夫がイギリスに里帰りし、実家に着いた。
外国人の彼女を連れて・・・
夫の両親は私を暖かく迎え入れてくれた。
その夜面白い話を聞く。
夫の小さいころの話だ。
夫は幼いころ、質問しまくる子供だったようだ。
自分で答えを知っていても、質問しないときがすまない。
(今の性格とあまり変わっていないような気がする・・・)
そんな子供を持つ両親は大変だったようだ、
中途半端に回答するといつも突っ込み返されるからだ。
義母はいつも「お父さんにききなさい。」とかわしていたようだ。
知っていることは答えていたようだが、知らないことのほうが多かったからだそうな。
そんなわけでよく回答しなければならなかったのは義父。大変だったようだ。
この人、ちょっとおちゃめで人をおちょくるのが好きな人。
そんな義父が答えるのだから答えの大半は適当に答えていたらしい。
そんなある日、まだ幼かった夫とその友達サムは、「どうして渡り鳥は迷わずにとぶことがのか?」
という質問をした。
義父は「Vの字の先頭を行く鳥は実は機械でできていて、人間が操作している。
だから、鳥たちは安心して迷わず飛んでいるのだ。」
と、いつものように適当にごまかしたそうな。
幼かった少年の夫とその友達サムはこれを信じた。
このことが後に大きな騒動となる。
ある日、学校で夫の友達サムは学校中の友達にこのことを告げたのだった。
「渡り鳥の先頭を行く鳥は実はロボットだった。」と・・・。
この大スキャンダルは学校中を騒がせた。
見かねた、学校の校長は「渡り鳥の先頭を行く鳥はロボットではなく、本物の鳥である」ことを説明したが
みんな校長の言う事を信じなかった。
事態を重く見た校長は、義父を呼び出し、説明するよう求めた。
もちろん義父はこれを承諾し、全校生徒の前であれは冗談だったと説明。
それ以来、夫はぴたりと質問しなくなったという。
この話の後、夫に何で質問しなくなったのか聞いた。すると
「お父さんの回答が正しいかどうか常日頃から疑っていたものの、確信が持てなかった。この事件ではっきりわかったから」と言った。
少年だった夫は、この事件以来、わからないことは本を読みあさったそうだ。
雑学人生のスタートだった。