「お探し物は図書館まで」(青山 美智子) ややリアリティに欠けるハートウォーミング小説 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

探し物は図書館

 

お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?

悩める人々が立ち寄った小さな図書室。

婦人服の販売員、家具メーカーの経理部員、元人気雑誌の編集者、ニート、定年退職者、悩みや不安を抱え、人生に立ち往生する5人が、不愛想だけど聞き上手な巨漢の司書さんの、思いもよらない選書と可愛い付録で後押しされ、前向きに人生を歩き始めると、いろんなことがうまく回り始めて、、、

明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説、ということなんですが、、

 

本屋大賞2位ということで、大いに期待して手に取ったのですが、大賞を取った「52ヘルツのくじら

たち」に比べると、ご都合主義というか、リアリティに欠けるというか、安易というか、

いかにも書店員さん受けしそうな、本屋大賞らしい作品でした。

 

SNSのコメントを見ていると、本書を絶賛する声も結構あるので、私の感じ方もあるのだと思いますが、

私は思いつくとすぐなんでもやってしまう方で、そうするといいこともあるけど失敗も多々あります。

でも一つのいいことが九つの失敗に勝るので、後悔はしない。少なくとも、やらずに後悔するよりはやったほうがずっといい。

でも、今迄やらなかった人が急にやり始めた途端にこの本のようなビギナーズラックが起きる確率は決して大きくないと思う。その辺がなんだかなー、リアルじゃない、ファンタジーっぽいと感じてしまった理由なのかも。

でも、たとえそうだとしても、動かないと何も変わらないので、この本がそういう人の背中を押せたら良いかな。