すっかり秋となった札幌です。

昨日久しぶりに走ったら耳が冷えて痛くなったのに季節を感じました😅

雪虫も飛んでるし、初雪ももしかしたら今月中なのかもしれません。

 

 

さて、先日映画「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。

村上春樹の短編小説の映画化作品ですね。

好きな小説の実写映画はほとんど観ないのですが(たいがい期待外れなので)、今回はかなり評判が良いということもあって珍しく劇場まで足を運びました。

 

 

 

STORY

脚本家の妻の音(おと)を突然亡くした舞台俳優の家福(かふく)。

二年後、喪失感の拭いきれない彼は、演出を任された演劇祭に愛車で向かった先で、専属ドライバーのみさきに出会った。

口数の少ない彼女が運転する愛車で過ごす時間の中で、家福は妻の残した秘密に向き合っていく。

 

 

原作は「女のいない男たち」という短編連作の一作目、「ドライブ・マイ・カー」より。

昨今の村上作品は積極的に読んでいないので、映画を観る前にまず本を買いました。

「女のいない男たち」というテーマに基づいて6つの短編が収録されているこの本、かなり面白かったです!

 

 

 

 

村上春樹作品が特に好きだったのは「ノルウェイの森」以前までだったのですが、それは現実世界の話より、異世界と共存してる世界の話の方が村上春樹らしく感じていたからだったと思います(極めて個人的に)

今回の短編集は現実世界の話なのですが、さすがに村上春樹だなあと思う不思議なエピソードと深い喪失感の表現がものすごく良かったです✨

(「木野」だけは境界線のお話ですが)

 

 

さて、それで映画の方はというと・・・

村上春樹の短編の実写化、という観点から言えば「村上作品であって村上作品ではない」という感想です。

50ページほどの短編を179分の長編映画にするのだから仕方のないところなのだけど、登場人物の設定を生かして様々なエピソードを盛り込み芸術的な作品に仕上げたという感じ。

原作はあくまでも土台、Based onでありました。(これは映画のテロップにもありましたけどね)

 

 

ネタバレになりますが、映画と小説の違いを少し。(原作視点で)

  • 黄色のサーブ900コンバーティブルが赤いサーブ900ターボのサンルーフに変わっている。
  • 家福と妻の音は演出作家や脚本家ではなく、ただの俳優。ベッドで物語を着想して脚本を書くという設定もない。
  • 「ヴァーニャ伯父さん」はあくまでも家福の俳優の舞台であって、演出作品ではない。故に多言語劇を上演する広島の演劇祭の場面も全くない。なので高槻は「ヴァーニャ伯父さん」には全く関わっていない。
  • 音の死因は子宮癌でくも膜下出血ではない。しかるべき入院生活を経て亡くなっている。(高槻は面会を断られていた)
  • みさきの母の死は飲酒運転が原因であり、みさきは関わっていない。
  • 家福とみさきが北海道までドライブする場面はない。
  • 高槻に近づいたのは家福の方で、ある思惑を持ってである。
  • みさきは車を引き継いではいない。(映画の最後にはそれっぽいシーンあり)
  • 表記が原作では「ヴァーニャ伯父さん」映画では「ワーニャ伯父さん」(このブログでは原作を尊重して「ヴァーニャ伯父さん」表記としてます)

 

さらに「ヤツメウナギ」「空き巣」のくだりのお話は、短編集「女のいない男たち」の「シェラザード」に出てくる設定だし(こちらではことの後に女が話をする形)、帰ってきたら妻と男が最中だったというのは「木野」の過去のシーンに登場します。「正しく傷ついてこなかった」のくだりも「木野」のラストから。

同じテーマであることもあって話を融合させたということらしいです。

 

 

音のベッドでの物語はあり得ない設定な上(交霊っぽい)にけっこう怖い後日談まで語られていてちょっと違和感がありました。

とはいえ音の心情を語る上でのことだと思うので仕方ないかなとは思いますが・・

要するに、一部設定の他はまったく別のお話でありました😅

 

 

だからと言って全然ダメだったということではありません。

映画的にはかなり優れた芸術作品でした。

なんせ179分、約3時間、時間の長さを全く感じさせず物語に没頭できたのですから。

赤いサーブがあらゆる道路を走っていく映像がとても印象的でした。

 

 

キャストも非常に適切だったと思います。

特にみさき役の三浦透子さん、無表情な人物ながらふっと見せる感情の動きが素晴らしかった!犬の扱いとかもね、すごく良かったですね✨

ちょっと不思議な存在感のある方で実は音楽活動もされてるそうです。

「天気の子」の歌(グランドエスケープ)も歌ってるって聞いてびっくり!!

ものすごく印象に残ったのでこれからの活躍も追ってみたい。

 

 

みさきが運転するだけの動画なのに引き込まれてずっと観てしまう。音楽も美しい。

 

 

岡田将生さんも見え隠れする狂気の見せ方が良かったし、ラストの車での語りは本当に素晴らしかったです。(あの目が忘れられない・・・)

西島秀俊さん、霧島れいかさんも作品から出てきたような感じでしたし。

劇中劇「ヴァーニャ伯父さん」のキャスト、関係者の方々も良かったんですよね。

特にソーニャを演じるユナ役のパク・ユリムさんの透明感、手話から伝わる感情が沁みてくるようで・・・そしてとても美しい方でした。

 

 

濱口竜介監督の作品は今回が初めてでしたが、「音」にこだわりを感じました。

繰り返されるテープや読み合わせ稽古の抑揚のない声、北海道に着くとふっと消える背景の音、全編を通して流れるベートーベンの音楽。

そして演劇「ヴァーニャ伯父さん」のラストシーン。

ソーニャがヴァーニャに静かに手話で語りかけるシーンはもちろん無音。

なのにそこに溢れる情感と説得力は凄まじく、圧倒されました。

 

 

圧倒的な静けさの中で語られるソーニャの無音のことば。唯一無二の非常に美しいシーン。

 

 

また特筆すべきは「ヴァーニャ伯父さん」の話・台詞と本編の物語が密接にリンクしているということです。

車のカセットテープから流れる音の音声で語られる台詞や稽古で演じられるシーン、セリフなど全てがシンクロするように作られているんですね。

家福はヴァーニャ伯父さんに、みさきはソーニャと重ねて描かれています。

劇中で家福がヴァーニャ役を高槻に配役するのは、自分と同じ苦しみを高槻に与えたかったからではないかと思います。(原作でいう懲らしめるってやつ)

 

 

 

「ヴァーニャ伯父さん」が多言語劇となっているのも、映画に良いアクセントを与えていたのではないでしょうか。

どういう作りになっているのか最後までわからなかったんですけど、どうやら舞台の後ろに大きなスクリーンがあって台詞の各種言語のテロップが表示されていたみたいです。

なかなか面白い試みなので実際にあったら観てみたいなと思いました😊

 

 

村上春樹ならこんなにエモーショナルに書かなかっただろうと思いますが、観る者の心の奥底を揺さぶるような静かで激しい映画でありました。

とはいえ村上春樹の持つ淡々とした静けさのトーンは見事に再現されていたと思います。

ラストがなぜ韓国だったのかはいささか疑問ですが・・・(犬は可愛かったけど)

残念ながら札幌ではスガイでしかやっておらず、非常に小さな席数の少ないスクリーンで落ち着かなかったので、いずれまたゆっくり堪能したいです😅

 

 

深い喪失と絶望のトーンが作品を静かに包む。何度でも観たい不思議な美しさを持った秀作。

 

 

しかし村上春樹作品って映画化が少ないんですよね。

長編小説は「ノルウェイの森」くらいであとは短編小説の映画化ばかりなんです。

「トニー滝谷」「ハナレイ・ベイ」、海外ものは「バーニング」「神の子供たちはみな踊る」、かなり古い作品では「風の歌を聴け」(なんと小林薫主演!)「100%の女の子/パン屋再襲撃」といった感じ。

 

 

「トニー滝谷」はなかなか良かったです。

「パン屋再襲撃」は村上春樹の短編の中でもダントツに好きな話なのですが、1982年に映像化した作品では原作の不思議なユーモアやテンポが見事に台無しになっていて(笑)これはぜひ再映像化していただきたい作品です😆

 

 

 

イッセー尾形&宮沢りえで映像化された「トニー滝谷」。西島秀俊さんも語りで出演されてます。

 

 

それにしても絶対に映画化して欲しい「羊をめぐる冒険」や「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」はなかなかならないですね〜😅

村上先生の許可が下りないのだろうか。

確かに映像化は難しそうだけど、「羊を〜」はギリ実写で、「世界の〜」はアニメーションでいける気はするんですけど。

 

 

そういえば、みさきの出身は北海道の上十二滝村なのですが、これ「羊をめぐる冒険」に出てくる十二滝町を意識してると思われます。

本来は実在の地名で書かれたようですが、クレームが来て変更されたみたいですね。

ファンとしては上十二滝村の方がロマンがあっていいなあ✨✨

 

 

村上春樹先生は早稲田大学の国際文学館(村上春樹ライブラリー)が設立されたことや、ノーベル文学賞の有力候補だったこともあり(残念な結果でしたが)ふたたび注目を集めてますね。

いろいろ落ちついたら絶対に村上ライブラリーに行ってみたい!!

個人的には再現された書斎とオーディオコーナーが気になります😊

 

 

想像力をかき立てるデザイン。村上ファンならぜひ一度は訪れたい新たな名所。羊男がいたよ!

 

 

BRUTUSも2刊に渡り「村上春樹特集」を発行してますし、TOKYO FMでも特集が組まれ、「村上ラジオ」が一挙放送になってるほかグッズの販売もあるそうです!😆

村上先生の声や喋り方はかなり独特であまり得意ではないけれど笑、音楽の知識はすごいですよね✨✨

 

 

フジモトマサルさんのイラストがついたグッズやCOEDOビールが発売予定です!

早速COEDOビールは予約しちゃいました〜🙌

 

 

ゴールデンエールの「風歌-Kazeuta」はもちろんデビュー作「風の歌を聴け」のタイトルから、ポーターの「闇黒-Yamikuro」は「世界の終りとハードボーイルド・ワンダーランド」に登場する魔物の名前からつけられてます。

この最高のネーミングの上、フジモトマサルさんのイラストがラベルになっているという素晴らしさよ!!

 

 

COEDOはもともとの瓶もオシャレなので飲み終わった後も飾っておけるというすぐれものなのです✨✨

現在予約受付中で22日から順次発送予定だそうですッ😆

 

 

BRUTUSはもともと大好きな雑誌なので(毎回隅から隅まで手抜きがないのが凄い)もちろん購入しました!

後編も発売になったから明日買いに行こう😆

BRUTUS webで特集している「村上春樹のアートコレクション」も面白かったです✨

映画も気になったらぜひ観てみてください✨✨

原作もオススメです!

 

 

映画のパンフ、BRUTUS村上春樹特集上と短編集「女のいない男たち」、どれも読み応えありです!

朝晩冷え込む札幌ですが、ここ最近冬の訪れの予告的な雪虫が飛びはじめております。早い!!

ちょっと前まで猛暑だったというのになんだか今年は極端だなあ・・・

なのに昨日は妙に暑かったので日中は窓を開け放して掃除、煉獄さんたちフィギュア陣も埃を落としてちょっと風に当ててみました😊

 

 

青空をバックに勢揃い。爽やかすぎる炎柱🔥煉獄杏寿郎様たちご一行✨

 

 

そしていよいよ始まりました、「テレビアニメ版 無限列車編」完全新作の第一話!😆

テレビを前に5分前から緊張しながら待ってるとか、普段ありえないことなんですが、今回はやっちゃいました🤣

いやしかし、期待どおりの、いや期待以上の作品でもう感無量ですッ!!

 

 

もう煉獄さんという人の魅力の全てをつめこんだかのようなサービス回でしたね〜✨✨

お約束の「うまい!」も何度も出てきたし、作画も相変わらず素晴らしく、人格者なところもズレてるところも闘う強き姿も、全部この1話の中にぎゅっと詰まってました!

雑魚鬼がちょっと猗窩座くんの刺青を思わせるビジュアルだったのは、伏線みたいなものだったのかな?

ラストでは伊之助たちや魘夢の手下の子供たちも出てきて、いよいよ本編に繋がっていくという演出も良かったですね。

 

 

もうテレビ版のDVDの発売告知がされているとは!しかしこの1話だけでも買う価値アリですッ🔥

 

 

しかしなんといっても「あんパンを顔に投げつけられる煉獄さん」につきます🤣

あれ、サービスショットみたいな感じですよね?そう思ったの私だけ?笑

「そんなにぶるぶるしていたら大事なあんパンを落としてしまうぞ!」とかね、台詞さえももう狙ってますよね?🤣🤣🤣

「ぶるぶる」とかもう可愛すぎます、煉獄さんたら・・・🤣

 

 

第一話の最大の見せ場(?)「兄貴とあんパン」シーン🤣この後美味しくいただいておりました😂

 

 

煉獄さんのことを鎹烏が「杏寿郎様」、鬼殺隊の若者が「炎柱」と呼んでいたのも興味深かったです。

柱や炭治郎たちは「煉獄」「煉獄さん」と名字呼びだったので新鮮でした。

逆に煉獄さんはおばあちゃんのことを「ご婦人」、蕎麦屋のご主人のことを「親父さん」と呼んでいてここにも人格が出てるなあと。

鬼殺隊の若者は「おやっさん」と呼んでましたよね。

どこか礼儀正しいというか、相手を尊重してる感じが煉獄の兄貴らしい!😆

 

 

あと、慎寿郎さんとの対比を描いたシーンが素晴らしかった!

今や炎柱の名前を捨ててしまった父と全く同じ仕草で日輪刀をしまう煉獄さん。

炎の呼吸の技は独学で会得したけれど、父の所作は子供時代に見て覚え身についていたということが描かれます。(それだけ父を見ていたということ)

親子というもののつながりの強さ、血の濃さがこの短いシーンで見事に表現されていて感無量でした。

「必ず父に伝えます」と言ったその言葉が悲しかったけど・・・

 

 

予告編ではなんと!煉獄さんが他の柱にどう思われているかというファンブックに載っていた内容がアニメ化されていました!

テレビの方ではカットされてましたが、Amazonプライムではフルで放送してましたね〜(実はテレビ見た後すぐ見たのです😉✨)

これまた嬉しいおまけでしたッ!!

 

 

柱たちだけでなく蕎麦屋の親父さんにも好感を持たれる大人気の炎柱🔥なんたって気前がいいぜ!

 

 

そして巷ではテレビアニメスタートにともない、タイアップの鬼滅コラボ品が続々と出ているようです。

ウエハースとかお菓子ものの他にも烏龍茶とかも出てました。

そしてなんたって日清さんのコラボがスゴいッ😆

 

 

 

何がスゴいって、猗窩座くんがパッケージになってるじゃあないですかッ!!

映画版の方ではネタバレを避けて公開後半になってから顔出し解禁になってたっていうのに、今回はもう最初っから満面の笑みで登場で笑う🤣

そして、なぜか「⭐️日清焼きそば⭐️UFO」なんですよね😂

いや、もちろん「ufotable」の「UFO🛸」にかけてるんでしょうけど、なんかシュールでしょ?🤣

 

 

しかもこの異星人感もスゴい🤣🤣🤣

今まで気づかなかったけど、猗窩座って他のキャラに比べて断然スタイリッシュというか異質ですよね〜

そしてね、このパッケージのコピーがね・・・

 

 
 
練り上げられている 至高の領域に近い!
 
 
なのであります〜🤣
もうとことんギャグテイストで面白すぎるのですッ!!
ちなみに煉獄さんは炎ぷらそば(天ぷらそば)、炭治郎はきめつうどん(きつねうどん)となっていて、名前からわかるように細かいとこまで練り上げられております🤣
そしてちゃんと煉獄さんの後ろには食べた後の容器がごっそり積まれているし、炭治郎の後ろには鱗滝さんの羽織の瑞雲柄が描かれてるし、ほんっと芸が細かい・・・
日清ってスゴいなあ!!
 
 

このインパクトよ!🤣コンビニにはなくて近所のスーパーでワゴン売りしてました✨

 
 
いやあほんと、こういうとこ鬼滅ってジョジョに近いなって思いますね〜🤣

これね、ジョジョだったらおそらく

 

サムネイル

食えばよかろうなのだァァァァッ!!
(by  第2部 カーズ様)

 

みたいな感じになるんですよ🤣いいですねえ〜笑

なんていうか台詞が独特でインパクトが強いんですよ。

真似して「ごっこ」やりたくなる感じっていうか😂

これって呪術廻戦とかにはないんですよね。

特に煉獄さんは独特の極み(笑)なので「よもや」とか「うまい!」だけで通用しちゃうっていうかね🤣

ワニ先生も荒木先生もやっぱり言語感覚スゴいんだなあ〜と改めて思いますね✨

 

 

そして、第一話の冒頭で煉獄さんが蕎麦を食べていて、親父さんがサービスでかき揚げを出してくれるってのもこの「炎ぷらそば」つながりですよね。

炭治郎も浅草編で屋台でうどんを食べていたので「きめつうどん」(実際は山かけうどんでしたが)。

ということは、猗窩座くんもどっかで焼きそば食べるのか・・・?笑

そんな新カットが追加されてたら面白いのに!!🤣

 

 

一週間なんてあっという間!

これからは毎週鬼滅が見られるのが嬉しい〜✨✨✨

無限列車編が終わったらすぐに遊郭編が始まるし、ジョジョ6部も12月にはスタートするし、日々の癒しがあるって素晴らしいですね😆

まあこれから無限列車編はどんどん不穏になりますが・・・😱

しばらくは毎週杏寿郎さんに会えるのでまあいっか!

 

 

しかし改めてテレビアニメ見ると、やっぱり煉獄さんって人外っぽいなと。

そして最近のタケウチリョースケ様の煉獄の兄貴がカッコ良すぎてヤバイので、新作貼っておきます💖😍

 

 

 

 

民法のテレビはCM入るから好きじゃないのですが、鬼滅に至ってはほとんどが鬼滅関連のCMなので逆に楽しくて良きですね✨

auの「意識高すぎ!高杉君」シリーズの中川大志さんが、イケメンなのに理性捨てきっちゃってるのサイコーです😆

NHKの「LIFE!」で鍛えられたんだなあ〜素晴らしい!

そして霹靂一閃の構えも良き!!

 

 

auじゃないからできないけど鬼滅ごっこ(=鍛錬)楽しそう〜😆神木君の声、炭治郎に似てる!!

まさかの連投です!なんとこの私が!🤣

2連休ということもあり、やっと借りた「BLUE GIANT」シリーズ、新旧含め全24巻を読破して興奮覚めやらず、間髪置かず書いておこうと思った次第です。

 

 

いやあ、煉獄さんじゃあないですが燃えましたよ、心が🔥

実は先月、「BLUE GIANT」シリーズの第2部「BLUE GIANT SUPURIME」が完結した上に、第3部となる「BLUE GIANT EXPLORER」が始まっていたことを知り、慌ててネカフェに読みに行ったんですよね。

なんですが、ああいうところって時間を気にしちゃって堪能しきれない部分があって、どうも消化不良気味でもう一度読み直したかったのです。

 

 

少年だった高校時代から青年時代へと続く、サックスを手に世界一を目指す宮本大の物語。

 

 

BLUE GIANT」とは石塚真一先生によるジャズ漫画です。

高校時代を描く「BLUE GIANT(通称 無印)」

卒業後ヨーロッパへ旅立つ「BLUE GIANT SUPREME」、そしてジャズ本拠地アメリカへと乗り込む「BLUE GIANT EXPLORER」の三部構成(現時点では)になってます。



石塚先生といえば「」でも有名でそちらを読んだことのある方も多いのではないでしょうか(実写版は・・・ノーコメント😅)

石塚先生は実際趣味でサックスを吹かれるそうですし、アメリカに留学されてたこともあり、いろいろと表現がリアルです。

 

 

山岳救助を通して山の厳しさ、人命の尊さ、儚さを描く「岳」。最終回はいまだに意見が分かれる。

 

 

第1部(無印)では仙台の高校生宮本大(ダイ)がジャズに打たれ、テナーサックスを日々練習し、世界一のプレーヤーを目指すという大きな目標に向かって成長する姿が描かれます。

3年間毎日河原やトンネルで吹き続け、いろんな人と出会い、繋がり、仲間とともにジャズを磨いてゆく。

そしてJAZZクラブ「SO BLUE(おそらくBLUE NOTEがモデル)」出演を目標に定めるが・・・というお話。

 

 

ラストに賛否両論あるようですが、個人的にはああいうことは人生において「起こりうること」だと思ってます。(ネタバレしません!)

そこでどう動くか、それがそれからの全てを決めていくんだと思います。

最終巻だったこともあり、ショックを受けた方も多かったようですが、だからこその彼らの新たな人生が始まるんですよね。

後出する坪井洋さんのYouTubeでもこれについて語られているので興味のある方はぜひ見てみてください。(BLUE GIANT完結巻の回

 

 

「世界一のJAZZプレイヤーに俺はなる」JAZZとの出会いが主人公大の道を大きく開いていく前半。

 

雪祈と玉田とバンド「JASS」として「SO BLUE」出演を目指す後半。玉田の努力がすごい!

 

 

そして第2部「BLUE GIANT SUPREME」(ヨーロッパ編)

この「SUPREME」はジョン・コルトレーンの「A LOVE SUPREME(至上の愛)」からつけられたのかなあとも思います。

高校卒業後、日本からドイツへ飛び出した大の物語。

初めて降り立つ異国の地でサックスを相棒に、新たな仲間と音を求めていくさまが描かれます。

 

 

人種や国境の壁を超え、JAZZという音で繋がり広がっていく第2部ヨーロッパ編。

 

 

私は特にこのヨーロッパ編が好きなんです。

国も考え方も違う人間同士が音を通じて少しずつ分かり合っていくところや、いろんな国、いろんな場所にいる人々が実に丁寧に描かれているところ。

石塚先生は今までにたくさんの人と出逢い、それをとても大切にしてきた方なんだと思います。

ほんの少ししか出てこない人々の描き方が非常に美しい✨

最終巻のラストを飾ったのがあの少年だったのが本当に嬉しかった!

 

 

そして現在連載中の「BLUE GIANT EXPLORER」(アメリカ編)

こちらはいよいよジャズの本場、アメリカ🇺🇸に渡ります。

本拠地東海岸からではなく、西の果てシアトルからスタートするのが面白い。

ヨーロッパ編と違うのは『通用するかどうか』

演奏の上手いミュージシャンならゴロゴロいるアメリカでどう頭角を現していけるのかがキーとなる。

 

 

1巻の冒頭の玉田との会話で、あの雪祈が作曲を学ぶために既にアメリカに来ているのが明かされたのも楽しみのひとつ✨✨

いつ再会するのだろう、出会ったら雪祈の曲を吹くのかなとか今から展開が待ちきれません!!

 

 

広大な大国アメリカで、あらゆる土地の音に触れながら成長し進む宮本大の物語第3部。
 
 
この作品、以前SUPREMEの途中まで読んでいたんですが、ものすごく多幸感がある一方で、こんなにうまくいくのは漫画だからだ、とシビアに思う部分も実はありました。
でも久しぶりに読んでみて改めて思ったのは「宮本大という人間だったからこうなったんだな」ということ。
ここまでメンタル強靭な人がどこまでいるのかはさておき(笑)やはり思考と行動に尽きる、ということかなと。
 
 
出来た人間というわけではないし(ハンナ曰くSELFISH(自己中心的))、ストレートすぎるきらいはあるし、融通がきかなかったりもするのだけど、何しろ自分と自分の音を信じて1ミリも疑わない。
世界一になるのは「夢」ではなく「目標」、しかし自分でもなぜなりたいのかわからない。
それでもブレずに進んでいく強さが磁石のように人を惹きつけ、必要な場所へ導くんだと思う。
 
 
EXPLORERの1シーンで、コーヒーショップで働くシェリルが、世界一になぜなりたいか自分でもわからないと言う大にかける言葉がとても好きです✨
 
 

好きこそものの上手なれって何ごとにも原点であると思う。JAZZでもコーヒーでも本当に。

 

 

そして金銭のことや楽器のこと、交渉などビジネスのことについてもリアルに描かれてるなんだな、と言うこと。

こちらはジャズドラマー坪井洋さんがご自身のバンドのYouTubeで「BLUE GIANT」を実際読んだ感想を語っていて知りました。

坪井さんもヨーロッパに住んでいたことがあるらしく、ルームシェアの実情やJAZZのことなど詳しく語ってくれる上に面白いのでぜひ読みながらあわせて見てみることをオススメしますッ!(ネタバレありですが)

 

 

ちょっと片桐仁さん(大好き💖)を思わせる個性強めのカワイイ坪井洋さんの独断レビューが面白い!

 

 

このシリーズ、現在SUPREMEの3、4巻まで進んでて、これからも続くようです😊

ちなみに坪井さんの現在属するパノラボとラボラトリーというバンドは、ジャズではなく実験的ポップスユニットです。

 

 

さて、「本から音が聴こえる」というレビューの多い「BLUE GIANT」ですが、以前読んだときは「音が聴こえそうな気はするけどはっきり聴こえない。でも音圧は感じる」というのが正直な感想でした。

その理由が最近わかったんですけど、実は私は金管楽器よりピアノトリオとかの方が好きなのであまりサックスやトランペットの金管系は聴いてこなかったんですよね。

ビル・エヴァンスを敬愛しているので彼の参加したマイルス・デイビスの「カインドオブブルー」とかは何度も聴いたんですけど😅

 

 

 

そういうわけで雪祈(ユキノリ)やブルーノのピアノやハンナのベース、玉田やラファのドラムが聴こえても肝心の大の音が来ないんです。

なので今回はジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズを筆頭にサックスやトランペット系のJAZZアルバムを片っ端から聴いてみました!

じっくり聴いて体に音を染み込ませると読んだ時の感覚が全然違うんですよね。

うん、大のサックスがちゃんと聴こえてくる!!

 

 

コルトレーンはなぜか「難解なJAZZ」という認識だったのですが(ジャケ写のせいかも?)、今や音色がとにかく好きで「ブルートレイン」はもう何回聴いたかわかりません。

YouTubeで名盤や実際の演奏を見られる時代で本当に良かったなあ!!

しかもその演奏時のメンバーで、このピアノ好きだなとか、ベースがいいな、とか他のアーティストを知っていくこともできるんですよね。

 

 

 

 

こういう感じでJAZZを好きになっていくのは楽しいので、オシャレBGMだと思って敬遠していた方はぜひトライしてみてほしいです😊

実際にJAZZを体感した後に読むとガラッと印象が変わると思います!

 

 

あと、特筆すべきは石塚先生の言語感覚と表現の素晴らしさでしょうか。

「BLUE GIANT」シリーズは考察の必要がないほどシンプルでストレートです。

そしてセリフにも余計な形容詞はない、非常にストレートで言葉が強い。

でも選ぶ言葉の力がものすごいので読者の心にまっすぐ入ってくるのです。

この感じ、ブルーハーツとかRCサクセションみたい。

難しい表現も比喩もないけれど、簡単な言葉で圧倒的に伝わる感じ。

 

 

一番響いた大の強いセリフ。そのまま自分に言いきかせたい。(なので画像サイズがデカい😆)

 

 

そしてセリフのないままのシーンの見せ方とか本当圧巻です!

特にライブのシーンなんて紙面から飛び出す音を五感で受け止めるような・・・

DON'T THINK, FEEL(考えるな、感じろ)」、そんな感じ。

漫画なのだけど、スパイシーなJAZZのLIVEアルバムのようです。

 

 

まだまだ物語の先は長いけど、ぜひ一度は手に取っていただきたい!

電子も良いけどこれは絶対に紙の本の方が迫力が伝わってくるのでオススメです✨

そしてJAZZという自由でHOTな新しい音の世界の扉を開けてほしいです😊

 

 

とにかく名言、名シーンの宝庫の「BLUE GIANT」シリーズ。

自分に響く言葉や場面がたくさんあります。

私はSUPREMEの中のクリスが言う「世界はこうやって回さなきゃ」のとこと、フェスに来た水を買ってきてくれた子供との再会シーン(ここのブルーノがまたいい😭)かな。

師匠とか玉田とか雪祈とか他にもたくさんあるけれど書ききれないッ😆

 

 

大を部屋に招き、ライブを手配してくれたクリス。彼に取ってそれは「普通のこと」だった。素敵!
 
大が河原で練習中に出会った少年との再会シーン。ブルーノの子供時代が報われる瞬間。

 

 

大が出す圧倒的なサックスの音はおそらく表現出来ないから、アニメも実写もないと思いますがそれが一番良いですね。

そしてジャズがもっといろんな人に聴かれるようになるといいな😊

ちなみにEXPLORERの4巻は10月29日発売らしいです✨

 

😁もろもろ詳しくは公式サイトをご覧ください😁

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