(あらすじ)
厳しい就職活動を乗り越え、偶然目に留まった求人広告に魅かれシステム開発会社のスルガシステムに就職が決まった桜坂工兵。期待や不安が入り混じる中、入社した彼を待っていたのは、説明とはまったく異なる実態と、あまりに過酷な会社の業務環境だった。中学生の少女にしか見えないが凄腕のSEである室見立華の下で厳しいOJT指導を受け、工兵はSE(システムエンジニア)としての第一歩を踏み出すことになる。
(感想)
サブタイは「萌えるSE残酷物語」、ライトノベルでは珍しいビジネスもの、しかもIT業界。
ひょんなことから限りなくブラックっぽいIT企業に新卒入社してしまった工兵くんが、IT業界独特の劣悪な環境、様々なトラブルに見舞われながらもたくましく成長していくサクセスストーリー。
この工兵くん、一見平凡ながら、実に仕事ができるスーパー新人。入社早々のトラブルを乗り切っってからは、新卒1年目とは思えない働きぶりを見せる。
OS部とSE部の社内対立を解消、営業責任者として大手企業のDRサイト構築、多ベンダーをコントロールするプロマネとして出版社の移転プロジェクトの完遂、客先の常駐業務、新サービスの開発、子会社の管理職業務など、実に幅広い業務をこなし貪欲に働く。
13巻で新卒2年目を迎えた工兵くん、新入社員の教育までこなしてしまう。
鬼OJTリーダーの室見さん、同僚の姪乃浜さん、客先の橋本課長、子会社のリシーさん、仕事仲間からの信頼も厚く、さながらハーレムの様相になってきました。
この小説のせいで、SEを志す人が確実に減ったとまで言われているスルガシステムのブラックぶり、でも、室見さんをはじめこの小説に出てくる技術者の人たちのことば、かっこいいんですよね。ITに携わる人の矜持を強く感じます。
来夏にTVアニメ化って噂があるんですよね。もしホントだったら、楽しみです。
東山奈央さん、茅野愛衣さん、堀江由衣さん、日笠陽子さんという実に豪華なメンバーでドラマCD化されたんで、ぜひ同じメンバーでアニメ化してほしいなっ。