「ヒックとドラゴン」繊細な少年と傷ついたドラゴンの魂が共鳴したとき、世界が変わる | 『Pickup Cinema』

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2025年製作/125分/G/アメリカ 監督・脚本:ディーン・デュボア 出演:メイソン・テムズ ジェラルド・バトラー ニコ・パーカーほか 配給:東宝東和 劇場公開日:2025年9月5日 ★マスコミ試写会で7月29日鑑賞

バイキングたちが暮らすバーク島。ここでは自然豊かな土地を守るため、何世代にもわたりドラゴンとの戦いが続いている。今夜もドラゴンの襲撃に遭い、村は焼けて負傷者が多く出ている。もちろんドラゴン側にも大きな犠牲はあった。

強く勇敢な族長・ストイックの悩みは、息子のヒックがひ弱で失敗ばかりしていること。ヒック自身は父のような立派なバイキングになりたいという気持ちはあるが、戦闘の際にも周囲に迷惑ばかりかけている。発明好きでユーモアのセンスや観察眼ももっているのだが、優しすぎる性格なため、勇敢であることが何より尊重されるバイキングの世界では一人前として認められないのだ。

そんなある日、ヒックは自作の投石器で、ドラゴンの中で最も凶暴とされるナイト・フューリーを撃墜する。どこかに墜落したはずのドラゴンを探しに行った先で、ヒックは尾翼を損傷したドラゴンを発見する。ここでとどめを刺せば、ヒックは勇者として部族から認められる。勇気をふり絞ってナイフをふりかざすのだが、弱ったドラゴンの大きく澄んだ瞳に見つめられると、心優しいヒックは殺すことができなかった。

傷つき、飛べなくなったドラゴンに「トゥース」と名付けたヒックは、自ら開発した尾翼を装備させ、飛行訓練を始める。徐々に元気を取り戻したトゥースとヒックは固い絆で結ばれる。

大空を飛行し、ドラゴンの巣にたどり着いたヒックは、ドラゴンたちの秘密を知る。大人たちにドラゴンが決して敵ではないと訴えるヒックだったが、逆にドラゴンの巣を攻撃する機会を与えてしまった。

世界的に大ヒットした、ドリームワークスのアニメーション「ヒックとドラゴン」の実写版。

臆病な少年と傷ついたドラゴンが紡ぎだす友情が、周囲を巻き込み何世代にもわたる戦いを終わらせることはできるのか。

 

憎みあい、争うのではなく、お互いを理解する努力をし、共生の道を模索することの大切さ。戦うことは決してカッコいいことではなく、心身の痛みを伴う、死ぬか生きるかの重大事であることを、この作品が教えてくれる。

大画面でドラゴンライドを体感しながら、現実世界の悲劇へも目を向け、よりよい世界になるよう願おう、という深いメッセージが込められた作品。