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今年の母の日は、これを選びました。

 

誰もアルツハイマーになりたくてなる人はおりませんわ。でも、なってしまった後の家族は、大変でございます。ご本人も悲しく、お辛く、孤独で、不安でございます。

 

昔、季節外れのコスモスちゃんの会社で、普通ならケアマネが行く自費のメニューの利用者さんのところに、ナルが行ってと言われて、いろいろ回りましたんですが、このブログも20年に向かってますから、おそらく、もう、どの利用者さんもお亡くなりになっていらっしゃると存じます。

 

脳梗塞型の認知症は、年だからしょうがないとも思えますが、アルツ型の認知症は、年齢に関係ございませんので、あらかじめ、知識として知っていても、対応が間に合わないことが多いでしょう。

 

ある利用者のお話ですが、田舎でおひとりでお暮しのお母様が、近所のコミュニティーの集会や趣味の会の日を忘れて来なくなったりしたことを機に、ご近所の人が東京に住むお嬢さんに連絡して、なんだかんだで、東京に引き取られて、ある程度まで在宅で看ておられました。

 

私はその方の相手をするのがお仕事で、時には演芸ホールにお出かけしたり、家で、何かして、とにかく子守りみたいなもので、一緒に遊んだり話し相手をしますの。で、その後、何をしたかノートに書いて、家族がそのノートを見るのですが、いろいろ会話に食い違いがあって、その利用者は医者の妻ということになっていたのが、ご主人はエリート会社員の転勤族だったとか、基本的なことをケアマネも誤解しておりました。

 

で、時間を持て余しまして、その家に電子オルガンがあったので、私がいろいろ弾いてみて、利用者の世代ならこれかなと、「銀座の恋の物語」を弾いた時、利用者が歌い出したのです。それをノートに書いて、その日は失礼したら、次の機会に、お嬢さんが、是非、私と話したいとおっしゃって、利用者を寝かした後、ふたりでお茶をしました。

 

おひとりお嬢さんでね、転勤族だったから、ひとりで自分の世界を開拓することに慣れていて、もともとべたべたした家族関係ではなかったとおっしゃるのだけれど、「銀恋」が歌えるとは思わなかったということで、あれだこれだと、ご自分の知らないお母様の様子をお聞きになりました。

 

つまりね、母の日、父の日、家庭の日、その日だけでも、いったいどれだけ親のこと、子どものことを知っているか、昔話をするのが一番だと思いますの、聞けるうちに親から聞いておかないと、自分のルーツすら、もう、どこからも情報は入らないのよ。

 

私は、よく子ども達に、誰もがあんたみたいになんでもかんでも覚えているわけじゃないんだからと言われますが、私がボケたら、知らないわよ。私は子どもの頃から聞かされた母の話を、つないでみたり、分からないところは、従姉や近所の人に聞いたりして、連ドラくらいの分量はあるかしら。大河ほどの分量はどうかしらね、父も入れたら、あるわね、書き方にもよるけれど。

 

 

 

 

ということで、今日の「歌謡曲だよ、成澤弘子」は、KOEが歌います「Hello,I’m Koe」。映画「百花」の主題歌でございます。

 

作詞:Duel-Konnie Aoki、作曲:Yaffle