昨日、今日、急に冷え込みましたね。先週金曜日から関東方面出張のため東京に滞在していましたが、なんだかんだと1週間があっという間に過ぎ、静岡経由で大阪に戻って参りました。書斎で仕事をしているといつも足元にはおすしが・・・、家に帰ってきた気がします。

 



そのため、3週間くらいマンションを空けますので今日の午前中は、少しマンションの大掃除をしていました。すると、そんな矢先に我が社が取り扱う中国製品のメーカーが急きょ来日するとの連絡があり、急きょドタバタ状態に。たまたま日曜日は自宅でゆっくりするプランだからよかったのですが、いきなり日曜日に来て1週間同行営業することに・・・。

 



コロナウイルスの影響で今日現在、いくつかの中国サプライヤーはいまだ稼働しておらず、現時点では終息のめどが感じられない状況です。

 

このブログでも何度か書かせて頂きましたが、会社の経営では「外的要因:内的要因」=「4:6」というのが私の経験に基づき持論です。もちろん業種や想定外の外的要因もあるとは思いますが、言いたいのは予めいろいろなリスクヘッジを行い、内的要因を可能な限り取り除いておけば多少の外的要因によるピンチは切り抜けられるということです。

 

ここでも以前書かせて頂いたのですが、2013年末ごろからの急激な円安になりました。いわゆるアベノミクスの影響です。これにより輸入商材の仕入れ価格の大幅なUPにお客様への値上げのお願いが追い付かない状況になりました。1ドル=80円前後からいきなり120円くらいまで円が安くなったのです。つまり、分かりやすく言いますと800万円で仕入れていたものが1200万円になったようなもので、これを仮に売りが1000万円だとしたら、売れば売るほど200万円の利益を得られるところ、200万円を失うことになったのです。元々の利益から社員のお給料を含む、一般管理費をまかなっていましたのでさらにこの損失に一般管理費をまるまる加えたものを毎月失うことになったのです。

 

さらに同じ時期に中国元高がすごく上がり、現地の事務所の経費が同じマンパワーなのに2倍近くになりました。急激な円安に加え、まさにダブルパンチの状況でした。

 

それまでにも大きな外的要因として「リーマンショック」や「東日本大震災」「タイの大洪水」といった影響を受けてきたもののどうにか乗り切ってこれました。しかし、さすがに当時の「急激な円安」や「中国元高」は本当に苦しかったです。この際会社を閉めてしまおうとすら考えたくらいです。

 

私の周辺で中国から衣料を輸入している中小企業は、この時かなりの会社がつぶれてしまいました。これは主に中国やバングラデッシュなどからの輸入品が会社の売上の大半を占めていたからだと銀行の人は当時言っていました。ところが、我が社の場合はまだまだ国内に強い売上があるとして、「会社を閉める」という選択をするにはまだ早いと言われました。

 

そういったいろんな人のご指導もあり、2014年から5か年計画で再建することにしたのです。まずは、外的要因を取り除いていきました。一番は、その時もっとも影響を受けた為替変動に強い会社にすることでした。そこで、支払いも集金も「日本円:アメリカドル」をなるべく同じにするように努めました。支払いはいいとして、とにかく集金でアメリカドルを増やすことが課題でした。結果、多くのお客様に外貨での取引をお願いし、今ではアメリカドルでの集金が日本円を上回る月さえ出てくるようになりました。これにより多少円相場が変動しても為替による差損が最小限で抑えられる仕組みが出来上がりました。

 

その次に客先や製品の「選択と集中」を行いました。これまでのようになんでもかんでも目先の売上をあげればいいということはやめ、常にベースとなる売上が上がるようにするために(言い方はよくありませんが)不要なお客様と製品は、注文を承らないことにしたのです。全お客様の手間(営業に掛かる経費と時間)、集金のリスク、利益率などを点数表にし、ある一定のスコアが出ないお客様へのお見積価格を上げ、訪問を行わないようにしました。

 

その結果目先は一瞬売上がダウンするのですが、集中したお客様ではじわじわと売上が上がり、結局翌年はその当時の過去最高売上へとV字回復したのです。現在では「医療機器」「交通・インフラ」「防衛関係」「農業器具」などが我が社の売上の80%以上を占め、これだけで十分一般管理費がまかなえるようになった上にあっちもこっちもへ営業に行く必要がなくなり、無駄な営業の労力が激減し、一般管理費がどんどん下がっていったのです。

 

すると2014年以降、尖閣諸島の問題が出る度に「防衛関係」の製品が伸び、アメリカの健康保険制度が変わった際には「医療機器」が伸び、はたまた東京オリンピックがらみで「交通・インフラ」は、今大幅受注増と毎年何かしらヒットする製品が出るような顧客作りが出てきました。

 

5か年計画の最後となる2019年度(我が社は2月末決算)で繰り越し欠損は、全て解消となり、2020年度からは本格的に黒字に転換されると思った矢先のコロナウイルス。昨年9月から続いていた右肩上がりの売上もどうやら2月は少し頭打ちになりそうです。なかなか経営とはうまくいかないものですね。

 

しかし、これまで幾度となく困難を乗り切ってきましたのでここも頑張って乗り切りたいと思います。そういう意味も含めて今週の同行営業は、非常に大切な1週間になりそうです。

 

外的要因に備えること」これは経営者にとって、永遠の課題になるのかもしれません。我が社も2020年度は、本格的にBCPに取り組んでおく必要があるのかもしれません。

 


あっ、ポケトーク充電しとこ。ほなな。