「小説家になって億を稼ごう」(松岡圭祐) オビの煽り文句に偽りなしの小説家入門書 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

小説家になって億を稼ごう

 

煽りのきいたタイトルの割にはとってもまじめな本でした。

失礼ながら「松岡さんって、億稼いでいるんだ!」と改めてびっくり。

 

本は二部構成、第一部が小説の書き方で、第二部が小説家になった時の指南書的な内容。

第二部の映像化の話や賞を取った時の心構え、印税の話などはとっても興味深かったけど、一本の小説も書いたことのない自分にとっては、現実味に欠ける話ではあります。

 

その点第一部の小説の書き方は、大変参考になったというか、小説ってこうやって書けばいいのかと目からウロコでした。

松岡さんの本というと、最近では「高校事変」を読みましたが、それがいつの間にか10巻まででていて、どうやってこんなに量産してるのかなとは思ってました。

作家さんや漫画家さんが「登場人物が勝手に動き始める」ということをよく言いますが、なるほどそれもこういうお膳立てをしっかりやった結果なのですね。

文体について、好きな作家さんの本を数冊用意してそれを真似したらよいとか、「おいおい、ホントにそれでいいのかよ!」というような記述もあり、びっくりもさせられました。

 

小説家というと、原稿用紙に向かって(PCでもいいけど)、頭を掻きむしりながら文章を考えているイメージがあるけど、全然違う。

私も一本書いてみようかなという気にさせる、そんな小説家入門書でした。