①夫が悪さをしたときにお尻を叩く棒
②バーベキュー用の串
③包丁を研ぐもの
答えは・・・③の包丁を研ぐものです。
①も使おうと思えば使えますが・・・!エヘ☆
日本では包丁を研ぐとき、研ぎ石をを使う。
イギリスでは研ぎ石も使うが、
この棒を使うのが一般的・・・いや昔のやり方のようである。
最近は便利な包丁を研ぐグッツを見かけるので、
このような方法で包丁を研ぐ人は少なくなっているとは思うのだが・・・
しかし、やはり昔ながらのやり方のほうが、切れ味は抜群なのである。
義父は包丁を研ぐのが上手である。
見た目は「お肉屋さんですか?」というような手さばきで、
包丁を研ぐ。
しかし、この棒を使って包丁を研ぐさまは、非常に怖い。
この棒を左手で持ち、右手で包丁を持ち
包丁をこの棒に勢いよく摩擦させる。
見ていると、手が切れるのではないかと思うくらい包丁が上から下に
棒をすべるようにシャーシャーと・・・
文章で表現できないがとにかく、技術がないとできるようなことではない。
だから、イギリスの親戚たちは皆、義父に包丁を研いでもらおうと
包丁を持参するのである。
義父は刃先の角度から何から丹念にチェックし
いつも切れ味は抜群に仕上がる。
一家に一人、こういう人がいると助かる。
義父はほぼ毎日魚を釣ってきた。
その魚と格闘している姿をいつも真横で観察していた義父は
あることに気づく。
そう、包丁の切れ味が悪い・・・。
いつも義父が包丁を研ぐこの棒を実家に置いているが、
そんなもの、私の家にはない。
しかし、最新の包丁研ぎ器はあった。
包丁の刃先をこの器具に通すと
切れ味の良くなると言う、一般家庭にもあるアレである。
こんなやつ!
切れ味が悪くなるたびにこの器具を使っていたら、
「これじゃ、余計に切れなくなるよ・・・」と義父が言う・・・。
「でも、ここにはアレ(研ぎ棒)ないんで・・・」と義父に言うと、
「じゃあ、探しにこう!」と義父。
翌日4時間かけてようやく義父と同じ包丁を研ぐ棒を入手した。
バーレーンの悪いところは、コレがほしい!!
と思っても、なかなか見つからないところ!
特別なところに行かないと、欲しいものは見つからない。
その、特別なところというのを探し当てるのに一苦労するのである。
やっとの思いで見つけた、この棒で義父は全ての包丁を研ぎ始めた。
おお~ありがたい!!
そう思って見ていると・・・
「僕がここにいつもいるわけじゃないから、
誰かがこのやり方を覚えないといけない。
息子(夫)は、こういうことに関しては才能がないから
器用なヒロがやり方を覚えないと・・・。」といい始めた義父。
「ええええ???私ですか?」と驚く私。
「そうだよ!簡単だから!
魚さばけるんだから、
包丁研ぐのはそれに比べれば何でもないよ!」と義父
正直、どこからどう見ても簡単そうではない。
それに、魚さばくのと、包丁研ぐのとでは全然違う・・・。
そんな不安を抱えつつ、
言われるがままに包丁を研ぐ方法を教えてもらった私。
義父のようにはうまくいかないが、
ゆっくりなら義父の言うことができた私。
「ほらでできた!」と義父。
「でも、すごくゆっくりなんですけど・・・」と私。
「スピードは関係ないよ!
ゆっくりでも正確に研ぐほうが重要なんだよ。」と言われ、
義父の講義は終了した。
このときは、何でこんなことを学ばなければいけないのか?
と思っていたが、日を追うごとに、意外と役に立つことに気づく私。
これ以降、私はこの方法で包丁を研ぎ、
切れ味抜群を保っている。
義父のように長続きしない切れ味ではあるものの
切れないたびにシャーシャーっとやると
すぐに復活する!
本当に便利なのである。
義父の包丁研ぎ講義で
思わぬ技術を手に入れた私は
快適包丁生活中!
このことは今でも義父に感謝している。
そして、別れの日。
あっという間であった。
義父母と1ヶ月もの間生活して、
何だか今までよりも更に距離が縮まったようで、本当に楽しかった。
気苦労もなくはなかったが、色々なことがいい思い出。
そんなことを思いながら空港へ行くと
自然と涙が出てくる。
私、別れは苦手なのである。
特に今回はとてもいい時間を過ごせたので
別れが辛かった。
空港で義父母と抱き合いながら別れを惜しんだ。
この2人も泣いていた。
別れ際に、義母が
「ヒロがMum(お母さん)って言ってくれる、その言葉が大好きなのよ。
貴方は私の娘。愛してるわ。」と強く抱きしめる。
私は号泣。言葉にならずにうなずくだけ。
そして義父・・・。
「僕は来年戻ってくるよ!この次はもっと大きな魚を釣るからね!
そのときは切れる包丁で、また美味しい料理を作ってね。」
と言って私を抱きしめた。
「来年もココにきて魚釣るつもりなんだ・・・」と思うと、笑いが止まらず
泣きながら笑った。
そんな涙で別れた義父母。
今回の義父母滞在は本当に私にとっても
大きな意味を持つものとなった。

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