互いの命と誇りを懸け、十二人の戦士たちは闘う――たったひとつの願いを叶えるために。
西尾維新、渾身の小説×中村光、激筆のイラスト。史上最高のバトルロイヤル小説、開戦。
西尾さんの作品は、「物語シリーズ」「忘却探偵シリーズ」は全部読んでいるのだが、それ以外の作品となると、1,2作しか読んだことがない。
本作は、アニメ化されたので、手に取ってみた。
十二支の名前を冠した異能戦士たちのバトルロイヤル、ありがちなネタではある。
1人の勝者と11人の敗者、そして敗者は必ず死ぬ。勝者に与えられるものは、「望みを一つ叶える」という抽象的なもの。でも、戦士たちは、それを手に入れるために戦っているというわけでもない。命令されてやっているようにも見えない。かといって何かを背負っているようでもない。だって十二大戦ってそういうものだから、と相手を殺す。
最初から一人死んでいるし、最初の猪vs兎、二戦目の酉vs戌、三戦目の酉vs丑、第五戦の羊vs丑は、闘いそのものは見せ場もなく瞬殺、延々とバトルの描写が続く他のラノベとはかなり趣が違う。西尾さんらしいと言えば西尾さんらしい。
結末も、、、西尾さんだから強い者、正々堂々と戦う者が勝つという話にはしないだろうと思っていたし、十二支の逸話からも、まあこんなことだろうとは思っていたが、なかなかに楽しめた。
本を読み終わってから、第2話、第3話のアニメを見た。250頁ほどのラノベでバトルは瞬殺、これを1クール、12話をどう引っ張るのかと思っていたのだが、なるほど、酉や猪の生い立ちの話とか、本にはないエピソードも入っていて、話が膨らまされている。
原作のバトルシーンはどれもかなりグロい。アニメがこの先これをどこまで映像化できるのか。果たしてこのシーンはどのような画になるのかと、今から楽しみなシーンも少なくない。
まともに映像化すると悪い意味で話題のアニメになってしまうかもしれない。はてさて、「クラップ・ユア・ハンド」といくかどうか。。。