「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社経営者で資産家の野崎幸助さん(当時77歳)が残したとされる「遺言書」の効力が争われた訴訟の判決で、和歌山地裁は21日、「有効」と判断した。
書面には少なくとも13億円に上る全財産を地元の和歌山県田辺市に寄付すると記されていた。
野崎さんは2018年5月に急性覚醒剤中毒で亡くなり、50歳年下の新妻が殺人容疑で逮捕された。有罪は確定していないが、金目当ての結婚だったことは確かだ。
私は、「4000人の女性に30億円貢いだ」「いい女とエッチをするためだけに私は金持ちになった」と公言をしてはばからなかったこの老人に持ち、自伝(実は書いたのはゴーストライター)2冊と、本人の死後、そのゴーストライター氏がカミングアウトして書いた暴露本も読んだ。
野崎さんの自伝には、生前は兄弟とそりが合わず、ほとんど没交渉だとあった。
金目当ての妻に殺されたかと思ったら、今度は市に寄付しようとした財産を疎遠だった親族が奪いにくる。
金でなんでも解決しようとした男の、何とも哀れな末路ではあるが、せめてもの救いに、元妻が殺人罪で有罪判決を受け、遺産が親族ではなく本人の希望通り田辺市に寄付されることを、願ってやまない。