「シラノ」 不朽の名作戯曲を正統派ミュージカルとして映画化。切ない純愛三角関係の行方は… | 『Pickup Cinema』

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2021年製作/124分/イギリス・アメリカ合作 監督:ジョー・ライト 出演:ピーター・ディンクレイジ、ヘイリー・ベネット、ケルビン・ハリソン・Jr.ほか 配給:東宝東和

劇場公開日 2022年2月25日

舞台は17世紀のフランス。

剣の腕だけではなく、優れた詩を書く才能をもつフランス軍隊きっての騎士シラノ・ド・ベルジュラック(ピーター・ディンクレイジ)は、仲間たちからも絶大な信頼を置かれていた。

しかし、自身の外見に自信がもてず、思いを寄せる幼馴染のロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)に胸に秘めた思いを伝えることができずにいた。

そんなシラノの胸の内をしらないロクサーヌは、彼と同じ隊に配属された青年クリスチャン(ケルビン・ハリソン・Jr.)に魅かれ、こともあろうにシラノに恋の仲立ちを頼む。

複雑な気持ちを抱えながらも愛する人の願いを叶えようとするシラノはクリスチャンに代わり、美しい愛の言葉を並べたラブレターをロクサーヌに贈る。

そのラブレターはシラノ自身の気持ちをこめたものだったが、ロクサーヌはクリスチャンが書いたものと信じる。

お互いの気持ちを確かめ合った二人が結ばれようとした時、その事実を知ったギーシュ侯爵の怒りが爆発する。侯爵はかねてよりロクサーヌに求婚をしていたのだ。

侯爵の差し金でシラノとクリスチャンは、死の危険がある戦地の最前線へと送られる。戦地からもロクサーヌへ手紙を書き続けるシラノ。三人の愛の行方はどうなるのか。

19世紀にパリで初演されて以来、世界各国で上演され続けている戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」。本作では基本のストーリーを大切にしながら、シラノのコンプレックスを大きな鼻から低身長に変えている。

愛する人の愛を成就するために自らの気持ちを抑えるシラノ。

本当の愛とは何かを考えさせられる。