こちらは過去オフィシャルサイトにUPした記事の再掲です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親との関係が悪かったから、全てが上手くいかないと思い込むあなたへ。

いわゆる毒親という言葉が流行りだして、もう何年経つでしょうか。

この毒親の概念が出来てから、自らが育った環境で大きな割合を占めていた親子関係を改めて見直してみた方も多いかもしれませんね。

 

誰かから愛されたい時、もしくは何か問題と思えることが仕事や人間関係などで起こった時、原因を考えていくと自らを育てた親との関係に行き着くことはよくあること。

臨床心理学的にも様々な精神疾患の原因が、親子関係を含む育った環境に起因していることが多く報告されています。

なので、これを拠り所として一般的なカウンセリングでは、クライエント自身の親子関係の見直しを勧めることが、多くあります。

 

私自身、実際に両親との関係に長年悩み、この手法は実践してきたものでもあります。

ですが結論から言いますと、これは現実の親との関係を良好にしたい時にも、今後の人間関係を作る上でも、勿論恋愛においても、非常に時間がかかる上に、下手をするとマイナスになることもある解決手段であることを、まずはお伝えします。

何故、私がこんなことを書くのか、下記にまとめてみましたので、お時間があればお読みください。

 

 

  人は自分の「観測通り」に対応してくる

 

 

まず脳心理学の概念で言うと、この世の全ての人や物事は「自分の観測通り」に成り立っている、という法則があります。

あなたが見た通りに、思った通りに、相手の対応や物事の流れは成り立っています。

なので、親を「毒親」と見て、「子供時代の辛い記憶が傷になっている」とあなたが「自分の心」見る限り、現実の親はあなたにとって「毒」であり続け、「心」は傷があるままになります。(←すごく大切!)

 

特に今現在も親との関係に悩んでいて、もし関係を少しでも良好にしたい場合は、まずはこのことを覚えておいてくださいね。

また、今現在、自分が親をどう見ているか?を振り返ってみても良いかもしれません。

 

 

  臨床心理学的に見た親との関係

 

 

臨床心理学では、両親との関係をとても重要視します。

恋愛や友人などの人間関係、または鬱、パニック障害、境界性パーソナリティ、愛着障害などもそうなった原因を深く辿れば辿るほど、親から愛情を如何に受けたか、どんな養育環境であったか、に行きつきます。

 

ここをケアするために、親との関係を強制的に直視させて感情を吐き出させる心理カウンセラーもいますが、心の奥に癒されない感情(傷やトラウマと思うもの)を抱いてこれまで過ごしてきた人であればあるほど、これはとても辛く、そして時間がかかります。

何年も幼少期と向き合い続けなければならなくなり、やっと癒せたという実感が湧く頃には既に高齢になっていることも多いもの。

 

しかし、私達は今を生き、自分の人生を歩いています。

過去と向き合い続ける限り、過去の呪縛から逃れられなくなる上に、今を楽しく生きられなくなるリスクもここでは同時に発生しているのです。

 

 

  未来の幸せは、過去の延長線上にはない

 

 

・過去、辛いことがあったから現在が幸せじゃない。

・辛い恋をしたことは、原因を辿ったら親との関係にあったかもしれない。

 

もしそう思ったら、それは半分正解であり、半分間違いでもあります。

確かに、原因は過去起こった出来事、親との関係にあるでしょう。

ですが、未来の幸せは「自分が未来でどう生きたいか」「親との関係を今後どうしたいか」の意図(オーダー)をご自分が出しているか、いないか、の違いにあります。

 

 

  時間は未来から流れている

 

 

脳心理学では、時間の概念が通常とは逆で「未来から流れている」という概念を採用しています。

臨床心理学などの通常の概念では「過去から現在に流れている」と考えますが(まぁ、普通はそう思うと思いますが)、これが全く逆。

未来を「意図する」ことで、その未来から時間が流れ出します。

 

これまで親との関係に悩み、そのせいで全てが上手くいかない、恋愛も同じパターンでお別れする、などの現象が具現化していた場合は、そもそも自分の未来、そしてこれからの親との関係を「意図」(オーダー)していたことがあるかどうか?を振り返ってみましょう。

意図が出ていないところは、不安になること、辛いこと、が起きることが多くありますよ。

 

 

  インナーチャイルドワークをしたい場合

 

 

親との関係を見つめる場合、臨床心理学の現場でも、またはスピリチュアルなワークでもインナーチャイルドワークを薦めることが多くあります。

インナーチャイルドとは人それぞれ心の中に子供のままの自分がいる、という概念です。

もし、どうしても癒しきれない感情が過去の親との関係にある場合は、これも一時的には有効ではあります。

 

・親にぶつけたかった言葉を言う、書き出す

・アートセラピーでは子供の頃にしたかった遊びをセラピストや仲間に見守られている環境で実現する

 

などの手法があります。

スピリチュアル方面だとインナーチャイルドカードもありますね。

 

これらをやる上で一番大切なことは子供の頃に満たされず、そのまま今も満たされていない感情を、「満たす」ことです。

心の傷を癒すというよりは、「未消化だった感情を満たす」ことで、現在の心の声に耳を傾けられるようになることが、とても大切。

 

何回も繰り返してやるよりは、期間限定、回数限定で「これで過去の親とのことを手放す」と意図(オーダー)してからやると、効果も出やすくなりますよ。

(何回も繰り返してやると、上記にも書いてある通り、何年も過去に捉われたままになっていくことがあります)

 

 

  親との関係は変えられます

 

 

最後に、私のことをお話しますが、私は過去、父に殴られたり(かなり本気で)母はヒステリーで、虐待の相談窓口に電話でSOSを求めたこともありますし、近所から警察を呼ばれるほどの騒ぎになったこともありました。

ずっと親を許せず、臨床心理学を学びながら「私の不幸は親の教育が悪かったから」と思い続けてきました。

高名なサイコセラピスト(アメリカで博士号を取得した心理学の大学の先生)にも、親との関係を指摘されてきましたので、カウンセリングを受ける側だった時はいつも親の話をしては泣いていました。

 

ですが、アートセラピーでインナーチャイルドを「満たす」ことを覚えてから心の中にほんわかとした安心感を感じ、自分の純粋な部分を愛おしく思い始めました。

そこから更に脳心理学を学び、それを実践するようになってからは、遂に劇的に親との関係が変わりました。

今では私の一番の応援者ですし、何だか丸くて可愛くなった両親に、いつも感謝して愛を沢山感じています。

 

私の親が別人のように変わったきっかけ。

それは私が過去を見ることに「終わりが無い」ように感じ、「親とどういう関係を築きたいのか」を改めて考えたからでした。

過去にあったことに捉われたまま、親を憎み、冷たくあたり、心にしこりを抱えたまま生きたくなかった。

「精神的に自立」することで、親との関係を自立した関係に変えたかった。

ということが私を「これからの親との関係」に向かわせました。

そうすることで、過去を許すこともできるようになった自分が居ます。

 

もし、親と精神的に自立し円満な関係を築きたい、とか、どうしても親とのことで苦しい思いがあるのなら、まずは「未来」へ向かってオーダーを出してみて下さい。

そして「過去」と向き合う作業はあまりやり過ぎなくてもOKです。

 

 

 

 

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