秩父三十四ヵ所巡礼は、1234年(文暦元年)に生まれた観音霊場で、秩父盆地に点在。 8日間で歩いて回れるとあって、気軽な霊場として人気を集めている。
本書は巡礼を初めて行なう人にもやさしい入門書として、巻末には巡礼の手引き・作法などを収録している。
突然だが、この夏、秩父の札所三十四か所を巡ることにした。
秩父は、今までもランニングやアニメの聖地巡礼などで何度か訪れている。札所17番の定林寺は、話題のご当地アニメ「あの夏に見た花の名前を僕たちはまだ知らない」の「超平和バスターズ」のたまり場として有名で、私も数年前に訪れた。その時は、札所巡りという本来の目的で再訪することになろうとは、思ってもみなかった。
とにかく思い立ったが吉日、この本を参考に第一番札所の四萬部寺に行き、納経所で納経帖を購入。
真夏の猛烈に暑い日で、本に書かれているとおり5番札所まで巡ったら全身汗まみれになり、武甲の湯で汗を流した。
その後4回秩父に通い、現在23番札所までお参りをすることができた。
原則電車の駅からジョグまたは歩きで巡礼することにしている。バスは使わず、道も、なるべく巡礼古道を行くようにしている。
秩父の地形は、荒川の河岸段丘になっていて、市街地は盆地。
1、2番札所を除き、20番までは比較的市街地から近く、高低差もさほどではなかった。でも、ここから先はだんだん道が険しくなるようで、さて、満願成就はいつになるか。
自分以外に、歩きで札所巡りをやっている人にはほとんど出会わない。
観世音 南無仏 与仏有因 与仏有縁
(かんぜおん なむぶつ よぶつうーいん よぶつうーえん)
仏法僧縁 常楽我浄
(ぶっぽうそうえん じょうらくがじょう)
朝念観世音 暮念観世音
(ちょうねんかんぜおん ぼねんかんぜおん)
念々従心起 念々不離心
(ねんねんじゅうしんき ねんねんふりしん)
ぽつんとただ一人、静寂が支配する観音堂の前で、見よう見まね、棒読みで十句観音経を唱えていると、心が落ち着き、静かに明日への活力がわいてくるような気がする。