シングルマザーとその息子、東京で再開した高校の同級生、大演出家の舞台に抜擢された新人俳優、そして認知症が始まってしまった大女優と、バラバラな短編が4編。それが、パワハラ上司を陥れようとする松尾と康子によってピタリと一つにつながる。
援交探偵上木らいちシリーズ第二弾、単行本で既読だったが文庫本になったので再読。上木らいちシリーズは4作まで全部読んでます。
なんでケータイで連絡を取らないのかと思ったら、自動車電話なんてものが出てくるし、1991年に書かれたそうで、ずいぶんと古い作品でした。宮部さん、少年を主人公にするのうまいです。なかなかに捻りの効いた、楽しいミステリーでした。
武井咲でTVドラマ化されているので読んでみたが、どう考えても新戸部の犯行動機が意味不明。やはりTVドラマは大分違うストーリーになっていた。ライトノベル感覚のミステリーだけど、澪のキャラは悪くない。
中二病をこじらせてそのまま大人になってしまったようなヨシカ。その思考回路と妄想が止まらない。妄想だけでほとんど行動しないのだが、同窓会のセッティングとか、時としてみせる異常な行動がまたすごい。結末はちょっとコミカル。傑作。
変化球の多い窪さんの恋愛小説、今回もいきなり「知らない女が裸でベッドに、、、」だったので、そういうやつなのかなと思ったら、意外にも正統派で純なラブストーリー。ちょっと肩透かしを食ったような気がしながらも、恋愛に不器用な二人にハラハラしながら、けっこう引き込まれて読んだ。
無職の明智光秀には彼を頼る一族がたくさんいて、何が何でも出世しなければならなかった。実力を養い、織田信長に高額で士官がかなった光秀は、実力主義のこの組織でトントン拍子で出世していく。しかしそこはとんでもないワンマンのボスが率いるブラック組織だった。。。やがて光秀はクーデターを実行するわけだが、肝心のその部分は描かれていない。ここまで書けばわかるだろ、想像しろよということか。
垣根さんの新感覚歴史小説。
今年の柴田錬三郎賞受賞作ということで手に取ってみたのだが、今までの受賞作と全然傾向が違う、どういう選考基準の賞なんだろうって思ってしまう。
これ以上悲惨な人生はないのではないかと思える人生の終焉を皆既日食とともに迎える5人の男女を主人公にした短編集。凄まじい、身の毛もよだつ、饐えた匂いのするような人生。エロくて、グロくて、キモくて、読後感はとても悪い。いやなものを読んでしまった。でも、印象に残ったのは確かで、怖いもの見たさの、癖になる作品かもしれない。
「あと少し、もう少し」の悪ガキランナー大田くんのその後の話。上原先生、この本ではチョイ役なのに良いことを言う。あと少し、もう少しこの場所に留まっていたい、そういう気持ちを振り払って、居心地の良い場所から次のステージに進む、そういう前向きな気持ちになれるのは苦しいけど幸せなこと。大田くん、きっとまた走り出すのだろう。
題名から、ランニングの話であることを期待したのだけど、そこは全く肩透かし。でも、大田くんと鈴香ちゃんのふれあいの描写がすばらしい。
再アニメ化されたので、読んでみた。
小説は以上11冊。
まあ、さらっと読めました。
歴史解釈には疑問を感じる部分がないでもありませんでしたが、総じて性に対しておおらかだった日本が、朱子学とキリスト教をはじめとする西洋文化、明治以降の政治権力によっていかに変質していったかということが分かった。。パートナーからなら非難されても当然ですが、不倫をすると世間から非難される昨今の風潮も、この延長線上なのでしょうか。
一昨年、永青文庫で行われた春画展を見たが、あれはあれでアリと思う。松平定信、温室育ちのエリートってやつは、いつの世もろくなことをしませんね。
80の方法のうち、「これは知らなかった」&「これは使える、ぜひ使おう」と思ったワザが22あった。ただし、ほとんどがショートカットキーなどを駆使した時間短縮ワザなので、一々この本を開いてやり方を調べるのでは意味がない。瞬時に使いこなせないと。そのためには頻繁に使って忘れないようにしなくてはないらない。
さて、最終的に「役に立った」と言えるのは、何個になるか。。。
◆町工場の娘(諏訪 貴子)
先代の急逝で主婦がいきなり社長に?いや、彼女は、社長になった瞬間から、信念も知識もある立派な社長だった。先代の帝王教育や取引先での2年間の修行のおかげというだけでは説明しきれない、「自分が継ぐ」という覚悟の下、折に触れて「自分ならこうする」というシミュレーションをしていたのではないか。
先代が健康でそのまま社長をしていたら会社はつぶれていただろうし、「大塚家具」みたいに骨肉の争いになっていたかもしれない。先代社長である父に綴った感謝の手紙を読んで、否応なしのバトンタッチはむしろ幸運だったのかもと思った。
ユニクロとZARA、SPAとして対照的な性格を持つ両社であるが、いずれもユニークなイノベーションにより今日の地位を築いた。
この本がは14年に書かれた本であるが、17/8期のファーストリテイリングの決算は過去最高益。目標の2.5兆円には届かなかったものの1.8兆円でGAPを抜いて世界第3位、海外比率も4割強と順調な成長を持続しており、世界一になれるポテンシャルも持っていると思う。
ガラパゴスと言われる日本のアパレル業界から、このような企業、このような経営者が出てきたことはまさに奇跡。
自分も発想が体育会系なので、共感するところが多かった。すぐ手に取れるように、会社のデスクに置いておこう。
別に友情論を読みたかったわけではなく、単にスラムダンクが大好きなので手に取った本。
実際はスラムダンクをはじめ著者が偏愛する小説や映画をネタにした人生論で、肝心のスラムダンクからの引用は全体の1/3程度。内容はともかく、自分が読みたかったのは全編スラムダンクのこじつけ話だったので、ちょっと残念。
西原さんは、他の本も読んだし、映画の「毎日かあさん」も見たけど、壮絶な人生ですよね。来年社会人になる娘の参考になるかなと思ったけど、体験に基づいたアドバイスは分かるが、体験が壮絶過ぎて役に立ちそうなのか、よくわからない。
ところで、うちの娘、大学4年の今が反抗期なのかもしれない。
暗渠マニアの私ですが、今まで読んだ暗渠の本の中で、一番分量が多くて、マニアックで、難しかった。
◆元気になれる秩父おへんろさんぽ (さとう みゆき)
1年以上かかっている秩父お遍路ですが、やっと三十三番、残すところあと一つとなったので、思い出を振り返りつつ、三十四番に向けて気合を入れるために、再読してみました。
東京から日帰りを繰り返しつつ、少しずつジョグ&歩きで巡ったのですが、この1年でだいぶ秩父通になりました。
自分が市民ランナーなこともあって、駅伝大好きです。
自分は、ビートルズの現役時代にギリギリ間に合った世代。中学生の時、最初に買った洋盤のレコードが、ビートルズの「オブ・ラ・ディ・オ・ブラ・ダ/マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」だった。
筋ジストロフィーで42歳で亡くなった鹿野靖明と彼を介護したボランティアたちの壮絶な記録。
人口呼吸器を取り付け、一人では何もできない。ボランティアによる昼夜3交代の24時間体制の介護。彼はたくさんのボランティアを教育し、その世話になった。自分のしたいと思ったことを率直にボランティアに命じる。思いのまま生きることをあきらめない。彼のそんな生きざまは、ボランティアに大きなインパクトを与え、濃密な人間関係を築いた。
余命宣告をはるかに上回る7年を生きた壮絶な彼の人生に、改めて尊厳死の尊厳って何と考えさせられた。: