もっと他にもございましたが、「かしまし娘」のビフォーアフターでございます。

 

正司歌江がお亡くなりになったそうで。子どもの頃から漫才を観ておりましたが、女優としての役どころがとても良く、こう言っちゃなんですが、関西のお笑いの方で、偉くなると妙ないやらしさが出て来る感じがするんですが、かしまし娘はそういうところがございませんでしたわね。逆に、そつなく丁寧で、品がございました。

 

私、磯野貴理子なんか、そりゃ、人の新婚旅行について来るようなお姑さんは嫌でしょうが、人間として、歌江師匠から学んでおく部分はいっぱいあったはずなのにと存じますわよ。

 

私が一番、感慨深く思いましたのが、人生相談みたいなコーナーで、片親だということを卑下している人に、そんなことあらへん、ひとりでいてもお母さんがちゃんと育てたら子どもはちゃんと育つと言い張りまして、私もそうでなくちゃいけないと励まされた思いが致しました。だから、人にも、しっかりしなさいと言える人間になりました。

 

晩年は、夕方、誰もしない庭の植木の水まきをして、「相棒」の再放送を観ながらお酒を召し上がっていたとか。それもテレビでおっしゃるのに、この局で言っていいんやろかと、確認なさってましたから、気を使ってらしたのね。

 

謹んで、心よりお悔やみ申します。