あけましておめでとうございます。
12月は絶不調のわずか6冊でした。
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」にてこずりました。でも、これで24年の「新潮文庫の100冊」完読です。
◆百年の孤独 (新潮文庫 カ 24-2 ガブリエル・ガルシア=マルケス)
この手の文庫本としては破格の発行部数30万部ということで手に取ってみたが、読了までかなりてこずって、何度か寝落ちした。
マジック・リアリズム?摩訶不思議なお話ではあったが、面白かったのか、そうでもないのか、よくわからない本でした。
◆サンショウウオの四十九日(朝比奈 秋)
伯父の体内から生まれて来た父を持つ結合双生児のお話。結合双生児と言っても、意識以外はほぼ一人。杏と瞬、私とわたし、性格が全く違う二人のモノローグ。人間の死=意識の死とすれば、意識はすべての臓器から独立しているということになるのだろう。
一つの臓器に二つの意識を持つ二人だと、その感覚が強くなるのかな。結局何が言いたいのか、最後の方が特によくわからない、いかにも芥川賞な本でした。
◆乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび(芦辺 拓,江戸川 乱歩)
江戸川乱歩が連載途中で放り出した未完の作品を、芦部拓さんが彼なりの解釈で完成させた。原作は未読、おどろおどろしい、不適切な言葉満載の部分が原作部分なのだろう。となると密室殺人のなぞ解きとか、大半の部分が芦部さんの創作か。それが違和感なくまとまっている、大変な労作と思う。
◆六色の蛹(櫻田 智也)
魞沢泉シリーズは「蝉返る」に続いて二作目、前作も面白いなと思ったけど、これもなかなか。短編が4作+2作、ちょっとわかりにくい部分もあったがよかったと思う。シリーズものにしては、主人公の泉くんの正体が、仕事は何をやっている人なのか?キャラも、いい人なのは分かるが、ぼやっとしてつかみどころがない。でも、キャラでぐいぐい引っ張って読ませるタイプの作品じゃないし、次作が出たらきっとまた読んじゃうと思う。
◆短物語 (西尾 維新)
化物語当時からの雑文(失礼!)を集めた短編集、あまり昔過ぎて当時の状況を忘れているものもあり、でもオールドファンとしてそれなりに楽しく読ませていただきました。
◆決定版 女人源氏物語 三 (瀬戸内 寂聴)
第三巻は光源氏の絶頂期、準太政天皇の地位に上り詰め、大きな屋敷を築いて自分の女たちを住まわし、さらに朱雀上皇から娘の女三宮を託される。中年になっても口先とエッチで女たちの不満をごまかす光源氏、紫の上と明石の君の独白が何とも。
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