乙骨憂太と碇シンジのシンクロ率が気になる!「劇場版 呪術廻戦 0」 | 帰ってきた神保町日記      ~Return to the Kingdom of Books~

乙骨憂太と碇シンジのシンクロ率が気になる!「劇場版 呪術廻戦 0」

『劇場版 呪術廻戦 0』

 

 現在週刊少年ジャンプで連載中の大人気マンガ「呪術廻戦」の前日譚を描いた「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」の映画化。

 僕はマンガ、アニメ共にファンで、今回の映画化を楽しみにしていました。

 映画は原作マンガをほぼ忠実に映像化。アニメを製作したMAPPAによるクオリティの高い戦闘シーンは見応え十分。ファンとしても大満足の出来です!!

 通常こういった人気マンガの映画化は、テレビ放映の続きだったり、オリジナルストーリーによる本編の番外編だったりして、作品のファン以外の人は入りづらいことが多いものです。でも本作はこの物語から「呪術廻戦」が始まるので、まだ「呪術廻戦」を読んだり見たりしたことがない人でも、安心して見られます。

 「呪術廻戦」未体験の人でも楽しめますが、すでにファンの人たちの喜ぶポイントもいっぱい。クライマックスでは、原作には出てこない本編のキャラクターたちが登場し、戦闘シーンを盛り上げてくれます。

 しかし何と言っても、乙骨憂太の魅力に負うところが大きいと思います。現在連載中の本編にも途中から登場していますが、今作では彼が主役です。彼の声を担当しているのが緒方恵美さん。ベテランの人気声優さんで、これまでも数々の人気キャラクターを演じてきていますが、やはり「エヴァンゲリオン」の碇シンジ役がいちばん印象的です。

 そして乙骨憂太と碇シンジのキャラクターが、見事にシンクロしているのです。二人とも内向的で自分に自信が持てず、どう生きればいいのか常に悩み、迷っています。

 「呪術廻戦」を描いた芥見下々さんが、碇シンジを意識して乙骨憂太のキャラクターを設定したのかどうかは知りませんが、彼の話す言葉にも碇シンジに通じるものがたくさんあります。それを緒方恵美さんが演じているので、映画を見ながら常にシンジくんが僕の脳裏をチラチラしていました(笑)。この配役は本当に確信犯だと思います。

 とは言え、単にマンガ・アニメ人気に便乗しただけの映画化作品ではなく、呪いと愛にまつわる物語としてちゃんと成立しています。

 公開から15日間で累計興行収入が67億円、観客動員は490万人を突破したのもうなづけます。