谷村新司がお亡くなりになったそうで。今年の24時間テレビで、ちらっと観ただけですが、闘病中だからということで、お出にならないと、声のメッセージもなかったので、重篤なのだとは思っておりました。

 

何でお見送りって、私からしたら、これっきゃございませんわ、ご自身が歌っておられる「いい日旅立ち」。山口百恵バージョンとは、出だしのアレンジが異なっております。

 

作詞・作曲:谷村新司、編曲:服部克久

 

私、18年、ブログで歌謡曲のことを書いておりますが、谷村新司を取り上げたことは一度もございませんでね、アリスのことは、春先に取り上げたことがございます。

 

「秋止符」で、冬に終止符 | 成澤弘子のブログ  詩人は黙っていられない! (ameblo.jp)

 

なんで取り上げなかった、わざと?って、う~ん、多分。

 

谷村新司はねぇ、ところどころに無駄に文語をお使いになりますのよ、歌詞に。おそらく、お育ちになった環境が関西弁だったことで、作詞に取り組む時、それらをカバーするように文語体が出て来てしまうんだと存じますが、そこがちょっとね。そこがいいとおっしゃる方もおられるんでしょうが、メロディに対して、あんまり意味のない文脈でございます。

 

「いい日旅立ち」は、旧国鉄のキャンペーンソングでございました。この歌は、1番から3番まで、「母の背中」、「父が教えてくれた」、「子どもの頃に聞いた」というように、ちゃんと歌詞になってます。この歌のおかげで、どんだけ人が旅に出たことか。運賃も今ほど高くなかったし。ほら、なにせ、アンノン族でございましたから、「8時ちょうどのあずさ2号で」旅したり、津軽海峡冬景色見たり、いろいろな青春がございましたから。

 

旅シリーズはJRの時代になっても、谷村新司の歌で押し切りましたわね、山下達郎のクリスマス以外は。あ、あれはJR東海。

 

 

 

 

「三都物語」、JR西日本のキャンペーンソングでございました。

 

作詞:多夢星人、作曲:谷村新司

 

多夢星人というのは、阿久悠の別のお名前でございます。「昨日、今日、明日、変わりゆくわたし」というサビがテレビで毎日流れました。だから、全文を読んだことがなかったのですが、「ああ、なんて」のくだり、ちょっとね。

 

で、新幹線が北陸にも行くということになりますと、

 

 

  

「北陸ロマン」、ということになりまして、もう、すっかりオトナの旅を想定してますわね。だって、新幹線、高いですもの、シニアのフルムーンみたいなものが、一番、お金になるんじゃございません? これで、金沢の駅もすっかり見違えるように変わりました。私、金沢、ちょっと、縁がございました。京都料理より、私は金沢料理のほうが好きですわね。

 

作詞・作曲:谷村新司

 

というように、旅ひとつでこれだけ語れます。ただ、これが宇宙の旅まで行っちゃうと、付いて行かれないと申しますか、大きなテーマを描きたがるお気持ちは分かるのですが、そのためには、あのちょっとした文語体が邪魔をしているように存じます。素直にお作りになったら、多分、素直な正直者だと思うのですが。

 

谷村新司、とっても変わった血液型でいらっしゃったそうでございます。いったんご病気になったら、それはそれは大変でいらしたんでしょうね。謹んで、お悔やみ申します。