主人公は、梵天(ぼんてん)、梵地(ぼんち)、梵人(ぼんと)の三つ子の兄弟、それぞれが、特技というか、超能力を持つ。梵天は透視、梵地は世界中の言葉がわかる、梵人は予知能力、ただし梵天と梵地の能力は3秒間のみ。
幼いころに両親を亡くし、長男の梵天に支えられて成長した兄弟は、梵天の恐竜の化石発掘という夢をかなえるため、その資金稼ぎに貴金属泥棒に手を染める。
すると大金を手にした三つ子の前にライオンを連れた謎の女が登場、それ以降彼らの運命は急転する。
女の言いなりに自衛隊に入隊すると、訳も分からないうちに派遣された砂漠の地で、上官の銀亀三佐を加えた4名が、米軍の海兵隊と協同して、遺跡に巣食うゾンビ兵士に挑むという、ストーリーは壮大かつ予測不可能な展開になっていく。
メソポタミア文明って、世界史で世界の四大文明って習った記憶はあるけど、今のどこの国に当たるのかも知らなかった。神話も、エレシュキガルとかイナンナ(イシュタル)とか、その手のアニメやゲームにはキャラとして登場するので名前は知ってたくらい。神話の内容もジグラット(エジプト文明でいうピラミッドみたいなもの?)も知らなかった。
そんななじみの薄いメソポタミアで展開される万城目ワールドは、神話に連なる壮大なスケールのファンタジー。
迷い込んでしまったメソポタミアの首都アガデの巨大遺跡で、三兄弟に上官の銀亀三佐(女性です)を加えた自衛隊チームは、米軍の海兵隊が協同して、ジグラットの頂上を目指す。
襲い掛かる砂漠の兵士に海兵隊は次々と砂漠の塵となり、三兄弟に銀亀を加えた四人はそれぞれの特技を用いて協力し合い前進する。果たしてジグラットの頂上で待つ4000年前の女神は敵か、味方か。
後半は異国の砂漠の地で自衛隊かく戦えりみたいな話でスリル満点。三兄弟もだけど、最初は固いことを言っていた銀亀が、いい味を出している。
でも、上下巻で900ページ、長かった。。。
