(C)2021「ヤクザと家族 The Family」製作委員会
劇場公開日 2021年1月29日,
2021年／136分／配給：スターサンズ、 KADOKAWA 監督：藤井道人 出演：綾野剛、舘ひろし、尾野真千子ほか
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暴対法の施行により、日本社会から排除されていく”ヤクザ”の姿を、抗争という目線ではなく、家族の目線から描いた注目作。
1999年、2005年、2019年の３つの時代を軸に、変わりゆく日本社会と一人のヤクザ・山本の生き方、彼を取り巻く人々の姿を描く。
1999 年、山本賢治（綾野剛）は、バブル崩壊で職を失った元証券マンの父親を覚せい剤で失った。
母もすでに他界しており、天涯孤独となった山本は悪友の細野（市原隼人）や大原（二ノ宮隆太郎）と自暴自棄な生活を送っていた。
ある夜、山本は行きつけの焼き肉店で、柴咲組組長・柴崎博（舘ひろし）の危機を救う。
柴崎は身も心もボロボロだった山本に手を差し伸べ、父子の契りを結び、ヤクザの世界に足を踏み入れさせる。
2005 年、一本気な性格の山本は、細野や大原とヤクザの世界で男を上げつつあった。
一方で、山本は亡き父に覚せい剤を売った侠葉会に恨みをもっており、柴咲組との関係は悪化していった。
そんな中、山本はキャバクラでアルバイトをしていた由香（尾野真千子）と出会い、好意を抱く。
しかし、侠葉会との対立は激化し、山本はファミリーを守るため、ある決断をする。
2019年、仲間の罪をかぶって服役していた山本が出所した。
しかし、14年ぶりに見たのは、暴対法の施行で存続も危ぶまれるほど衰退した柴咲組の姿だった。
すでに、仲間の多くは組を抜け、苦労しながらも家庭をもち新たな暮らしを始めていた。
山本も由香と再会するが、それは残酷な結末へのカウントダウンの始まりだった。
ただ家族が欲しかった男、しかし、それを許さなかった社会。
行き場を無くしたヤクザ達は、人生をやり直す事もできないのか…。
後半のカギを握る翼（磯村勇斗）のラストのセリフ「少し話そうか」に救われたような気持になる。
義理、人情、絆で世間を渡ってきたヤクザが時代の流れの中で変容していく様を『新聞記者』でアカデミー賞優秀監督賞を受賞した藤井道人監督がスタイリッシュに描く。
従来のヤクザ映画とは一味違うテイスト。
綾野剛、舘ひろし、市原隼人、磯村勇斗の演技が光る。