企業組織のデザインについて本を書こうと思って構想を描いているのですが、企業組織を「社会システム」とみるなら、その本質とは次の4つではないかと思いました。
一つ目は、組織の構成要素は相互に関係しあい、あるいは依存しあい、それによって構成要素間の因果関係に循環的な波及があるということです。たとえば、組織を人の集まりと考えるなら、誰でもいいから一人、こうだと決められる人がいないと、いつまでたっても人はお互いに頼るばかりで何も決められず、何も進まないということがよくあります。
二つ目は、組織のそれぞれの機能が全体としてのシステム、つまり、企業体に貢献しているということです。裏を返せば、それぞれの機能がもれなく、全体に貢献するような状況をもたらすことが組織のシステム全体としての機能を最も効果的にするということです。たとえば、一人一人が自分の役割について責任を持ち、リーダーシップを取るなら、最も効果的な組織になるはずです。
三つ目は、システムとしての組織は環境に対して適応し、組織内の恒常性を維持するためのしくみを持っているということです。たとえば、組織の一人一人が自らの所属する企業に愛着をもち、その企業の一員であることに誇りを持つことによって企業としてのアイデンティティが強固になります。企業組織というシステムへの所属意識そのものが組織を維持・発展するためのしくみを構築・発展させることにつながります。
四つ目は、自己組織化ということです。本来持っている可能性を引き出し、内からのエネルギーで絶えず変革を遂げることこそ生きる力への意思であり、自己実現へと通じるものだとするならば、そのような人の集まりである組織は、本来、創造的なゆらぎを受け入れ、自己変革するだけの能力をもっているはずだということです。もちろんそれが可能となるためには、高付加価値の創造に向けた支援のしくみが必要となると思います。