前作よりもさらにスケールアップ!!「JUNK WORLD」 | 帰ってきた神保町日記      ~Return to the Kingdom of Books~

前作よりもさらにスケールアップ!!「JUNK WORLD」

 掘貴秀監督がほぼひとりで全てを作り上げ話題になったストップモーション・アニメ「JUNK HEAD」の続編「JUNK WORLD」を観てきました!

 

 

 4年前に公開された「JUNK HEAD」を観た時は、本当にぶっ飛びました!ひとりでこんなものを創るなんて、正気の沙汰ではありません!

 

 

 7年をかけてほぼひとりで創り上げた自主制作映画でありながら、その世界観やストーリーはハリウッドの超大作にも引けを取らない堂々たるSFエンターテイメントでした。

 そして満を持しての続編「JUNK WORLD」!!前作「JUNK HEAD」よりも1042年前の物語です。

 前作の大ヒットにより、日本国内はもちろん海外からも熱い注目を浴びた堀貴英監督。各方面から次回作への出資にオファーがあったはずなのですが、堀さんはあえてそれを断り、前作同様自己資金とクラウドファンディングでこの新作を作り上げたようです。

 スタッフは前作の3人から6人に倍増!さらに3DプリンターやCGもふんだんに使用し、前作を上回る高密度の映像を作り上げています。

 ストップモーション・アニメとは思えないスピード感のあるダイナミックな動きと演出。

 登場するキャラクターたちも前作同様魅力的です。

 今作ではストーリーも凝っています。全部で四章からなっているのですが、時間の流れを巧みに利用した構成で、SF的センスに溢れたユニークな物語になっています。

 今作では「日本語吹き替え版」と「ゴニョゴニョ版」の2つで上映されています。今回は「ゴニョゴニョ版」で観ました。この「ゴニョゴニョ版」は堀監督が創作したオリジナル言語で、日本語の字幕がつきます。このオリジナル言語がメチャクチャ面白いのです。ところどころでどこかで聞いたようなフレーズが織り交ぜられ、それが観客の笑いを誘います。一度聞くと病みつきになります。

 上映終了後に堀監督の舞台挨拶がありました。

 撮影の裏話を語ってくれ、今回もセットの製作にはホームセンターで調達できる素材を使って作り上げたことを話してくれました。そんな材料であのクオリティのものを作ってしまうなんて信じられません!

 この作品に賭ける情熱と愛情が前作以上にほとばしっていました。

 次回作も制作を開始するそうですが、やはり資金は自己調達し、誰にも干渉されずに自分の創りたいものを撮るそうです。資金調達のためには映画の興行収入の他に、オリジナルグッズやパンフレットの売上を充てるそうです。

 パンフレットは2500円と高額ですが、場面写真やメイキング写真が満載で、読み応えは十分です。次回作への応援の意味も込めて購入しました。

 ちなみに次回作が、この「JUNK」シリーズ三部作の完結編になるそうです。

 世界の映画史に残るカルトな怪作であることは間違いありません!