↑ ↑ ↑

ジョーン・バエズが歌っていたのは反戦歌だけではございません。夏がやって来る頃、君の前から去って行く~~っていうような歌、多分。去る理由は言ってないの。う~ん、夏までの季節労働者かしら。

 

「のし」専門の印刷会社が破産手続きをしてらっしゃるんですって。「のし」とは、当時、高級品だった干したアワビに付けたのが起源だそうでございます。

 

う~ん、考えてもご覧になって、この頃、人様に差し上げるのでも、ネットから配送してもらう形のショッピングでは、「のし」がいるならどうのこうのとあって、結局、「のし」も何もなく送っちゃいます。百貨店でのお買い物は、そこの包装紙で包まれているだけで、わざわざ感がございますので、別に「のし」を頼まなくても、高級なプレゼントになりますわね。

 

必ず「のし」に書くお中元もお歳暮も、私、本当に、送らなくなりました。実際、それどころじゃないんだもん。デパートや大手スーパーのお中元用に準備したものの箱崩れみたいなものを安くして売ってますでしょう? すっかり、そっち専門になっちゃいましたわね。

 

ただねぇ、私の裏技でございますが、例えば、油やお醤油など、裸に「のし」だけをつけて配るの。以前、引っ越しの時、リフォームで煩くしたから、ほんのご挨拶に、我が家でいつも使っている「ヒゲタしょうゆ」1.8リットルのボディに「のし」を貼って届けました。値段にしたら、当時は500円しませんでした。ああ、私って、なんてケチなのかしらと思いながら。でも、これ、キッコーマンを一升も貰ったら嫌だけれど、ヒゲタなら、干したアワビくらい、誰に差し上げても恥ずかしくないわ。キンピラやぶり大根を作ったら、すぐに終わっちゃうもの。ああ、太和屋の鰹節ひと袋だって、「のし」つけたら、立派なものだわ。

 

子どもの頃、お祭りというと、家の前に山積みされた樽の横に、一升瓶のお酒の1本1本に「のし」が貼られていましたっけ。子ども心に、ご挨拶には「のし」が必要なんだと思っておりました。

 

だから、ちゃんと箱に入っていなくても、裸の形でも、「のし」さえつけていれば、改まった、ちゃんとしたものになるのよ。手ぬぐい1本でもね。

 

「♪なんだ、なんだなんだ~ねぇ、あんな男のひとりやふたり、ほしくばあげましょう、のしつけて」。いらないものでも、「のし」をつける。着物に「しつけ」があるように、「のし」も日本人の丁寧さでございます。