そういえば、猫はレーザーポインターが大好きって聞いたことがあるので、昨晩おすしで試してみました。

 

レーザーポインターをつけたとたん、おすしが飛んできました。今までコタツの中で寝てたくせにすごい勢いで飛び出してきました。

 

すげえ。これまで猫じゃらしやゴルフボールなどで遊んできましたが明らかに興味の度合いが違います。

 

しかも、相手をする私はほぼ一歩も動かず、手先だけをちょいちょいとやるだけで本人(本猫)は、廊下を全力疾走で行ったり来たり。めっちゃ楽~。

 

 

結局、寝る直前まで布団の中からおすしを遠隔操作。ぎゃはは、ラジコンみたいや。

 

 

さて、本日は海上自衛隊用語第7話、号令のいろいろです。

 

「号令」といえばどんなものを想像しますか?

 

一般の方がイメージできるものとして、「気をつけ」「右へならえ」というものがあると思います。また、「ハープーン(対艦ミサイル)攻撃はじめ」というような一般では絶対に使わないような号令もあると思います。

 

部隊を動かすための指示や命令の多くを「号令」という定型の言葉で表します。一般的な指示や命令と異なるのは、その「号令」を受けたものがとる行動、動作も決められて誰が号令しても、誰が号令を受けても同じ行動を取るということです。

これにより基本的な部隊行動は全てその「号令」どおりに動かしていくことができるのです。

 

おそらくそれは、陸・空自衛隊においても同様ですし、世界の軍隊、また軍隊以外にも組織で動く警察、消防などの現場も同じではないかと思います。

 

「号令」の中で行進、整列など戦闘以外の一般的なところで使用する号令には、ある一定の決まりがあります。大きな目的は、戦闘時の号令も同じで誰が指揮しても、誰が命令を受けても同じ行動が全員取れるようになっています。

 

行進などの号令は「予令と動令」に分かれています。

 

予令とは、その号令を聞いた者は次の動作を頭に浮かべ、心の中で準備をするための号令です。動令とは、その号令で実際に動作を行うための号令です。

 

例えば、「前へすすめ」という号令では、「前へ」が予令で、「すすめ」が動令となります。

 

このとき予令はゆっくり長く、動令は強く短く発します。

 

「前へ~~~・・・・」 「すすめっ」という感じです。この時「すすめ」は「すめっ」だけになってもいいのでとにかく強く、短く発します。

予令が短くなってしまうと心の準備ができずに動令の際に動作が遅れる隊員が出ますし、動令が長いと行動を起こすタイミングがばらばらになり、部隊がばらばらになってしまいます。

 

「まわ~れ~~」(まわれ)、 「ぎっ」(右)

「ぶんた~い~~」(分隊)、 「とれっ」(とまれ)という感じです。

とにかく、動令は小さい「っ」があとにつくような強い声で発しなければなりません。

 

ちなみに行進時は、1分間120歩、歩幅は75cmと定められていました。それ以外の幅などには教本に約○○cmとあるのに、行進で歩く歩幅にはがついていません。

 

つまり、公差ゼロになるので全員がきっちり75cmで歩かなければならないことになります。1cmでも狂っていたら、100歩歩いたら1mずれることになります。つまり1cmのずれは1分間で1.2m(120歩)のずれになるため、この75cmは厳しくくせをつけられました。

 

各教育部隊や学校の廊下には75cm刻みで線が引かれていて、廊下を歩くときも75cmを意識しながら歩いていました。

 

さらに行進などでは左足が基本です。

最初の一歩は、左足から出しますし、号令時の動令は左足が着地する時に掛けます。

 

そのため、行進曲は2拍子になっていて、強い方が左足です。

海上自衛隊の行進ではよく軍艦マーチが流れますが、そのときの強い音の方が左足であり、動令のタイミングということになります。

 

ここでさきほどの「前へすすめ」をおさらいします。

もし、あなたが号令官だった場合は、まず音楽が流れだしたら「前へ~~・・・」と予令をかけます。そこで、耳で軍艦マーチの強い方を心の中でリズムを取りながら、強い方のタイミングで「すめっ」と言えば、部隊はきれいに動き出します。

 

最後は、同じく止まろうとする少し前に「ぶんた~い・・・」と予令をかけ、また音の強いところで「とれっ」と言えば、「1,2」で部隊は止まります。

 

最初は、失敗もありますが慣れてくると自分の一声で何十人、何百人という人が一斉に動き出すのですごく気持ちいいもんです。

 

ただ、少しだけ弊害があります。

 

日曜日などの休みのとき基地の外へ出た際に、信号が青になった瞬間、みんな左足から同じタイミングで足を出してしまうんです。また、横断歩道の線が教育隊の廊下に思えて歩くスピードや歩幅まで同じになってしまうんです。

 

「ざっ、ざっ、ざっ・・・」と大勢の人で歩いているはずなのに音が揃ってしまいます。休みで外出しているにも関わらず、また部隊も違い顔見知りでもない人たちとくせで行進してしまうということがあります。お互い交差点で顔を見て「おまえもか」みたいに笑ってしまうことがありました。

 

これは、自衛官の職業病とも言えると思います。

今でも自宅から会社まで歩いていると信号で時々左足から歩き出す自分を見て笑ってしまうことがあります。隣の人と足音が揃っていたら、「おっ、こいつ自衛官だな」と思ってください。