羽川翼 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

羽川翼といえば、西尾維新さんの人気作品、物語シリーズで、主人公の阿良々木暦くんのクラスメイトにして完全無欠の委員長。
 阿良々木くんとの因縁は、実はヒロインの戦場ヶ原ひたぎさんより古い。
出版順では3冊目ですが、時系列的には一番先になる「傷物語」の冒頭のシーン、学校の前の信号のところで、パンチラ(パンもろ?)を見られてしまうという、衝撃の対面。「傷物語」では、この情景が、延々3ページにわたって描写されています。暦くんにとっては、よほど衝撃的な事件だったのでしょう。




冷血にして鉄血にして熱血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと完全無欠の委員長・羽川翼、「傷物語」はこの二人がヒロインです。
この話と「猫物語(黒)」も「化物語」の前日譚、戦場ヶ原ひたぎのみならず、八九寺真宵も、千石撫子も、神原駿河も出てこない、彼女らが暦クンと出会う前の話です。



実は、私は羽川翼萌えです。
ライトノベルのヒロインで一番好きな人と言われたら、私は迷わず羽川翼を選びます。

「傷物語」「化物語(つばさキャット)」「猫物語(黒)」「猫物語(白)」、彼女がヒロインで登場する作品は意外に多く、名言よ呼べる台詞も多々あるのですが、私が一番好きなのが、「傷物語」の「私は、その人のために死ねない人のことを友達とは言わない」というもの。
この言葉が、文字どおりの意味だけではなく、この完全無欠の委員長の自我のなさ、利他主義、心の闇の反映だったりもするのです。

もうひとつ好きな言葉が「猫物語(白)」の「阿良々木くん、私と結婚を前提にお付き合いしてくれないかな」、自我に目覚めたというか、ふっきれた羽川さんの告白、彼女は普通に告ったのでしょうが、いかにもまじめな彼女らしい。
まだまだ羽川さんについては語りつくせないものがあるのですが、きりがないので、、、

最も暦くんとかかわりの長い羽川さんなのですが、最初の「傷物語」で、阿良々木くんにとっての羽川さんは、完全無欠の良い人、憧れ、崇拝、畏敬、救い、信頼の対象となり、彼女を恋愛の対象としてではなく、恩返しの対象になってしまいました。
でも、羽川さんは、既にもうこの時点で、暦クンLOVEだったのでしょうね。 ピピピ、ピピピって、心がときめいた音出してましたから。
ハーレムアニメのお約束とはいえ、主人公が女性の気持ちに気がつかないってのは、どうにももどかしいものです。


私は、この期に及んでも、暦くんはひたぎさんと別れて、委員長と付き合うべきと、本気で思っています。

ところで、この羽川翼さんが、忘却探偵シリーズの掟上今日子さんその人なのではないかという説があります。
そもそも「掟上今日子ぼ備忘録」は、「続・終物語」の続編っぽい触れ込みで書かれたものですし、掟上今日子というのは本名ではない。
今日子さんは外国にいたことがあるらしい、一方で、羽川さんも、暦くんを救うために海外を飛び回って、最後は南極まで行って忍野メメさんを見つけてきた。
白髪も、「猫物語(白)」で、半分白髪になっていたし。
まあ、今日子さんは巨乳ではないし、お金に執着するところも、暦くんのために子供のころからためていたお年玉を惜しげもなく使う羽川さんとはちょっと違うかな。