよ?
貴方以外の人全てが感染した今、
貴方も感染する恐れがあるのよ?
貴方が感染したら、誰がマージーの面倒を見るの?
誰が子供の面倒見るの?
私には無理よ?
貴方も私に様になったら無理だと思う。
よく考えてほしかっただけ。
彼女はこの中では一番軽い症状。
ご飯もちゃんと食べれてるし
本人は体調悪いと言ってるけど
トイレ掃除のしてる私は
もうマージーが下痢をしてないことを知ってるわ。
貴方は何も知らないで勝手に判断してるけど
私は根拠があっていってるの。
私には私の家族の方が大切。
子供たちが一番大切。
だから、それを守るためには
意地悪にも、鬼にでもなれるわ。
私、こんな女なの。」
と私。

夫は
「意地悪なんかじゃないよ。
当然だよ。
僕がおかしいんだ。
きっと、小さい頃のおばあちゃんとの思い出が、
ヒロみたいにハッキリ何が優先順位なのか
わからなくしているのかもしれない。」
と・・・

その言葉に
はっとした私。
そうよね。。。
私はたった数日しかあったことがなくても
夫にとっては小さい頃から知っている
おばあちゃん。。。。
沢山いい思い出があったろう。
子煩悩なマージーが
子供だった夫に優しかったのは想像がつく。

一時考えて
私は自分の過ちに気づいた。
私は自分が苦しくて苦しくて・・・
その原因を排除しようとした。
でも、今の状態で排除しても
きっと後悔する。
マージーはもう長くない。
私たちが海外に住み続ける以上
この先、彼女に会わないまま
彼女が死んでしまう可能性の方が
高いだろう。
そんな彼女に夫と子供たちとの思い出を
まだ何も作ってやっていない。
ここまで、死にそうになりながら
大金使ってやってきたのに、
家族全員病気で、みんな機嫌が悪くて・・・
彼女は何も楽しんでない。

そんな状態では返せない・・・夫の気持ち
わかるような気がする。

でも、だからといって
私に対して喧嘩中に言った言葉は
私は許せない。

そんな複雑な気持ちな私。
許したいのは山々なのだが
大きな心のシコリが
気になって・・・
スッキリと許そうと思えない私。

そして・・・
「もし、貴方が病気になったら
マージーには帰ってもらう。
そこは譲れない。
義父母には引き取ってもらう。
だから、貴方が病気になるその日まで
貴方が頑張れるならそうしたらしい。
私はもう、無理よ。」
と私。

すると
「わかってる。ありがとう・・・。」という夫。

続けて
「貴方は信用してないでしょうが
私はまだ吐いている。
こんなに長く吐いているのは
これが初めて。
体力もない。
食欲もない。
だから4日間も食事をしてない。
私がどんな目にあったか
貴方は知らない。
多分、みんなに移したくないがために
一人便所に閉じこもって
12時間もトイレ掃除をしたのが
いけなかったのよ。
トイレの中に長くいたから
人より吸い込んだ
ウィルスの量が多かったのかもしれない。
汚物は蒸発し、その中にもウィルスが含まれるらしい。
私は当時マスクしてなかったので
きっと大量に吸い込んだのよ。
ウィルスの摂取の量と
重症度は比例するらしいし・・・。
まあ、あなたは
それでも信じられないだろうけどね。」
と言う私。

「そんなことない。
本当に信じてる。
僕が間違っていたんだ。
本当に情けない。
自分が苦しすぎて
ヒロのこと
ちゃんと見てなかった。」と夫・・・

こいつ・・・わかってるのかな・・・
本当に・・・
と思いつつも
夫が心から謝る姿を見続けて
許そうと言う気になり始めた。

そして・・・
「オトシマエつけたら
許してあげる。」と私。

「オトシマエ?」と夫。
日本語のオトシマエという言葉を知らない夫は
首を傾げる。

「オトシマエは負けた後の後始末、
まあ、あなたの国で言う償いよね・・・。
まさか、
妻のあたしをここまで怒らせて
タダで済むとは思ってないでしょ?
こんなに苦労かけたんだもの。
償いしないと・・・」と私。

すると満面の笑みで
「うん、償いするよ。何でもする!」と夫。
これで許してもらえるという・・・
安堵な表情の夫に
「ああ、態度や行いでも償ってもらうけど
形にしても償わせるからね。」と私・・・

妻を怒らせると、高く付く。
金で解決できない心の問題だが
金で気持ちが和らぐことはある。
かなり頑張ってもらわないといけないが・・・

そのことをまだ知らない夫は
「大丈夫任せて!」という・・・

このとき、まだ夫は
私がどんな償いをさせるつもりなのか
知らなかった・・・。
だから、軽く返事をしたのだが・・・
これから夫は私への償いの日々が
始まるとも知らずに
大喜び。

許してもらえたと思い
私を抱きしめようとするのだが・・・
その夫の体を押しのけ
「まだ早い。
償いが終わるまで
接触禁止!」と
腹の虫がまだ収まっていない
私にガツンと言われる夫。
ショボンとしながらも
夫は元気になった。

そして、勘違いした夫は・・・
「ねえ、物は相談なんだけど・・・
ヒロが日本に帰るとき・・・
僕も・・・
付いていっていいかな?」
と・・・

アンタを
置き去りに
するために
家出て行くのに
一緒についてきて
どうするの?


と怒鳴り上げた私に
またショボンとする夫・・・。

本当にわかっているのか
わかっていないのか・・・
無神経というか・・・
お馬鹿というか
不思議な夫・・・。

でも、この人だから
夫婦生活何とか続けているのかもしれない・・・。
そう思ったのを覚えている。