気仙沼講演へ。

この日を迎えることを心から楽しみにしていた。

7年越しの計画だったから。。

 

2011年東日本大震災の年、南三陸町のホテルで子供たちに向けたお天気教室を行った。

そのあとバスで被災地を案内してくれたのが三陸新報社の玉谷誠一さん。気仙沼出身の記者である。

玉谷さんの被災地に対する懸命な想いに惹かれ、連絡を取るようになった。

翌年にはプライベートで気仙沼を訪れ、このときも被災地各地を巡ってくれた。

必ず気仙沼での講演会を実現しようと約束してから7年。

何度か実行できるタイミングはあったものの、仕事だとか出産だとかタイミングが取れずに実現できずにいた。

被災地のことを何も知らない自分がたった2度だけ顔を出して終わりなんて、すごく都合がいいようで嫌だった。

 

たいてい取材で出会った人たちとは、数年連絡を取り合っていても途絶えてしまうことが多いけれど、玉谷さんは度々私に連絡をくれた。

気仙沼のサンマがおいしい季節ですとか、新酒ができたとか、雪が降ったとか。

今年の夏にいただいた電話で講演会の話がようやく具体化し、今回に至った。

 

ほとんど玉谷さんおひとりの力で気仙沼各地を周りPRをしていただいたお蔭で100人満席となった。

当日券を求めていただいた方もいらっしゃった。

仙台や福島からの参加者もおられ、皆最後まで真剣に聴講してくださった。

感謝でいっぱいである。

 

夜は気仙沼の新鮮な魚で打ち上げ。

今年は戻りカツオの味が一際優れているらしく、その味に驚いた。

口の中で良質のカツオの脂がとろけていくかんじ。唸るおいしさだった。

新鮮な魚の揚がる海沿いであれば刺身はどこでもおいしくいただけるのだろう、と思っていたが、お店によって味は全く異なるという。

お店のご主人小野寺さんは食材や料理に対する愛情が特別強かった。

仕込み方、寝かせ方、そして、なんとしょうゆを独自にブレンドするなどして24種類も使い分けている。

魚によって、取れる季節によって、他のお料理とのバランスによって、いつも味を変えている。

刺身の味がこんなに変わるなんて本当に驚いた。

小野寺さんに料理される魚たち、本当に幸せだろうなあ。

その幸せをいただいている私たち。なんて幸せだろう。

 

 

気仙沼の皆さんには愛がある。

愛がある人の周りには愛のある人が集まってくる。

やっぱり会わないとだめだな。

いつか、今度、なんて言っていてはだめだな。

行動しないと、だめ。

 

今でも震災当時のフラッシュバックに悩む方々もおられる。

復興していない道路もある。

現地に行かないと感じられないことがいっぱいある。

 

気仙沼の皆さまに心から感謝。

また会いに行きます。