Amazonオリジナル「トゥモロー・ウォー」の出来は!? | 帰ってきた神保町日記      ~Return to the Kingdom of Books~

Amazonオリジナル「トゥモロー・ウォー」の出来は!?

『トゥモロー・ウォー』

 テレビでも盛んにコマーシャルが流れていたので、ご覧になった人も多いでしょう。

 Amazonがオリジナルで製作し、7月2日から世界同時配信を始めた作品。

 僕も気になっていたので、早速観て観ました。

 

 う〜ん、残念!あんまり面白くなかった(笑)

 ある日、未来から軍事部隊がやってくる。彼らが言うには、今から30年後の地球は、エイリアンに侵略され滅亡寸前。彼らを倒すために力を貸してほしいと。

 そこで未来の地球を救うため、国境を超えた志願兵たちが未来へと送られる。しかしエイリアンたちは恐ろしく強く、志願兵たちが生きて未来から帰ってくる確率は20%以下。

 元イラク戦争の従軍兵で、今は科学の教師として平穏に暮らしているダンは、かつての戦歴と科学者としての知識を買われ、未来に送られる。

 そこで彼が出会った軍の大佐は、成長した彼の娘だった。そしてそこで娘から明かされる事実に愕然とするダン。しかし、人類が完全に駆逐される日は刻一刻と近づいている。

 ダンは娘と一緒に、捕獲したエイリアンのメスから彼らを殺害する毒を精製し、現代に持ち帰り、大量生産して再び未来へ持ち帰る作戦を計画する。果たして毒の精製は間に合うのか?そしてダンは無事に現代へ戻れるのか?

 

 設定は悪くないんだけれど、脚本が全然ダメでした。

 未来へ送り込まれるのは志願兵とは言え、ほとんどが軍隊の経験のない素人。それもロクな訓練せずに未来へ行き、大半が死んでしまう。そりゃそうでしょうよ。

 そして無駄死にする志願兵を見て、未来の戦争のために今の人類が犠牲になる必要はない!と世界中で暴動が起きる。まあ、そうなりますわな。

 未来に生き残っている軍隊の設定も中途半端だし、ダンと未来の娘との駆け引きも取ってつけたようで、あまり胸が動かない。

 エイリアンとの銃撃戦もただ打ちまくっているだけでメリハリがなく、見応えがない。

 主演はクリス・プラットだし、VFXも技術は高いんだけれど、演出がダメ。

 何か良いところを見つけてあげたいんだけれど、久々にメタメタな作品でした。

 Amazon Primeだからまだ良かったけれど、これが劇場公開の有料作品だったら、金返せ!レベル。

 崩壊しかかっている未来を救うという設定の作品は、やりようによっては面白くなるはずなんだけれど、これは悪い例になってしまった。

 これを見るんだったら、同じAmazon Primeで配信されている「Vivy -Fluorite Eye's Song-」の方が、未来を救う物語という意味では断然面白いです。