「屋上の道化たち」(島田荘司) | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

屋上の道化たち

 

自殺するはずのない男女が、必ず飛びおりて死に至る―。行ってはいけない屋上とは?強烈な謎と鮮烈な解決!これぞ本格ミステリー!

御手洗潔シリーズ50作目!最新書き下ろし長編。

(「BOOK」データベースより)

 

17年の「本格ミステリ」第8位作品ということで読んでみました。島田荘司さんの作品は「新しい十五匹のネズミのフライ」に続いて2作目。この御手洗潔シリーズ、短編も含めるともう50作目だそうで、さすがミステリ界の重鎮。

当然私はこのシリーズは初読み。「新しい、、、」はそのままシャーロック・ホームズのパロディで、ワトソンご本人が主人公でしたが、これは、御手洗がホームズで石岡がワトソン役ですね。

 

それにしても、奇想天外なお話でした。

神奈川県T見市は鶴見で、プルコはもちろんグリコがモデルとして、事件現場はその鶴見の銀行の2階建ての建物の屋上、隣は朽ちかけたグリコの看板がかかる百貨店、場末感漂うというか、シュールと言った方が良いかもしれない舞台設定です。

その銀行の屋上から、自殺するはずのない人が次々と一人で転落死する。しかも2階建ての屋上からなのに皆頭から落ちて即死。

 

そして、物語中盤で、お約束の著者からの挑戦状。うーん、分からなかった。

いわゆる「本格ミステリって、ホワイダニット、犯行動機をあまり考慮しないのですよね。転落死した4人が抱える共通の秘密、そして一人目の犠牲者の不釣り合いにハンサムな婚約者、この辺に気を取られ過ぎるとかえってわからなくなってくる。

ハウダニットだけに集中して読めば、正解にたどりつけたかも。バカミス、とまではいいませんが、そういうものだと思って読めば、このお話、なかなかに馬鹿馬鹿しくて面白い。

 

これで、17年の「本格ミステリ」、1位から10位までを読了しました。

自分の第一位はと言われたら、、、、「ジェリーフィッシュは凍らない」かな。