第158回直木賞候補作 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

ふたご

 

発表になりましたね。

候補作は以下の5作品。(書評はいずれも「BOOK」データベースより)

 

「火定」(沢田 瞳子)

時は天平。藤原四兄弟をはじめ、寧楽の人々を死に至らしめた天然痘。疫病の蔓延を食い止めようとする医師たちと、偽りの神を祀り上げて混乱に乗じる者たち―。生と死の狭間で繰り広げられる壮大な人間絵巻。

 

「銀河鉄道の父」(門井 慶喜)

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。家を継ぐべき長男だったが、賢治は学問の道を進み、理想を求め、創作に情熱を注いだ。勤勉、優秀な商人であり、地元の熱心な篤志家でもあった父・政次郎は、この息子にどう接するべきか、苦悩したー。

生涯夢を追い続けた賢治と、父でありすぎた父政次郎との対立と慈愛の月日。

 

「ふたご」(藤崎 彩織)

彼は、わたしの人生の破壊者であり、創造者だった。異彩の少年に導かれた孤独な少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。

SEKAI NO OWARI Saori、初小説!

 

「くちなし」(綾瀬 まる)

別れた愛人の左腕と暮らす。運命の相手の身体には、自分にだけ見える花が咲く。獣になった女は、愛する者を頭から食らう。繊細に紡がれる、七編の傑作短編集。

 

「彼方の友へ」(伊吹 有喜)

平成の老人施設でまどろむ佐倉波津子に、赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった。昭和初期から現在へ。雑誌の附録に秘められた想いとは―。

 

歴史・時代小説は珍しく1冊だけ。でも、昭和初期や宮沢賢治も歴史のうちに入るのかな。

門井さんは「東京帝大叡古教授」「家康、江戸を建てる」で、沢田さんは「若冲」で、伊吹さんは「ミッドナイト・バス」で直木賞候補になったことがありますが、総じてフレッシュな顔ぶれと言っていいのではないでしょうか。

中でもとことんフレッシュなのは藤崎彩織さん、セカオワのSaori。候補作を決めるのは日本文芸振興会、実質文芸春秋で、受賞作を決めるのは大御所のセンセイ達。選考に当たっては過去の実績も結構重視されるみたいなので、受賞は難しいのでしょうが、、、

でも、荻原浩さん、恩田陸さん、佐藤正午さん、このところベテラン、大御所の方々の受賞が続いていたので、誰がとってもフレッシュかも。元来は新進作家さんの登竜門として設けられた賞です。先入観にとらわれない評価を期待します。

 

といって、まだ1冊も読んでないので、、発表は1月20日頃でしょうか。それまでに何冊読めるかな。