(C)2024「傲慢と善良」製作委員会
2024年製作/G/日本 監督:萩原健太郎 出演:藤ヶ谷太輔、奈緒、倉悠貴、桜庭ななみ、菊池亜希子、前田美波里ほか 配給:アスミック・エース 劇場公開日:2024年9月27日★関西マスコミ試写で8月7日鑑賞
家業を継いだ西澤架(藤ヶ谷太輔)は、容姿端麗で仕事も恋愛も順調だった。しかし、ある理由で長年付き合っていた恋人に去られてしまう。
それをきっかけにマッチングアプリで婚活を始めた架は、ある日、英会話教室に勤める坂庭真実(奈緒)と出会う。美しく控え目で、気の利く真実にひかれた架。二人は交際を始めるが、1年を過ぎても架は結婚に踏み切ることはなかった。
そんな時、真実がストーカーに追われていることを知った架は彼女を守るために一緒に暮らすことにする。
ようやく婚約した二人は、架の友人宅のホームパーティーに出かけたり、結婚式の準備を始めたりと、幸せいっぱいに過ごしていた。
ところが、ある晩、寿退職の送別会に出かけた真実は架の前から姿を消してしまう。
ストーカーの仕業なのか、と心配になった架は、真実の実家を訪ね、彼女が過去にお見合いをした相手にまで会って、その行方を探す。そこに浮かび上がってきたのは、マッチングアプリでは知ることのなかった真実のこれまでの人生と嘘だった。
「傲慢」とは、婚活で相手を探しながらも交際して1年が経過しても将来を決めない架の姿。「善良」は、昔気質の母親の元で素直に育ったものの、自分らしく生きたいと実家を離れ、架と交際をするもあることをきっかけに自身を責め、違う生き方を模索する真実の姿。
それぞれの視点で、現代の恋愛観、価値観などを描き若者の支持を得た直木賞作家・辻村深月の同名小説の映画化作品だ。
清楚で内向的なのだが、自ら人生を切り開いていこうともがく真実の姿に共感を抱く女性は多いのではないだろうか。
仕事にも容姿にも自信満々なのだが、どこか抜けたところのある憎めないキャラ、架役を藤ヶ谷太輔がしっかりと演じている。