「掟上今日子の婚姻届」(西尾維新) | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

掟上今日子の婚姻届

忘却探偵・掟上今日子、「はじめて」の講演会。壇上の今日子さんに投げかけられた危うい恋の質問をきっかけに、冤罪体質の青年・隠館厄介は思わぬプロポーズを受けることとなり…。美しき忘却探偵は呪われた結婚を阻止できるのか!?

(「BOOK」データベースより)

 

(感想)

この忘却探偵シリーズも本作で早くも6冊目。

初作の「掟上今日子の備忘録」が14年10月だったので、1年半で6冊ということになる。他の仕事もしながら、なので、もう、掟上今日子もびっくりのスピード執筆ぶりである。

本作は、6冊目にして初の長編仕立て。そして、このシリーズ最高の傑作だと思う。

オリジナルキャストの今日子さんと厄介くんのキャラ立ちした面白さをそのままに、でもちゃんとミステリーしているし。

 

付き合った男をすべて破滅させる魔性の女、囲井都市子(かこい・としこ)。そんな女に目をつけられ、プロポーズまでされてしまった厄介くん。

そんな厄介くんに対し、嫌悪感もあらわに「一人娘を保育園に迎えに行く」と見え透いた嘘をつく今日子さん。

一転、プロ意識から、パジャマ姿で厄介くんの部屋に泊まり、恋人のような態度を取りつつ推理を展開する今日子さん。

圧巻の謎解きと今日子さんの新たな一面が満載の、とってもお得な一冊。

 

ところで、このシリーズ、まだまだ続くようで、「掟上今日子の家計簿」が16年夏発売とか、って、もう16年夏じゃないか。

次回作も期待してます。