孫氏が取り入れているということで、ランチェスター戦略が見直されているという記事がマスコミで流されている。これは明らかに間違いだ。なぜなら、ランチェスター戦略は日本企業の販売・マーケティングの分野ではすでに確立されたものとなっているからである。特に企業再生の現場では必須の理論といっていい。一言で言うなら、ランチェスター戦略とはそれほどパワフルだということである。だから、いまさら、見直されているという表現はおかしい。ただ、マスコミは経営とか戦略については素人なのだから無理もない。



問題は日本の学会だ。ランチェスター法則はオペレーション・リサーチの分野で科学的に開発され、田岡氏によって広められた実践的な法則であるにもかかわらず、日本の経営学の学者でランチェスター法則をキチンと研究している人がほとんどいないということだ。日本企業の大多数を占める中小・中堅企業で幅広く活用されている科学でありながら、誰も研究していないということは、日本の経営学者は誰ひとりとして日本企業の経営の実態を知らないのではないかと危惧される。



しかし、それもやむを得ないのかもしれない。少し前のことだが、日本を代表する大学の経営戦略を担当する教授と話す機会があった。日本の企業は閉鎖的で、一般的には1回2時間程度のインタビューをせいぜい2回程度が限度だとのことだった。それに、欧米のビジネススクールで次々と展開されてくる理論を日本に紹介・導入したほうが周囲に受けるし、面白いからだろう。



では、事業計画書、ビジネスプランの書き方をうたうビジネス書はどうか。私の知る限りランチェスター法則を本格的に取り入れた事業計画の書き方に関する書籍はほとんど見当たらない。事業計画の書き方を書いている経営コンサルタント諸氏は、戦略立案で本当に成果を生みだせているのだろうか。


「ランチェスター法則入門」が昭和52年に出版されてから今日までずっと版を重ねてきたことからも、ランチェスター法則が広くビジネス界で羅針盤として使われてきたかをうかがい知ることができる。混迷を極める今日、ランチェスター法則とその活用方法(戦略)の習得は経営者にとって必須事項だと考える。


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エグゼクティブサーチ(経営幹部をヘッドハントする会社)では、45歳になると、データベースに乗っている優秀なマネジャーに関する情報を原則として削除すると聞いたことがある。これは男性ホルモンと関係している。つまり、45歳を過ぎると、テストステロンの分泌量が目に見えて減少するからだ。


ハーバード大学の教授でコンピテンシーを開発したマクレランド博士はモチベーションの研究者としても有名だが、彼は晩年、モチベーション、特に、達成動機のベースは男性ホルモンであることを突き止めている。


このことをある研修会社の社長と話した時、彼は、うーん、なるほど、それは実感としてよくわかるなあ、としきりに感心していた。鬱な気分とか、気力が落ちたり、疲れやすい等の症状は、いわゆる男性更年期障害であることが多い。


欧米の優良企業のCEOはたいてい45歳前後までになっているが、これも、人間の生理的状況を踏まえた合理的な判断だと言える。世界の多国籍企業と戦っていくためには、日本企業の経営幹部のサクセッションマネジメントも真剣に考える時期が来ていると言えるだろう。


ということで、経営幹部としては、来りくる、あるいはすでにやってきている、このミッドライフ・クライシスへの対策が必要となるわけだ。あなたはどうだろうか。


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最近、経営幹部のアセスメントの依頼を受けることが多くなった。顧客企業としては、ワークショップの中で幹部候補生の言動をコンサルタントにレポートしてもらっていたのだが、それだと印象でしかない。アセスメントは昇進に繋がるため、本人に納得してもらえるだけの説明力が欲しいということなのだ。


この場合、行動特性インタビュー(BEI)を行って、本人の持つコンピテンシーの種類とレベルを分析するという方法が最もコストパフォーマンスがよい。アセスメントセンター方式の場合でも、本人の業績との相関関係がせいぜい0.65であるのに対し、BEIはわずか2時間程度で0.6程度の相関をもたらすものだからだ。


ところで、幹部候補生のインタビューが100人を超えるころになると、いわゆる経営者の器とは、本人が自分の役割ないし責任をどれくらい真剣に考えているかということではないかと思うようになった。


理論上、ざっくり言うなら、達成動機とパワー動機が一定レベル以上にあることなのだが、これはあくまで本人中心の見方でしかない。しかし、大きなことを達成するには、部下だけでなく、関係者の支援をいかに取りつけられるかが重要である。それはやはり、彼についていきたい、あるいは彼を支援したいと思わせるような資質を本人が持ち合わしていることなのだ。この点が、センター方式やBEIによるアセスメントと本人の業績への相関関係が0.65どまりである所以なのではないか。


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「残念な人の思考法」という新書がよく売れているというので買ってみた。著者は情報システムも作れる経営コンサルタントらしく、視点が業務のきめ細かい部分にまで及んでいるのでなかなかおもしろい。その1章は、残念な人はつくられる、となっているが、そこを読んで、ああやっぱりね、と思ったことがある。


私が大学生のころは、外資系の経営コンサルティング会社というといぶかしげな顔をする人も多かったが、今や日本企業も外資系コンサルティングファームに大枚払って仕事を頼むのが当たり前のような状況になってきている。何が言いたいか、というと、日本企業の中にはコンサル依存体質になっている企業が結構出てきているのではないかということである。


先日、ある日本のメーカーに最近転職したN氏と久しぶりに会った。其の会社はかなり古くから外資系コンサルをずっと使ってきていた。かれこれ7年前ほど、其の会社を訪ねたときは、「いやあ、うちはずっと○○さんを使っていますから、」といって丁寧に断られたのだが、その際、感じたことは、どうもこの会社さんはコンサルファームにべったりのようだな、自分たちで会社の方針を真剣に考えているのだろうか、と思ったのだ。そして、N氏の話では、其の会社には、今度は別の外資系コンサルがずっと入っているらしい。N氏がいうには、これまで長い間ずっとコンサルが入っているせいかその会社は慣れっこになってしまい、コンサルのアウトプットに従うのが当たり前のような感じだそうだ。技術者中心の会社故か、戦略とかマーケティングとなるとどうも気後れしてしまうのか、会社として外界との関係が閉じているような組織になっているということだった。


 つまり、「残念な人の思考法」の言葉を借りるなら、「儲ける仕組み自体を管理する少数の人間」≒「設ける仕組みを創る人間」と、「設ける仕組みのスペックに沿った製品サービスを作るだけの人間」に二層化しているようなのだ。そして、ここで問題なのは、「設ける仕組みを創る人間」が外注の外資系コンサルの役割となっていることだ。となるとこの会社はどうなるだろうか、そう、自ら儲ける仕組みを創ることができなくなってしまいかねないということである。経営トップはコンサルタントの使い方をよく考えるべきだろう。


もちろん、コンサルタントの使い方の上手い経営者もいる。


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昨日は、戦略的発想の強化という研修の準備ということで滝本氏と打ち合わせをした。滝本氏は、私の最も信頼するパートナーの一人で、外資系コンサルティングファームの取締役からカード会社の社長を務め、現在は、エグゼクティブコンサルタントとして私の会社を支援してくれている。


MECEが切り口を作るための考え方だとすれば、フレームチェンジとは、モノの見方考え方のバラエティといっていい。リフレーミングのやり方ということだ。人のコミュニケーションを観察して得られたものを整理したものだから、ある意味では物事の見方をMECEに分けたものといっていいと思う。トータルで8つのタイプで26種類。要するに、物事の見方には26種類はあるということだ。


たとえば、良く使われている、チャンクダウン、つまり、具体的に言うと?というのは解体フレーミングと呼ばれる。具体的に考えてみると、自分が思っていたこと、信念の論理的な欠陥があきらかになったりする。


フレームチェンジを一通りマスターしておくとすごく便利だ。物事を少なくとも26通りの観点から考えられるわけで、これに加えて、MECEによって作った切り口毎に考えればかなり多くの観点から物事を考えられるようになる。思考の自由度が飛躍的に増大する。副産物として、人が言っていることに腹が立ったりしなくなってくるということもある。


昨日は、アイデンティティ・フレーミングをやって、ショックだった。私は・・・です。ということなのだが、アイデンティティは思考、感情、行動すべてに影響力をもつ。私は経営コンサルタントだと思っていると、自分の会社の経営がおろそかになりかねないわけだ。そして、どうしても一人で仕事をしがちになる。それが、コンサルティングファームの社長だというアイデンティティに切り替えるなら、まずは売上・利益、そのためのメンバーのマネジメントというように思考や行動のプライオリティが変わってくるわけである。これはまずいということで、私のアイデンティティを切り替えることにした。英国ウェールズ大学MBAプログラムの教授ではなく、非常勤講師へ。経営コンサルタントではなく、コンサルファーム経営者へ。